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全司法新聞
 
「暴走」政治Stop! 要求前進めざして、全国から結集
11・12中央行動
 
国会請願デモ 要求をアピール

 11月12日、全労連・国民春闘共闘・全労連公務部会は、民間の年末一時金をはじめ公務員賃金改善、大幅増員、雇用と年金の確実な接続、非常勤職員の処遇改善や制度政策などの要求実現とともに、安倍暴走政治ストップ、国民的要求の前進をめざして2015年秋季年末闘争11・12中央行動を実施しました。
 全司法は、国公労連とともに、国民的な要求課題とあわせて、定員「合理化」方針撤回、独立行政法人の運営費交付金拡充、賃下げ違憲訴訟勝利、社保庁職員不当解雇撤回など、国公労働者の要求課題もかかげて中央行動に結集しました。

まずは行動の意義・目的を学習

「戦争法の強行採決」や臨時国会の要請を無視するなど、憲法違反をくり返す安倍政権の退陣要求をかかげて開かれた、全労連、国民春闘共闘、国民大運動実行委員会の中央行動には全体で2500人、全司法からは約50人の仲間が全国から結集しました。
 中央行動に先立って、午前10時から全司法独自で情勢学習会を実施し、中矢委員長が「秋季年末闘争をめぐる情勢」について、阿部書記長が「人事院勧告とフレックスタイム制」について説明し、私たちの職場を巡る情勢を改めて確認するとともに、この日の中央行動の意義や目的について意思統一を行いました。

国民犠牲との対決 日本もフランスも共通

 午後からは、日比谷野外音楽堂で「戦争法廃止!安倍政権NO、めざそう!安全・安心社会・国民要求実現11・12総決起集会」に参加しました。主催あいさつをした国民春闘共闘代表幹事の小田川義和全労連議長は、「自公政権が臨時国会開催を拒んでいることに抗議し、速やかな開催を求める。安倍首相の『一億総活躍社会』とは、破綻したアベノミクスの延長でしかない。独裁政治へ暴走を強めている安倍政権を、戦争法廃止の『2000万署名』など国民世論の力でストップさせよう」と呼びかけました。
 集会には、13日から開催される全労連「国際シンポジウム」に招いた海外代表が来場し、CGT(フランス労働総同盟)のドニ・メナン欧州国際部員から「政府による社会保障費削減など国民犠牲と対決している点で、日本とフランスにはたたかいの共通点がある。CGTは日本のたたかいに連帯し、とくに戦争法をめぐるたたかいを支持する。全労連のみなさんと今後とも共同を強めていく」と連帯のあいさつを熱く述べました。
 集会終了後は、国会閉会中の予算委員会が開かれている国会にむけて、デモ行進に出発しました。

戦争の奉仕者にならない
札幌支部組合員が決意表明


 国会請願デモ終了後、15時からニッショーホールで、「まもろう憲法・国公大運動11・12学習決起集会」が開かれました。
 決起集会では、9条の会事務局長の小森陽一氏(東大教授)が1時間にわたって講演。「9条の会」による草の根の運動や「戦争させない・憲法壊すな!総がかり行動実行委員会」による粘り強い共同行動の継続が、学生や若者の運動、女性の運動と結びついて、戦争法案反対の大きな運動の広がりや野党の結束をもたらし、国民の「戦争法案反対」の世論を高めたことを指摘し、持続的な運動をすすめようと強調しました。
 最後に、全司法札幌支部の佐藤未来さんが「裁判所は憲法と関係の深い職場であり、人権侵害から国民を守る役割がある。多くの裁判官経験者も『戦争法は違憲』と指摘している。全司法はふたたび戦争の奉仕者にならないため、運動を強化する」と力強く決意表明し、決起集会を締めくくりました。

 
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2016年度の増員、ストレスチェック制度、異動などで最高裁を追及
秋年期第3回給与課長交渉
 
第3回給与課長交渉

 全司法本部は11月10日、今秋3回目となる最高裁春名給与課長との交渉を行いました。2016年度の増員をはじめ、ストレスチェック制度、異動、女性の登用拡大などの課題を中心に最高裁を追及し、当局の認識を確認しました。

人員


充実強化の必要性等を説明。
全力を挙げている


 増員について、「政府は、毎年2%(5年10%)以上を合理化すること等を内容とする『国の行政機関の機構・定員管理に関する方針』を閣議決定しており、国の財政状況が逼迫している中、既存業務の増大への対応は定員の再配置により対処する方針を明確にするなど、増員を取り巻く情勢は非常に厳しい」との認識を示しました。その上で「民事訴訟事件の内容が社会経済情勢の変化を背景に、より一層複雑困難化してきていることや、成年後見関係事件が引き続き増加傾向にあることから、適正迅速な裁判を実現し、国民の負託に応えていくために、財政当局に対しては、裁判所の人的態勢の充実強化を図っていく必要があることや、各庁の事件処理状況を詳細に説明して、その理解を得るべく全力を挙げている」と回答しました。

賃金改善


要望は関係機関に伝える

 人勧改善部分の早期実施や給与制度の総合的見直しの中止をはじめ、各種手当などの改善を強く求めたことに対し、「給与制度の総合的見直しが職員の処遇に与える影響は大きいものがある」との認識を示した上で、「職員及び職員団体が、生計費の維持、確保という観点から、賃上げに向けた強い要望を持っていることは認識しており、職員団体の要望は関係機関に伝わるようにしたい」と回答しました。

健康管理


ストレスチェック、人事院等の動向踏まえ検討

 メンタルヘルス対策については、「本年4月にも、管理職員に対し、既に配布している『メンタルヘルスワークブック(新版)』を再度熟読するよう働きかけるとともに、裁判官にも同『ワークブック』を配布したところであり、これらのとりくみにより、早期発見・早期対応等がより一層図られるものと考えている」との認識を示しました。
 また、パワハラについては、「先般、人事院において、『パワー・ハラスメント防止ハンドブック』が作成され、ホームページにも掲載されたことから、同ハンドブックについても、管理職員を含めた全職員に情報提供することで、パワー・ハラスメントの防止等について、より一層の知識付与及び意識啓発に努めていきたい」と回答しました。
 なお、人事院報告で示されたストレスチェック制度の導入に向けて予算の確保や健康安全管理委員会の設置を求めたのに対し、「現在人事院で検討している段階であり、今後も引き続き情報収集に努めるとともに、裁判所における対応については、人事院や行政府省の動向等を踏まえて検討していきたい」と回答しました。

女性登用・異動等


仕事と家庭の両立に向け、下級裁への指導を徹底

 仕事と家庭の両立に向けた異動計画の策定について、「裁判所特定事業主行動計画においても、異動計画の策定に当たっては、子育てに関して異動についての配慮を求めている職員に対して、可能な範囲で異動についての配慮を行うこととしているところである」「今後も、仕事と家庭の両立に向けて、下級裁への指導を徹底していきたい」と回答しました。
 女性職員の採用・登用拡大について、「各高裁においては、引き続き、管内の実情等を十分に踏まえながら、第3次拡大計画で掲げられた目標の達成に向けて、キャリア相談窓口や座談会等の新たなとりくみがより実効性のあるものとなるよう、職員への周知を含め、必要な見直し等を積極的にすすめていくものと思われる」との認識を示しました。

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新たな育成施策、異動など切実な課題が明らかに 地連調査官担当者会議・上京団行動
 

2015調査官担当者会議
「新たな施策」の問題点、浮き彫り

 11月1〜2日、地連調査官担当者会議と、上京団交渉を実施しました。
 担当者会議では、総研9期(2012年採用)から11期(2014年採用)の調査官を対象に実施したアンケートの結果等にもとづき、育成のための新たな施策について議論し、その問題点を明らかにしました。
 アンケートでは、採用庁で約1年間グループ修習を行う実務研修の感想として、「過密スケジュールである」「グループで常に行動することによるストレスを感じる」などの回答が寄せられ、任官後1か月間の採用庁での研修の問題も指摘されています。
 また、調査官に任官した直後の4月異動で小規模の本庁及び支部を中心に配置されますが、主任調査官が出張などで不在となった場合に十分な支援や助言を受けることができず負担感を感じる、そもそも実務経験を積むだけの事件数がないなど、様々な問題点が指摘されています。
 加えて、昨年4月の異動により夫婦別居を余儀なくされた総研9期については、配偶者と会うための往来に肉体的にも経済的にも疲弊している姿が浮き彫りになりました。

異動の見通しなく、生活設計に支障

 調査官全体の異動については、新たな育成施策により、小規模庁での勤務を希望する調査官に対しては、任官直後の調査官の配置が優先であると言われ、希望庁に異動できる見通しが立たないなど、将来の生活設計に支障が生じかねないとの報告がありました。
 また、北海道、東北、中国、四国及び九州などからは、交通整備が十分になされていない地域事情などの説明があり、出張調査において負担感が小さくないことから、タクシー利用を柔軟に認めて欲しい、事件数だけで職場状況の繁忙度を判断してもらいたくないとの切実な意見が出されました。
 さらには、管理職を含めて調査官の長期病休等の実情が報告され、健康で働きやすい職場環境の整備が喫緊の課題であることが再確認されました。
 少年法の適用年齢引き上げをめぐる情勢をふまえて、調査官の重点要求書に「成人年齢引き下げは家裁の理念を損なうものであり、少年法を適正に運営する立場の家裁として反対するように、関係各所に働きかけること」を盛り込むことを確認しました。
 こうした議論を受けて、上京団交渉では、冒頭に、全司法が作成した少年法のリーフレット等を交付し、その後、増員、異動、育成などを中心に各職場からの要求を主張し最高裁の姿勢を確認しました。

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登用拡大や権利取得しやすい職場について討議 地連女性担当者会議
 
担当者が集まり和気藹々と議論

介護をめぐる課題について学習

 11月15日、2015年度第1回地連女性担当者会議を開催しました。
 午前中は、全労連ヘルパーネット事務局の森永伊紀さんをお招きして「社会保障改悪後の介護の現状と、介護の現場で働く人の現状」をテーマに学習会を実施しました。
 森永さんがヘルパーとして働く東京都世田谷区における介護のとりくみ、とりわけ、見守りや介入・保護など、自治体が社会保障の一環としてとりくむべき「介護保障」の必要性について説明されるとともに、介護サービスの縮小、自己負担増(今年8月から実施)、介護報酬の引き下げなど、今年4月から実施された介護保険制度改悪の問題点を明らかにされました。これにより、利用者の負担が増えると同時に、良心的な中小事業者の経営が成り立たなくなり、撤退せざるを得なくなっている実態が報告されました。

全支部で「寄せ書き行動」等を実施しよう

 午後からは、全労連女性部が実施した「女性労働者の健康・労働実態及び雇用における男女平等調査」及び「妊娠・出産・育児に関する実態調査」などの結果も参考に、職場実態を出し合い、女性をめぐる課題について討議しました。
 女性の登用拡大では、女性職員に対する当局の意識啓発のとりくみは、各庁で実施方法に違いはあるものの、全体としてはかなりすすんでおり、とりわけ若い層に対する意識づくりが積極的にされている様子が報告されました。一方、異動の負担に加えて、「管理職になったら産休・育休がとりにくい」「残業をするのが当然になる」「勤務時間外の会議や打合せで拘束される」などの理由から、管理職になるのを躊躇するという職場の意見が紹介されました。
 また、繁忙な職場状況のもとで、生理休暇の取得がすすまない状況や、育児時間を取得している職員の超過勤務が話題となりました。育児・介護に関する休暇等の制度を利用している職員については、管理職が業務量の調整をすることが、全司法との交渉での到達点になっており、それを地連・支部の交渉・折衝で活用するとともに、職場の中でも活かしていくことの必要性が改めて確認されました。
 女性の運動については、女性部が活動している支部も、そうでない支部も、女性組合員のためのとりくみとして「女性同士で集まり、ざっくばらんに話ができる場を作る」ことの必要性が確認されるとともに、そうした話し合いの場を作るためのとりくみとして、2月の女性上京団行動に向けて、全国すべての支部で寄せ書き行動等にとりくむことを確認しました。

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運動方針を具体化 「青年の声」当局を追及 青年協第2回常任委員会・最高裁交渉
 
青年協新体制初の最高裁交渉

 青年協は、11月8日〜9日、第2回常任委員会と引き続く最高裁交渉を行いました。交渉には、常任委員・オブザーバーの計13名が出席し、常任委員会で確立した統一要求書および異動要求書に基づき、青年の厳しい生活実態や職場の実情等を訴え、当局を追及しました。

全国青年友好祭典に向けた議論を開始!

 第2回常任委員会では、第25回定期総会で確立した運動方針に基づき、通年的なとりくみや各闘争期でのとりくみを討議して具体化をはかったほか、昨年開催した友好祭典の成果を継続させて地連を越えた交流をはかるため、次回の開催場所、方法および内容などについて議論を始めることを確認しました。今後、各地区において候補地となりうる場所を検討していきます。
 また、各級青年機関の活動や実態の報告を行ったほか、秋季年末闘争期における全司法青年協統一要求書および異動要求書の確立などを行いました。

「暮らしむきアンケート」実施

 運動方針の具体化にあたっては、各級青年機関の活動や組織実態を正確に把握すること、新採用者に対する加入の呼びかけとフォローを徹底すること、教宣活動を充実することおよび学習を強化することなどを中心に議論し、今年度も春闘期の交渉にむけて「青年の暮らしむきアンケート」を実施することを確認しました。

賃金の低い青年層諸手当の改善がより切実な要求に

 常任委員会後には、最高裁春名給与課長との交渉を実施しました。賃金、諸手当、異動および書記官試験など、青年層にとって重点となる課題について当局を追及するとともに、各地の常任委員・オブザーバーから青年の生活実態や職場の実情等を直接訴え、その改善を求めました。
 とりわけ、諸手当については、本年4月から見直された地域手当や寒冷地手当のほか、住居手当の改善を求める声が高まっています。

総合研修所と研修生より充実した意見交換を

 また、総研生からの要求として、総合研修所のコピー機が有料であり、研修に真に必要なものについても自己負担が生じていること、研修棟にシュレッダーが整備されていないため、通所生を中心に非常に不便な状態となっていることなどを伝えました。
 あわせて、現在ある記名式の研修日誌や、寮長等を通じた意見集約では、研修生の要望が十分に伝えられていないことを指摘し、研修生の要望をより広く聞く仕組みを検討するとともに、研修生から出された意見に対して丁寧な説明をすることで、研修生と総合研修所の間でより充実した意見交換を実現することを要求しました。

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「話を聞いてよくわかった。少年法を守らなければいけない」 第61回子どもを守る文化会議
 

 11月15日、今年で61回目となる「子どもを守る文化会議」が都内で開催されました。
 「子どもを守る文化会議」は、1953年に「平和と子どもの人権を守り、豊かな文化を創造できる環境を」を合い言葉に開催されて以来続いている活動で、全司法とは、長く強い協力関係にあり、子どもたちをめぐって、共に闘ってきました。
 今年は、「No WAR!21世紀を子どもの世紀・平和の世紀に!子どもたちのいのちを守り豊かな成長を育む文化の創造を!」をテーマに開催されました。
 オープニングでは、歌や弾き語りが披露され、続いて、記念講演として、医療ソーシャルワーカーとして活動されている武山ゆかりさんが、医療や福祉の現場での生々しい実態を話されました。
 午後からは3つの分科会に分かれ、第1分科会では、学校現場において、様々な管理が行われ、子どもたちや働く人たちが大変なことになっているとの問題提起がありました。
 第2分科会では、各地域に根ざした子どもの遊び、文化を守る活動に、行政からの様々な介入がなされていて、危機的な状態にあることが紹介されました。
 第3分科会は、「いのちを守り育み、希望のもてる社会に!」をテーマに、学校給食の問題のほか、全司法少年法対策委員会から少年法適用年齢の引下げ問題について報告しました。
 会場からは、「最初表題を見たとき、何をおかしなことを言っているんだ」と怒りを覚えたという参加者から、「話を聞いて、少年法の危機がよくわかった。少年法を守らなければいけない。」といった声が聞かれました。
 この日は、在京近県の組合員も参加していましたが、そうした人達からも発言があり、分科会会場全体に全司法の問題提起が伝わりました。
 少年法改悪がいよいよ切迫している中、民主団体との連帯の重要性をあらためて確認する日となりました。

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最高裁支部 青年部結成!
 
最高裁支部青年部結成集会の出席者

 11月18日、最高裁支部において、青年部が再結成されました。
 以下、最高裁支部青年部からの報告です。

青年が集まる場を定着

 まずは、最高裁支部青年部結成にあたり、ご協力頂いた方々に対してあらためてお礼を申し上げたいと思います。
 今回、青年部を結成することが出来たのは、様々な人に支えてもらった結果だと思っております。本当にありがとうございました。
 最高裁支部では、以前は青年同士の交流の機会はほとんどありませんでした。
 それがここ2〜3年、青年協や東京地連が主催する青年向けのイベントで交流したメンバーが、異動により最高裁に集まり、支部主催の交流会などで顔を合わせるようになりました。
 支部の協力のもと、そのメンバーを中心として、昨年度から、数ヶ月に1回程度、昼休みにランチ会を行うなど青年同士が顔を合わせる場を設け、青年協の統一要求書の職場討議や「暮らしむきアンケート」などにもとりくむようになりました。
 驚かれるかも知れませんが、今回、青年部結成準備会を立ち上げてから、結成に至るまでは2ヶ月しか経過していませんでした。
 結成の前段階として青年の集まる場を定着させることが出来ていたことが大きかったと思います。
 そして、約2ヶ月前に「青年部を結成しよう!」と話が盛り上がり、その勢いにのってここまで駆け抜けてきました。

青年部の存在意義を再確認しよう

 同じ建物の中に全司法本部があるという大きなアドバンテージはありましたが、やはり青年部結成にあたっては色々と困難もありました。
 現在青年部が存在している支部においては、ぜひ青年部があることの良さをあらためて知って欲しいと思います。
 「青年部がなくても親支部が活動を肩代わりしてくれる」「青年部があると役員が増えるし、仕事も増える」と思うかもしれませんが、一度活動が途切れてしまうと、再び動き出すには大きなパワーが必要になりますし、青年部が無いことが当たり前になってしまえば青年同士が普段から顔を合わせる場を持つことなど、継続的な活動はどうしても難しくなります。
 何となく偉そうな文章になってしまったかも知れませんが、最高裁支部青年部の役員は全員青年部が初めてです。
 青年部が無い立場が長かったからこそ、あることが当たり前であるという環境が羨ましくあります。

青年を最高裁で一人にしない

 私たちは青年部の活動を通して、全国から異動してきた青年が、最高裁という繁忙で特殊な環境で孤立してしまうことがないように、しっかりとフォローしていきたいと思っております。
 全国の青年部の先輩方には色々な面でお世話になる機会も多いかと思いますが、これからもどうぞ宜しくお願いします。

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信頼関係に基づき、率直に意見交換しながら、より良い方向を 全司法本部四役 最高裁長官会見を実施
 

 全司法本部四役は、11月20日に就任あいさつをかねて寺田最高裁長官と会見しました。最高裁からは、戸倉事務総長、堀田人事局長、春名給与課長が同席しました。

委員長 会見にあたって、全司法労働組合として持っている問題意識のいくつかについて意見を述べ、長官のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
長官 承りました。当局と職員団体という立場の相違はありますが、今後ともこれまで同様、相互の信頼関係に基づき、いろいろな問題について、率直に意見交換をしながら、より良い方向で解決していってもらいたいと思います。

裁判所の人的態勢の整備について


職場状況をきめ細かく見た態勢整備を ――委員長
今後とも人的・物的態勢を整備していく ――長官

委員長 この間、全国規模で見ると、家庭裁判所の書記官等を中心に一定の人的手当てがはかられているものと認識していますが、職場からは引き続き、人的態勢整備の必要性が伝わってきています。
 家庭裁判所では、この間の事件数増加への対応に加えて、成年後見事件の適正・迅速な事務処理に労力が注がれています。とりわけ、不正防止を含む後見監督については、監督事務のあり方も含めて、各庁での模索と努力が続いているところです。
 民事事件等での事件の複雑・困難化に対する対応も重要です。各種の紛争解決のために、引き続き適正・迅速な事件処理が求められているとともに、とりわけ、わが国が大きな岐路にさしかかっていると感じさせるような様々な情勢の動きがあるもとで、裁判所が国民から求められる役割もますます大きくなってきていることが感じられます。
 また、裁判所は全国各地にありますが、国民に対しては、庁規模の大小によって変わることのない司法サービスを提供することが求められています。たとえ地方の小規模庁であっても、国民の負託に応え、職員が無理なく執務できるだけの人的態勢が必要です。
 裁判部門だけでなく、庁舎改修等の案件を抱える会計関係の部署をはじめ、事務局からも繁忙状況が伝わってきており、業務量に見合った人的手当てをはかるとともに、機動的な応援態勢や事務処理の簡素化、効率化にむけたさらなる具体的方策の検討が必要だと考えています。
 それぞれの職場状況をきめ細かく見ていただき、次年度に向けて、引き続き、各職場の人的態勢整備をお願いしたいと思います。
長官 司法制度改革がスタートしてから15年が経過し、この間、より身近で、頼りがいのある司法を築くことを目指して、裁判所の扱う様々な事件の分野に新たな制度が導入されました。民事手続では労働審判制度の導入や、知的財産高等裁判所の活動が高い評価を得ているほか、刑事裁判に大きな変革をもたらした裁判員制度は、国民の高い意識と誠実な姿勢に支えられて、刑事手続の標準として定着しつつありますが、社会経済のさらなる変化を受けて、司法の判断が社会経済や国民生活に大きく影響を及ぼす事件など判断が難しい事件が増加傾向にある中で、裁判所が適正・迅速な裁判を通じて、個別の事案、事件に妥当な解決をもたらすという使命を十分に果たしていくことは、安定した社会の基盤を確保するために極めて重要です。
 各裁判部門の実情をみると、民事の分野では、利害関係が錯綜する事件や対立が根深く解決が困難な事件が増えてきていることから、適正迅速な紛争解決の実現という裁判本来の役割を見つめ直すとともに、時代の趨勢を見据えた運用改善に努めていく必要がありますし、刑事の分野では、裁判員制度の運営について、公判前整理手続の長期化など、なお検討すべき課題にとりくんでいくためには、刑事裁判本来の姿を再確認しながら、具体的な事案に基づく実証的な検討を重ね、その結果を実務へ還元していくという地道なとりくみを続けていく必要があります。
 また、家事の分野では、家族の在りようの多様化と少子高齢化の進展とが相まって、解決困難な事件の増加をもたらしているとともに、権利意識の高まりにより、家族間の問題であっても、手続の透明性と権利義務の明確化を求める事件が増えていることから、このような家事事件をめぐる状況の変化を踏まえ、常に実情に即した問題意識を持ち、新しい発想と創意工夫をもって、実務の運営の改善にとりくんでいかなければなりません。
 さらに、これらの裁判部門を支える司法行政部門においては、裁判部門の実情や裁判部門が日々直面している課題を的確に把握し、その環境整備を行っていくことが必要不可欠です。
 私たちは、これまでも、司法の果たすべき役割がますます重要になるという認識に立ちつつ、司法の機能充実・強化に努めてきましたが、こうした状況にあって、裁判所がその使命を果たしていくために、今後とも人的・物的態勢を整備していく必要があります。一方で、極めて厳しい財政状況の中、裁判所の態勢整備に国民の理解を得ていくためには、より一層の内部努力を重ねていくことが不可欠です。職員の皆さんには、引き続き御協力をお願いしたいと思います。

超勤縮減、「働き方の見直し」、事務の簡素化・効率化について


具体的な提案など、リーダーシップの発揮を ――委員長
工夫すべき点がないか等につき検討させていく ――長官

委員長 私たちは、労働時間は賃金とともに、労働条件の根幹をなすものだと考えています。正規の勤務時間以外の時間は、本来、「自分の時間」として、働く者が自由に使うことができる時間であり、その中で、育児や介護を含む家庭生活を営み、自己研鑽や休息・気分転換を行い、地域での活動や社会的な活動、さらには、労働組合の活動に積極的に参加する機会を持つことが必要です。
 裏返して言うなら、超過勤務は、職務のために「自分の時間」を削るということであり、可能な限り縮減するのが本来の姿であると考えています。ましてや、「持ち帰り」や「サービス残業」があってはならないことは、最高裁もかねてから同じ認識を持っているものと理解しています。
 その意味で、最高裁が超勤縮減をすすめる姿勢を示し、ワークライフバランスを重視して「働き方の見直し」を行うとされていることについては、私たちも評価し、そのとりくみに期待しているところです。当局がすすめている女性の登用拡大や次世代育成支援にも影響する課題であり、職員の健康管理のうえからも重要な課題だと認識しています。
 一方で、これはかけ声だけではすすまない課題でもあり、「現場任せ」にしていても上手くいかないのではないかと考えています。各部署の執務態勢を整備していくことも必要ですし、当局が「事務の簡素化、効率化」をすすめることで超勤縮減をはかるとしていることからすれば、最高裁をはじめ各庁当局が「事務の簡素化・効率化を思い切ってすすめる」という明確な姿勢を職員に対して示し、具体的な提案を行うなどリーダーシップを発揮していくことも必要だと考えています。
 私たちも最高裁も、問題意識は共通にしている課題だと思いますので、ともに努力して、目に見える形ですすめていきたいと考えています。
長官 職員の皆さんに持てる力を十分に発揮してもらうには、心身の健康の保持、増進を図るとともに、家庭生活と両立していけるような環境整備を進めることが重要です。このような観点から、これまでも種々の施策を講じてきていますが、今後もその実効性を高めるために工夫すべき点がないか等につき検討させていきたいと考えています。

職員の育成について


のびのびと仕事をすすめる職場づくりを ――委員長
日常の執務を通じて成長を図る仕組みを充実 ――長官

委員長 職員の素養や実務能力を高めることは、「国民のための裁判所」を作るうえで重要であるとともに、自信を持って職務に向き合う力をつけることは職員自身のやりがいにもつながる課題だと考えています。とりわけ、数年後からは1980年代後半からの大量退職・採用期に採用された職員の定年退職が始まることが予想されるもとで、それらの職員が蓄積してきた知識や経験を引き継ぐことも重要な課題になってくるものと認識しています。
 これまでに、1996年に出された「中長期的観点に立った職員制度に関する提言」(参事官室提言)や2012年から実施されている「家庭裁判所調査官の育成のための新たな施策」などの職員政策がありますが、その後の経過もふまえて、改めて、研修制度、配置と異動、職務を通じた能力の向上などを総合的にとらえ、中長期的な観点から職員の育成を図っていくことが重要だと考えています。
 また、職員は上司からの指導だけではなく、先輩から助言を受け、同僚の仕事ぶりから学び、部下や後輩を指導する中でも学びます。上手くいくことばかりではなく、失敗を繰り返しながらも、そのことを糧にして経験や能力を培っていきます。こうした相互に学びあい、高め合う職場にしていくために最も重要なことは、職場の中で協力し合い、自由闊達に議論しながら、職員が萎縮することなく、のびのびと仕事をすすめる職場を作ることだと考えています。当局は、OJTの育成者として管理職員を想定されていますが、そうした視点で、育成者に対する指導や研修を充実していただきたいと考えます。
長官 社会、経済状況の変化等を反映して、裁判所に求められるものがますます幅広く、深くなってきている中、これまでにも増して、一件一件の事件の適正・迅速な解決に向けて誠実に努めることにより、国民、社会からの信頼をより確かなものとしていくためには、職員一人一人の士気を高め、その能力を伸長させる人材育成が重要であることから、日常の執務を通じて成長を図る仕組みの一層の充実に努めたいと考えています。

全司法との誠実対応について


誠実な対応と健全な労使関係を ――委員長
忌憚なく話し合う中で問題を解決 ――長官

委員長 1992年3月18日の最高裁事務総長見解以降、全司法と裁判所当局とは相互の信頼関係に基づいて、建設的な労使関係が築かれていると認識しています。
 全司法はこれまでにも職員の声を集め、現場の職員の視点から、当局に対し様々な課題で意見を述べてきていますが、相互の信頼関係に基づき、そうした率直な意見交換を行うことを通して、様々な施策が立案、検証され、今の裁判所の職場のあり様ができあがってきたものと考えています。そうした役割をふまえ、私たちは今後とも、職員の地位の向上と「国民のための裁判所」実現を目指す立場から努力を重ね、意見を述べていきたいと考えています。
 引き続き、全国の各庁で、全司法の意見に耳を傾けていただき、率直で建設的な議論を積み重ねていけるよう、全司法との誠実な対応と健全な労使関係を築いていくことを確認したいと思います。
長官 昨年も述べましたように、1992年3月18日の事務総長見解の内容は当然のことと考えています。職員の勤務条件やこれに関連する事項については、これまで築き上げてきた相互の信頼関係に基づき、率直に問題意識をぶつけ合い、忌憚なく話し合う中で、問題の解決を図っていかなければならないと考えています。担当部局には、今後もそのような立場で努力させたいと思いますし、職員団体もその方向で努力していただきたいと思います。

 
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