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  トップページ > 全司法新聞 > 2015年10月 > 2227号
 
 
全司法新聞
 
少年法・18歳への引き下げ反対
「成長の時期」だからこそ、少年法の手続きが有効!
 

 6月に公職選挙法が改正され、選挙権を行使できる年齢が18歳以上に引き下げになりました。これを受けて民法の「成人年齢」をはじめ、様々な法律の対象年齢が検討されており、少年法についても適用年齢の上限を20歳未満から18歳未満に引き下げることが検討されています。
 日弁連をはじめ、少年法に関わってきた団体・個人はこれに反対の意見を表明し、全司法も7月の定期大会で改めて「反対」の立場を確認しました。

「18歳」で統一する必要はあるか

 自民党が党内に設置した「成年年齢に関する特命委員会」は公職選挙法にあわせて、少年法についても適用年齢引き下げの方向を確認しました。これは、全ての法律について「18歳成人」で統一しようという考え方に基づくものです。しかし、法律はその目的によって対象年齢を定めており、一律に〓えることに必ずしも合理性はありません。例えば、同委員会が飲酒や喫煙ができる年齢を引き下げるとしたことに対して、強い反対意見が出されています。

「社会防衛」としてもデメリットが大きい

 それでは、少年法についてはどうでしょうか?
 全司法が先に実施したアンケート(中間集計)では、圧倒的多数の家裁調査官から反対の意見が寄せられました。18・19歳の少年について、立ち直りを実感した経験がある調査官が約90%にのぼることが大きな理由です。
 少年は少年法の手続きの中で働きかけを受け、自らの非行の重大さに気づき、考え方を変えていきます。特に、18・19歳は就職や進学など、自立に向けた人生を歩き始める時期と重なるため、周囲の働きかけで大きく変化します。そうした「成長の時期」だからこそ、少年法の手続きが有効だというのが、少年事件を担当したことのある書記官・家裁調査官などの実感です。
 その年代を対象外とすることは、未だ社会的・経済的に自立しているとは言えない若年層を更生させる機会を奪うだけではなく、再非行を防止し、犯罪を未然に防ぐ「社会防衛」策としてもデメリットの方が大きいと考えられます。

少年法は「甘く」ない

 少年法の手続きは刑事訴訟とは目的が異なります。
 刑事事件の場合、軽微な事案であれば略式で終わることがあり、正式裁判でも情状によっては執行猶予で終わる事件も多く、裁判で実刑になるケースは、起訴された事件全体の中で二割弱にとどまります。また、検察官がそもそも起訴しない事案もあります。
 一方、18・19歳の少年事件の多くは、放置自転車の横領や万引きなどの軽微事案ですが、少年法では「全件送致主義」(すべての事件が家庭裁判所に送致されるという考え方)がとられているため、軽微な事件でも必ず家庭裁判所の手続きを受けます。
 また、少年事件では非行事実のみではなく、要保護性(再非行に及ぶ危険性や保護処分の必要性など)も考慮した上で処分を決定するため、成人では実刑とならないような事件でも、少年院に送致されることもあります。
 少年法はけっして「少年だから、甘くしよう」という法律ではありません。対象となる少年たちにとっては、むしろ刑事手続きよりも「厳しい」と感じるものです。

現場からの発信が全司法の役割

 世間では、少年事件が「増加している」あるいは「凶悪化している」と話題にされることがあります。しかし、実際には少年事件は年々減少しており、特に凶悪事件の減少は目立っています。
 また、少年であっても、事案によっては刑事事件となり、殺人などの重大な結果を引き起こした場合は、死刑になることも世間的にはあまり知られていません。
 少年法が誤解や「甘い」というイメージだけで議論されることのないよう、少年法の現場で働く職員を組織する労働組合として、全司法が少年事件の実態や家裁の役割について、積極的に発信していくことが求められています。

 
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フレックスタイム制「裁判所の特殊性踏まえ検討」
15年人勧の取扱い等で総長交渉
 

 全司法は10月1日、最高裁戸倉事務総長と2015年人事院勧告の取扱い等に関する要求について交渉を実施しました。事務総長は、賃金をはじめとする勧告の取扱いおよびフレックスタイム制の拡充について「職員団体(全司法)の要望は関係機関に伝わるようにしたい」と回答しました。

賃金



要望は関係機関に伝わるようにしたい

 人事院勧告は、2年連続の改善勧告であったことは評価できる一方、中堅・ベテランの職員等については、実際には現給保障部分の「埋め戻し」に使われてしまうことから、手取りは増えないこととなります。
 そこで、賃金・一時金などの改善部分を早期に実施するとともに、「給与制度の総合的見直し」は中止し、官民比較による原資はすべての職員の処遇改善に直接使用するよう、関係機関に働きかけることを要求しました。
 これに対し、総長は、「職員にとって賃金問題が最も重要な問題であり、職員団体(全司法)がこの問題を最も重視して真剣にとりくんでいることは十分理解しているところである。最高裁としては、職員の人事行政を所掌する立場から、職員の生活が少しでも改善されることを常に望んでいるところであり、これまでと同様、職員及び職員団体と誠実に対応していきたい」と回答した上で、「本年4月から実施されている俸給表の水準の引下げや地域手当の見直し等を内容とする給与制度の総合的見直しについては、職員の処遇に与える影響は大きいものがあると認識している」、「人事院勧告の取扱いについて最高裁が国会や内閣に対し働きかけを行うことには、法の建前からくる制約があるが、職員団体の要望は関係機関に伝わるようにしたい」と回答しました。

フレックスタイム



裁判所の特殊性や職務の特性等踏まえ検討

 フレックスタイム制の拡充について、「裁判所の職場においては、開閉廷時間との関係や窓口担当部署での対応をどうするのか等、独自の課題も多い。結果として、超過勤務の増加やサービス残業が広がることになるのではないかとの懸念を持っている。一方的に導入しないよう関係機関に働きかけるよう」要求しました。
 これに対して総長は、「裁判所の組織の特殊性や職務の特性等も踏まえて検討するとともに、職員及び職員団体と誠実に対応していきたい」と回答しました。

再任用



引き続き、適切に行われるよう努力

 「希望者全員の再任用を保障すること」との要求に対しては、「裁判所職員の雇用と年金が確実に接続されるよう、再任用を行っているところであり、引き続き、適切に再任用が行われるよう努力していきたい」と回答しました。

労働基本権



政府の動向等を注視、誠実に対応

 公務員の労働基本権の在り方については、「今後の政府の動向等を引き続き注視するとともに、今後、裁判所において具体的な措置を検討するに当たっては、裁判所の組織の特殊性や職員の職務の特性を踏まえながら、これまで同様、職員及び職員団体の意見を聴くなど、適切かつ誠実に対応していきたい」と回答しました。

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全司法大運動 19回目の請願採択 45名の紹介議員
 

 第189通常国会の大幅な会期延長の影響により、審議が後ろ倒しとなっていた2014年度の全司法大運動「裁判所の人的・物的充実を求める国会請願署名」は、9月25日、衆参両院で採択されました。国会での請願採択は、全司法大運動のとりくみが始まって以来19回目となります。
 今回は、5月28日に行った中央での国会議員要請行動を経て、自民、公明、民主、共産の各政党から、昨年を上回る衆議院29名、参議院16名、合計45名もの国会議員に紹介議員になっていただきました。これは、私たちが求める裁判所の人的・物的充実の必要性について、国会内での世論形成がすすみ、理解と共感が確実に広がっていることを裏付けるものです。
 国会で請願が採択されると、国会法81条の定めにより、その請願が内閣総理大臣に送付され、請願事項を誠実に処理する義務が関係官庁に課せられます。また、年に2回、その処理経過を国会に報告しなければならないことになっています。このような経過をたどることから、今後の裁判所予算の拡充や「国民のための裁判所」実現に向けた人的・物的充実にも大きな力を発揮することになります。
 この秋からは、次年度に向けた21年目となるとりくみが再び開始されます。引き続きの請願採択をめざし、全国でがんばっていきましょう。

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第1次組合員拡大強化月間 「プロジェクト」を具体化し、組織の増勢をはかる
 

 全司法の組織方針である「全司法組織強化・拡大プロジェクト〜新たなJOプラン 2ndステージ」(以下「プロジェクト」)は、全ての支部で毎定期大会時における組織の増勢をはかりながら、組織の回復をめざすことを基本目標としており、今後の大量退職・大量採用期に向けて全司法の運動と組織を継承・発展させるための方針として位置づけています。この時期は各支部で新執行体制が発足し、運動の出発点となりますが、その中で組織課題においては「プロジェクト」を各級機関で確認し合い、それぞれの組織力量にあった具体化をすすめることが重要です。

職場全体でとりくもう

 10月を迎え、各級機関では定期大会を終えて新しい執行部が発足しています。
 新体制での活動がスタートする時期にあたり、全司法の最重要課題である組織強化・拡大について、新執行部と職場の組合員で認識を共有し、職場全体でのとりくみをすすめていくことが求められます。
 全司法は通年する組織強化・拡大のとりくみにおいて、3期にわたる組合員拡大強化月間を設定し、とりくみをすすめています。
 第1次組合員拡大強化月間は9月24日からスタートしていますが、この時期のとりくみの柱は大きく2つです。

「拡大目標及びスケジュール」を共有しよう

 第1は、支部ごとに「拡大目標及びスケジュール」を立てることです。
 新執行部が発足したこの時期に、昨年度の運動の到達点や弱かった点、組織人員の推移などを踏まえながら、具体的な拡大目標と年間の組織スケジュールを立て、これに沿った計画的なとりくみをすすめていくことが重要です。同時に、拡大目標とスケジュールは職場でも共有を図りながら、1年を通じて定期的に見直し、より職場の実情にあったとりくみを行うことも大切です。

新採用者「入ろうよ!」と伝えよう

 第2に、10月の新採用者に対し、すぐに加入の呼びかけを行うことです。
 今年10月は全国で約60名近くの新採用がありましたが、新採用者の加入呼びかけにあたっては、労働組合の説明を行うだけでは加入には結びつきません。青年層や職場の先輩を中心に「入ってほしい」「入ろうよ!」と明確に伝えることが必要不可欠です。
 10月新採用者の加入がすすんだことで、次の4月の新採用者加入のとりくみにも好循環が生まれたという教訓もあります。まずは加入してもらい、「入って良かった」と感じてもらえる活動に努力しましょう。
 また、未加入となっている4月以降の新採用者に対しあらためて加入を働きかけること、新入組合員に対し、懇親会や学習会、職場大会への参加呼びかけなど、きちんとしたフォローを行うことも大切です。

総研生との結びつきを大切にしよう

 総研生は長期間職場から離れていることから、教宣紙を確実に届け、任官時の配置先など総研生の要求を吸い上げて実現させるとりくみも重要です。

日常活動を充実させよう

 新執行部が発足し、秋季年末闘争に向けた立ち上がり早いとりくみが求められます。支部・分会・青年部・女性部など、全ての機関で役員学習にとりくみ、新しい体制で充実した活動をすすめていきましょう。
 特に教宣紙の定期発行や折衝情報の速報化など、職場にスピーディーな情報提供を重視することで、組合活動が職場で見えるものとなります。こうした日常活動の充実と、要求実現を一体と捉えた活動こそが、真に組織強化・拡大に結びつくものとなります。
 加えて、様々な活動の中で次世代育成を念頭に、青年たちに活動の経験を積んでもらうことは、将来の活動の「担い手」を作っていくことに繋がります。「プロジェクト」では職場を基礎とした日常活動の充実のほか、職場・階層で核となる組合員の育成や体系的な学習の強化を提起していますが、いずれも次世代育成に直結する課題ですから、職場で意識的にすすめることが重要です。
 こうした日常活動を行う上では、ベテラン職員や役員経験者をはじめ、職場の組合員のみなさんの協力が必要です。知識や経験がある組合員が職場の「世話役」として組織を支え、また組合員一人ひとりが教宣編集や配付、職場大会への結集や呼びかけなど、できることから組合活動に参加・協力し、全司法に心を寄せていただくことを呼びかけるものです。

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一人ひとりの「想い」を大切に、仲間との連携をひろげていこう!
第41回国公女性協総会
 

全司法からの参加者
 9月26日から27日にかけて第41回国公労連女性協定期総会が都内で開催され、代議員27名、特別代議員13名が参加しました。
 来賓あいさつや運動方針案の提案の中では、「戦争法」の問題点や、廃止に向けた今後のとりくみ、強行成立された労働者派遣法をはじめとする労働法制改悪の動きと、これに反対する運動の必要性などが強調され、「フレックスタイム」制などの公務の労働条件に関する報告がありました。
 討論では、職場におけるパワハラ・セクハラの実態や、非常勤職員の処遇の問題点、母性保護もままならない看護師の夜勤の厳しさなどが報告され、改善に向けたとりくみの必要性が発言されました。
 全司法からは各支部女性部の特徴的なとりくみや、女性上京団交渉の様子、平和のとりくみについて、発言しました。
 交流会では各単組やブロックごとに楽しく意見交換をし、有意義な交流をすることができました。
 会議のまとめとして「今できることをコツコツと行っていくこと」「母性保護などで問題に直面している当事者が声を出していくことが問題解決の第一歩」「一人ひとり『想い』を大切に仲間との連携をひろげていくこと」が確認されました。
 最後に参加者全員で「9条守れ」「戦争NO!」のプラカードを掲げて平和をアピールし、総会を終えました。
 また、総会に引き続いて「わたしたちの平和ゼミナール」と題した学習会を実施し、靖国神社の役割について学んだ後、靖国神社の見学会を実施しました。
 新年度の役員として、引き続き橋本恵美子議長(全法務)が再選され、全司法からは常任委員として佐藤みゆきさん(東京地裁支部)が選出されました。

 
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