情勢
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総括答弁する阿部書記長 |
情勢の変化に確信を
安倍政権は、国民の反対の声を無視して戦争法案の衆議院での強行採決を行った。戦後70年を迎えた今、日本の平和と立憲主義はかつてない危機に瀕している。一方で、国民的な反対の運動も大きな高まりを見せている。安倍政権の支持率も急落しており、私たちの平和を求める運動は着実に安倍政権を追い詰めている。国民的な運動が大きく広がりを見せる中で、情勢は確実に変化していることに確信を持ち、各地で展開される様々な集会や行動に私たちも積極的に足を運び、憲法の平和原則を守るたたかいに全力を挙げる決意を固め合いたい。
労働者派遣法改悪など、労働法制の改悪の動きに対しても、国民的な運動が大きな盛り上がりを見せている。現在の深刻な労働実態を招いてきたのは、財界・大企業が唱える新自由主義と「構造改革」路線である。企業の社会的責任を果たさせ、誰もが安心して働き続けられる社会の実現こそが今求められている。民間の労働破壊は、いずれ公務に持ち込まれる可能性もある無視できない問題であることから、民間の仲間と手を取り合い、ともに反対の運動を盛り上げていく必要がある。
全司法大運動会
長年のとりくみで理解と共感、広がる
これまでの運動の枠にとどまることなく、職場内の署名集約をはじめ、外部団体や地域にも足を運び、国会議員への要請も積極的に行いながら、署名数の向上と国民世論の形成をめざし、全ての支部でとりくんでいくことを確認したい。長年のとりくみが法務委員を中心とした国会議員の理解と共感につながり、多くの紹介議員を得ることにつながっている。今後も、地元や中央での議員要請を継続するとともに、とりくみの広がりを作っていこう。
賃金引き上げ
賃上げの好循環を作ろう
625万人もの労働者に影響する人事院勧告で、大幅賃上げと諸手当改善が勝ち取れるよう、国公労連等に最大限結集し、最後まで追及を強めることが重要である。公務員の賃上げが民間賃金の引き上げにつながり、さらに翌年の公務員賃金の改善につながる好循環を作っていくため、最後までとりくみを強化していきたい。
少年法
適用年齢引き下げに反対
全司法は、少年法の理念を守ることを「国民のための裁判所」実現の課題としてとりくんできており、これまでの「厳罰化」の動きに対しては「少年の健全育成」という法の理念を守る立場からとりくみをすすめてきた。少年法の適用年齢引き下げについては、社会的・経済的に自立しているとは言えない18歳、19歳を「健全育成」の対象から外し、未だ可塑性に富む若年層を社会的に更生させる機会を奪うものであり、到底容認できるものではない。今年度開催の司研集会では、少年法「改正」問題をテーマとして取り上げ、全地連・支部からの職種を超えた幅広い参加のもと、議論を深めていきたい。また、この秋の動きを注視しながら、必要な時期に、必要な行動を配置することを前向きに検討していきたい。適用年齢引き下げが決定される前にアクションを起こさなければならないことから、会議や集会の形だけにこだわらず、議員要請行動等のとりくみも視野に入れ検討していきたい。
職場諸要求
最高裁回答を活用し、地連・支部の奮闘を
必要な人員を勝ち取っていけるかどうかは、これからの秋のとりくみでの地連・支部の奮闘にかかっている。諸要求貫徹闘争期の「最大限の努力姿勢」をはじめとする最高裁回答を活用するとともに、職場実態を丁寧に訴えながら、必要な人員配置や増員を求めていってもらいたい。
労働時間・超勤縮減の課題に関し、全司法の強い反対にもかかわらず、朝型勤務が一部の庁・職場に導入された。当局の検証結果については全司法にも開示させるとともに、労働組合の視点でも検証を行っていくことが必要である。問題点の洗い出しをすすめ、次年度以降、一方的な導入を許さないとりくみを強めていきたい。「フレックスタイム制」についても、人事院は8月の人勧に向けて検討をすすめている。問題の多い制度であることから、国公労連等への結集を強め、一方的な導入を許さないとりくみを最後まで強めていきたい。
昇格改善に向けては、昇格闘争の再構築をはかる観点から、昇格データの整備に努めるとともに、現場からの個別具体的な追及の強化を要請しておきたい。また、昇任・昇格への評価結果の活用を踏まえ、該当者の昇格時期を意識した評価の運用を求めていくことも重要である。
職種
出納官使訴訟を全体で支援
出納官吏の任命等の問題について、引き続き職場での運用の実態等の報告も得ながらとりくみを強めていきたい。また、「出納官吏の弁償責任訴訟」についても、裁判勝利に向け、全司法全体で支援していくことを確認しているが、支援カンパについても最大限の協力を職場に呼びかけてもらいたい。
女性の運動
女性が集まる場を作ろう
真に女性が働きやすく、力を発揮できる社会の構築が叫ばれ、裁判所職員の女性の比率も高まる中、機関会議や要求、組織方針の中への女性の意見の積極的な反映と、女性の視点に立った運動の構築が求められている。女性の主体的な力の発揮も必要だが、まずは女性同士が集まれる場を作り、気軽に話し、相談できる受け皿を作っていくことが大切である。
組織
日常活動の充実・強化が不可欠
新採勧誘をはじめとした組合員拡大、そのとりくみでの青年の役割の重要性、教宣紙の活用の重要性、日常活動の充実・強化に向けたとりくみについて、多くの前向きな発言をいただいた。その上で、「全司法組織強化・拡大プロジェクト」で提起した日常活動の充実・強化のとりくみの実践なくして、組合員拡大に結びつくことはないことを改めて指摘しておきたい。労働組合として当たり前の活動を当たり前に行っていくこと、職場に全司法の存在をしっかりアピールし、職場に根ざした活動を続けていくことが重要である。組織強化・拡大に向けては、「これを行ったら一気に組合員が倍増する」というような方策はあり得ない。日々の地道なとりくみをコツコツと真面目に続けていくことが大事である。明るく、楽しく、元気よく、日々の活動をがんばっていこう。
最後に
「担い手」を作ることが重要
私たちと同じ思いで様々なとりくみに協力してくれる仲間を職場に増やし、要求実現と組合員拡大の「担い手」を作っていくことが、来る大量退職・大量採用期を展望する上で、決定的に重要である。労働組合として「やるべきことはすべてやる」努力と、要求実現と組織強化・拡大を一体の課題としてとりくむこと、互いが互いを思いやり、困った人を見過ごさず手を差し伸べること、職場に全司法の風を吹かし、要求前進、組織拡大に向けて、それぞれの持ち場でお互いに力を尽くす決意を固め合い、ともにがんばっていこう。 |