おいでやす全司法
プライバシーポリシー  
CONTENTS 全司法紹介 司法制度改革 少年法関連 全司法大運動 全司法新聞 声明・決議・資料 リンク サイトマップ
  トップページ > 全司法新聞 > 2015年7月 > 2221号
 
 
全司法新聞
 
多くの課題で前進・足がかり 諸要求貫徹闘争・最高裁交渉結果
 
事務総長交渉に臨む中央執行委員
 全司法本部は、6月16〜19日、最高裁と諸要求貫徹闘争まとめの交渉を実施しました。増員・昇格で「最大限の努力」姿勢を示させるとともに、職場実態を踏まえた追及により、多くの課題で前進または足がかりとなる回答を勝ち取りました。

概算要求に向けて「最大限努力」の姿勢

 最高裁は2016年度の増員について、国家公務員の定員削減や裁判所の事件動向をあげ、増員をめぐる情勢がいっそう厳しくなるとの認識を示す一方、「各職場の実態並びに職員及び職員団体の要望等を十分に踏まえ」て「必要な人員の確保に向けて、最大限の努力をしていきたい」と回答しました。昇格についても、「国家公務員の総人件費削減の圧力がこれまで以上に強くなっている厳しい情勢」との認識を示しつつ、「職員の勤務条件にも配慮しながら最大限の努力をしていきたい」と回答しました。
 これらは、次年度概算要求にむけた最高裁の姿勢として評価できるものですが、あわせて情勢の厳しさにも言及していることから、地連・支部で増員、昇格実現を求めるとりくみを、いっそう強めることが重要です。

超勤縮減、人材育成など多くの課題で前進回答

 超勤縮減では、「管理職員において部下職員の事務処理状況等をきめ細かく見て、職場実態に合った事務の簡素化、合理化に向けた具体的なとりくみを実施し、個々の職員に対しても日々の効率的、合理的な事務処理に向けた意識改革を更に徹底していくよう、よりいっそう下級裁を指導するとともに、働き方の見直しに向けた具体的なとりくみの紹介等を通じて、下級裁におけるとりくみを後押ししていきたい」と回答しました。
 人材育成については、「職員一人一人の能力を伸長させる人材育成が重要である」との認識のもとに、「育成に関する基本的な考え方を組織的に共有し、育成課題の設定や育成課題を踏まえた指導・助言等をより適切に行うことにより、そのいっそうの充実に努めたい」との基本姿勢を示しました。また人事評価制度について「今後とも、客観性、公正性、透明性、納得性の高い制度として運用され、人材育成や執務意欲の向上に資するものとなるよう努めていく」とし、制度への理解を深めるために「評価結果の給与への反映方法に関する情報発信を行っていくことも検討したい」と回答しました。
 3月に策定された次世代育成支援の第3期裁判所特定事業主行動計画については「行動計画を実効あるものとするためには、仕事と家庭生活の両立に向けて、行動計画への理解を深めるとりくみや執務環境の整備等をはかっていく必要があると考えている」との認識を示し、「今後とも、仕事と家庭生活の両立に向けて、下級裁を指導していきたい」と回答しました。

最高裁回答の活用、職場実態把握が重要

 この他にも、WEBを利用した情報提供態勢、速記官の中央研修、行(二)職員の行(一)転官、異動、健康診断時の旅費支給などで前進回答があり、その他の課題でも多くの足がかりとなる回答を引き出しました。これを受けて、本部は7月10日のプレート行動を中止し、昼休みの報告集会に切り替える旨の原案を提起しました。
 今後、交渉での前進回答の具体化等を求めていくとともに、地連、支部等では、最高裁回答を活用して対応当局を追及し、職場の中で要求実現を形にしていくことが重要です。
 また、今回も昨年同様、本部は職場実態を調査し、各支部からの報告を活用しながら交渉をすすめることで、要求を前進させました。引き続き、職場実態の把握、本部と地連・支部等との連携が重要です。

 
ページの先頭へ
 
増員・昇格はじめ、要求を受け止める姿勢示す 最高裁人事局長交渉
 
提出電子速記タイプ官支給を求める要求署名を
 全司法本部は6月17日、堀田人事局長と交渉を実施しました。交渉では、増員や昇格で最大限努力の回答を引き出すとともに超勤縮減、評価制度と人材育成、IT情報システム化、職種、異動など多くの課題で要求を受け止める姿勢を示しました。

人員・昇格

最大限努力の姿勢を示す

 増員については、国家公務員の定員をめぐる情勢や「成年後見関係事件を除いて減少又は横ばいで推移している」との事件動向等をあげて、増員をめぐる情勢が厳しいとの認識を示しつつ、「必要な人員の確保について引き続き最大限の努力をしていきたい」と回答しました。
 昇格についても同様に、「国家公務員の人件費を巡る情勢がこれまで以上に厳しい」としつつ、「各職種の職責や役割等を念頭において、職員の勤務条件にも配慮しながら、最大限の努力をしていきたい」との姿勢を示しました。

超過勤務縮減

働き方の見直しをすすめる

 「家裁や事務局を含めて、組織全体として超過勤務の縮減にとりくむ」とし、「職場実態に合った事務の簡素化、合理化に向けた具体的な指導を行うよう指導を徹底していきたい」と回答するとともに、「部署の特性や職員規模等に応じた活用事例等についても、新たに還元した」ことを明らかにしました。
 同時に、「超過勤務の縮減をすすめるに当たって、サービス残業や持ち帰り仕事が生じることのないよう、よりいっそう下級裁を指導していきたい」と回答しました。
 また、「職場全体における働き方を見直していくことが重要である」とし、「その意義や必要性等についても広く周知していきたい」と回答しています。 

 

朝型勤務・「フレックスタイム」

裁判所の特性を踏まえる

 夏の朝型勤務については、全司法の反対にもかかわらず、最高裁事務総局での実施と東京高裁管内の一部の庁での試行が行われることになりました。一方で、この間のとりくみの到達点として、実施部署を最小限にとどめさせるとともに、「本人の意向を無視して、朝型勤務を実施又は試行するものではない」等の回答を勝ち取りました。人事局長交渉でも、改めて「朝型勤務等を実施する職員の超過勤務が増加したりすることのないよう、職場におけるきめ細かい目配りについて指導を徹底したい」と回答させました。
 また、政府の要請により夏の勧告にむけて人事院が導入を検討している「新たなフレックスタイム制」については、「裁判所における職務の特性や組織の特殊性を踏まえ、裁判所における対応についての検討をすすめる必要がある」との認識を示しました。

IT情報システム化

J・NETのデータベースを整備

 J・NETポータルサイトの民事情報データベース(M‐info)について、刑事・行政・家庭事件の事務処理に有用な情報も閲覧できるように改修することを明らかにしました。
 また、職員貸与パソコン等のブラウザをIE9にバージョンアップするとともに、IEを利用する業務システムについて「必要に応じたシステム改修等を検討したい」と回答しました。
 セキュリティ対策については、「標的型メール攻撃に対する訓練」について「今後更に対象職員数の拡大も含めて検討していきたい」と回答しました。

人事評価・人材育成

給与反映の情報発信を行う

 人事評価制度への理解を深めるための方策として「評価結果の給与への反映方法に関する情報発信を行っていくことも検討したい」と回答しました。
 これからの人材育成については、「実際の育成の場面では、OJT担当者が育成対象者との間で、とりくむべき課題や目標について十分な意見交換を行うだけでなく、OJT担当者とその上司等との間でも十分な意見交換を行い、必要な情報共有をはかることにより、計画的かつ継続的なとりくみが組織的に実践されるものと考えている」との認識を示しました。

職種

速記官の中央研修を継続

 速記官の中央研修について「2016年度以降も、引き続き速記官の中央研修を実施する方向で検討することとしたい」と回答し、行(二)の行(一)転官について「本年度も昨年程度の規模で転官選考を実施することができるのではないかと考えている」と回答しました。
 電子速記タイプライター等の官支給や看護師の中央研修については、従前回答にとどまりました。

異動

調査官異動に最大限努力

 「今後も、仕事と家庭の両立に向けて、下級裁への指導を徹底していきたいと考えている」と回答したうえで、4月15日の衆議院法務委員会で家裁調査官の異動に関し「夫婦同居の点も含めまして、仕事と家庭の両立のために、さまざまな努力を最大限してまいりたい」と答弁したことについて、「そのように努力していきたいと考えている」と回答しました。

 
ページの先頭へ
 
事務総長交渉回答要旨
 

「国民のための裁判所」実現

 「裁判所が、国民の期待に応え、信頼を得られるよう、職員及び職員団体の意見も踏まえながら、引き続き、人的・物的な面を含めた態勢の充実強化に向けて努力していきたい」との基本姿勢を示しました。
 次年度の増員については、これまでにない極めて厳しいものになるとの認識を示しつつも、「裁判部門の充実強化を目的とする人的態勢の整備の必要性を粘り強く主張し、その事務処理を円滑に行うために必要な人員の確保に向けて、最大限の努力をしていきたい」と回答しました。

超勤の縮減等

 「長時間勤務が、職員の健康及び福祉や公務の能率に与える影響等については十分に認識」しているとし、「超過勤務縮減に止まらず、職場全体における働き方を見直していくことが重要である」としたうえで、「実態に合った事務の簡素化、合理的な事務処理に向けた意識改革を徹底し、働き方の見直しに向けて下級裁におけるとりくみを後押ししていきたい」と回答しました。

職員の育成と女性職員の登用拡大

 人材育成については、「職員一人一人の能力を伸長させる人材育成が重要」との認識を示し、「育成に関する基本的な考え方を組織的に共有し、育成課題の設定や育成課題を踏まえた指導・助言等をより適切に行うことにより、そのいっそうの充実に努めたい」と回答しました。人事評価制度については「人材育成や執務意欲の向上に資するものとなるよう努めていくとともに、引き続き、評価者の評価能力や面談能力の更なる向上をはかりつつ、職員の制度に対する理解が深まるよう配慮していきたい」と回答しました。
 女性登用については、第3次拡大計画で掲げられた目標を見据えてとりくみをすすめているとしたうえで、「女性職員はもとより、職員全員にとって働きやすい職場を実現するため、ワーク・ライフ・バランスの視点から、引き続き、働き方の見直しに向けた意識啓発に努めるとともに、推進会議等において各高裁のとりくみを情報提供するなど、各庁のとりくみを後押ししていきたい」と回答しました。

次世代育成支援対策

 第3期裁判所特定事業主行動計画について「全ての職員が、働き方の見直しにより健康で豊かな生活のための時間を確保し、多様な働き方や生き方を選択できる働きやすい職場にしていくことで、次世代育成を支援しようとするもの」であると述べ、「実効あるものとするためには、仕事と家庭生活の両立に向けて、行動計画への理解を深めるとりくみや執務環境の整備等をはかっていく必要があると考えている。今後とも、仕事と家庭生活の両立に向けて、下級裁を指導していきたい」と回答しました。

権 利

 全司法との誠実対応については、「今後もそのような方針に変わりはない」と述べ、「下級裁当局に対しても、職員団体に対して同様の認識で臨むよう、その指導をいっそう徹底していきたい」と、これまでの回答を維持しました。

 
ページの先頭へ
 
最高裁3局(総務・人事・経理)、1課(情報政策課)と交渉

人事局交渉

サービス残業や持ち帰りはあってはならない

 「国民のための裁判所」の実現の要求について、成年後見関係事件が引き続き増加しているとの認識を示し、繁忙な庁の家事部門に対して、書記官、家裁調査官の増配置を行ったところであり、今後とも適正な人員配置に努めると回答。また、電話会議システムやテレビ会議システムの家裁への整備について、状況を踏まえ今後も引き続き検討する考えを表明しました。
 労働時間短縮、超勤縮減等については、「サービス残業や持ち帰り仕事はあってはならない」としたうえで、今後も管理職員への指導を徹底すると回答。今夏の生活スタイル変革「朝型勤務」(最高裁事務総局での実施、東京高裁管内の選定された部署での試行)については、職員の意向を無視して実施させたり、これを実施する職員の超勤が増加しないよう、職場におけるきめ細かい目配りについて指導を徹底したいとしました。組合からは、実施、試行の結果の検証にあたっては、可能な者だけが協力するという前提を踏まえ、その分析等が偏重しないよう留意するように求めました。
 健康管理懇談会の開催については、懇談会の重要性に鑑み、2014年度の実施庁の協議テーマ並びに実施庁におけるテーマ設定及び進行等に関する工夫点を下級裁に紹介したと回答。面談技法の向上に向けた研修にパワハラ防止の視点を盛り込むこととの主張に対しては、評価者から被評価者に対する指導・助言等が適切に行われるよう、今後とも、管理職員を対象とした研修等の機会を通じ、面談技法の向上をはかりたい旨を回答しました。
 人材育成のとりくみでは、効果的なOJTの実施に資する新たな人材育成関連ツールを整備した上で現行の育成シートを廃止することとしたものであり、統合により、裁判所における人材育成が後退することはないと考えていると回答。研修の充実の主張については、「現に事務処理にあたる各職員の育成をはかることが不可欠」としたうえで、今後も人材育成の重要性を踏まえた「集合研修やOJTを通じて職員の育成をはかるという観点に立って研修の企画、実施、研修環境の整備充実等に努めていきたいと」しました。
 宿日直等については、本年4月1日現在の裁判官の泊まり込み態勢として、当番となった裁判官全員の宿泊態勢の庁が13庁であること、広島地裁本庁が裁判官の希望による泊まり込み態勢から裁判官全員の宿泊態勢に変更したこと、また、裁判官の希望により泊まり込むこととしている庁が12庁であることの回答がありました。
 昇格改善については、級別定数改定に向けた努力姿勢が示される一方、厳しい情勢が続いているとして、「予断を許さない」との回答がありましました。

総務局交渉

必要な人的態勢の整備に努める

 事件増加により繁忙を極めている家裁職場への増員、事務局の繁忙解消に向けた人的手当、「国民のための裁判所」の実現、職員制度にかかわる書記官及び速記官に関する要求課題や、「これからの後見監督のあり方」(参考資料)の運用を中心に総務局交渉を実施しました。
 人員要求については、「事件数の動向や事件処理状況等の実情をきめ細かく把握しつつ、必要な人的態勢の整備に努めていきたい」としながらも、「国の財政が逼迫している中、事件数の動向等を踏まえると、裁判所の定員を巡る情勢はこれまで以上に厳しくなるものと予想される」との見解が示されました。
 独簡二人庁化等については「事件数の動向や事務処理の状況等から見て問題がないかどうか、利用者に対する司法サービスの低下につながるおそれがないかどうか、職員の休暇取得時や緊急時の応援態勢等を的確に組むことができるかどうかなどの業務態勢の観点を十分に踏まえる必要があるものと考えている」と回答しました。
 書記官については、裁判所機能の充実・強化をはかるため、本庁及び大規模支部などに次席書記官や訟廷管理官などのポスト増設を要求しました。
 「これからの後見監督の在り方」(参考資料)の運用については、「それぞれの庁の実情に応じた形で、十分実現可能性のある計画を立てて、実施していくことが重要である」との認識を示し、「今後とも各庁のとりくみ状況を注視し、必要に応じて参考となる資料を提供するなどして、できる限りサポートしていきたい」と回答しました。
 電子速記タイプライターの官支給要求については、購入から約15年が経ち、2台目の購入者もいること、個人負担も大きいこと等を主張し、あらゆる方向からの支給に向けた検討を強く要求しましたが、「電子速記タイプライターを官支給するつもりはない」という従前回答に終始しました。
 速記官の中央研修については、「本年度の研修によって未受講者がいなくなるという状況にあることは認識している。その後の研修については、今後の研修計画策定の中で検討していくことになる」と回答しました。

経理局交渉

再度の予算化に最大限努力

 概算要求に向けては、「各種の事件数の動向、予算支出状況や要望等を踏まえ、国民の理解が得られるよう配慮しつつ、必要な予算を要求してきたところであるが、予算の必要性、効率性の観点から徹底的な見直しを求める財政当局との折衝は厳しくなるものと考えている」とした上で、多種多様な要因を総合的に考慮し、裁判所の人的・物的充実、労働条件関連予算を含め、予算の確保に向けて努力する姿勢を示しました。
 職員貸与パソコンの更新については、「2016年度には、「職員貸与パソコンの全台を更新する予定である」との回答に対して、「全庁的な態勢による更新作業」を主張しました。
 裁判所施設費の増額要求に対しては、裁判員制度関係の施設整備について、「今後も新たな制度の運用に支障がないように、既存の設備等の有効活用をはかるとともに、事件関係者のみならず職員の働きやすさにも配慮した上で、必要な整備を計画的に行っていきたい」、老朽・狭あい庁舎の新営・増築については、職員の勤務条件に関わる問題として、常に関心を持って努力しているところであり、今後も必要性・緊急性の度合いや当事者の利便を考慮しながら必要な予算を確保していきたい」との姿勢を示しました。また、2012年度補正予算で庁舎の新営及び耐震改修が執行未了となり、未だ再度の予算化がされていない案件については、「再度の予算化に向けて最大限の努力をしていきたい」と回答しました。
 防災訓練等に関しては、「職員に対して、当事者を始めとする来庁者の避難誘導方法の周知・徹底をはかるとともに、AEDの取扱いのいっそうの周知を行っていきたい」とし、「必要な防災用品の整備についても、実情を踏まえ、必要に応じて、追加整備等更なる充実に努めていく」と回答しました。
 宿舎に関しては、「退去要請を行うに当たっては、公的要請に応じて勤務している職員のように、類型に関する個別事情により、柔軟な運用を検討する余地もある」と回答しました。
 出張時におけるタクシー利用については、「公務上の必要性がある場合に実費を支給することが可能だが、柔軟な運用について最高裁において一律の指針を設けることは難しく、個別に判断することになる」との回答としました。これに対して、「利用についての具体的な指針がないため申請しづらいのではないか」と主張しましたが、更なる回答は示されませんでした。

情報政策課交渉

IE9へのバージョンアップを検討

 昨年の交渉で、昨年度の所要額と今後の運用保守コストが当初の想定を大きく上回ることがほぼ確実となり、全体としてこれまでのとりくみを必要な範囲で見直すことが明らかにされた「全体最適化計画」に関しては、「今後も、情報化投資がシステム利用者の意見を反映し、裁判所全体にとって有益なものとなるよう努めていきたい」との姿勢を引き続き示しました。
 今後導入が予定されている府省間共通システムについては、システムによっては実際の事務処理とはかけ離れたものになっている等の職場の声を踏まえ、改善に向け主管庁への働きかけを改めて求めたところ、「必要な意見や要望は引き続き伝えていく」と回答しました。
 また、システム導入にあたっては、利用職員への使用説明や操作研修を十分行うことも求め「電子調達システム利用者については、政府のホームページ上のマニュアルや操作習熟のためのウェブチュートリアルを活用し、理解・習熟に努めてもらいたい」と述べるとともに、「ヘルプデスクの活用だけでなく、最高裁としてもバックアップを行う予定である」と回答しました。
 府省官共通システムの導入・稼働の度重なる延期が職場の事務処理に影響してきたことを踏まえ、今後に向けては、それぞれのシステム主管庁と十分な協議の上、職場に混乱を来さないようすすめることを主張し、「裁判所全体として統一した運用を計画的にすすめるため、OS等の整備に関するロードマップを定め、その計画に基づいて改修等を行っており、今後とも情報収集を行うなどし、計画的にすすめていきたい」と述べました。
 MINTAS及び保管金事務処理システムのIE8への対応改修については、「別途、費用と期間が必要となるためすぐに対応することはできない」としながらも、職員貸与パソコン等のウェブブラウザについては、IE9へのバージョンアップを検討していることを明らかにしました。そのほか、全職員へのパソコン配布とウェブ閲覧権限の付与、ウェブを利用した情報提供体制の充実に関して、J・NETポータルのトップ画面の改良や掲載記事の充実を求めました。

 
ページの先頭へ
 
持ち寄ろう 要求前進と運動・組織の発展について
近づく第72回定期大会
 

 全司法は、7月20日から22日まで、新潟県越後湯沢において第72回定期大会を開催し、向こう1年間の運動方針と財政方針等を決定します。私たち国家公務員を取り巻く情勢は依然厳しいものがありますが、公務員の賃金引き上げを実現するとともに、人事院が検討している「フレックスタイム制」導入の阻止などに向けたとりくみが重要となっています。裁判所においても、提起される紛争が複雑化、困難化の度合いを深めている中、人的態勢を整備するとともに、働き方の見直しによる超勤縮減や健康管理等が重要な課題となっています。職場諸要求実現と組織の強化・拡大をはかるため、大会にむけて、職場・機関からの運動方針案の積極的な討議を呼びかけます。

一方的な労働条件切り下げは許さない

 2012年4月から2年間、人事院勧告によらずに国家公務員の賃金を平均7・8%引き下げた賃下げ特例法は違憲・無効だとして提訴した「賃下げ違憲訴訟」は、2014年10月30日に東京地裁で判決言渡しが行われました。
 判決は、人事院勧告制度を「国家公務員の労働基本権制約の代償措置として中心的かつ重要なもの」とし、平均7・8%もの賃下げが「国家公務員に予想外に打撃を与え、個々の国家公務員においては著しい打撃を与える場合もあり得る」としながら、「賃下げ特例法」を合憲とするものになりました。
 この判断は、被告・国側の主張に基づいて「賃下げ特例法」を追認するため、無理やり理由付けしたものと言わざるを得ません。控訴審勝利に向けて国公労連が提起するとりくみに結集するとともに、一方的な労働条件切り下げを許さないとりくみを強化していく必要があります。

人勧に向け、とりくみを強めよう

 人事院は夏の勧告に向け、公務への「フレックスタイム制」導入を検討しています。もともとフレックスタイム制は、労使協定によって出退勤時間を労働者が決める制度であるのに対し、人事院が検討している「フレックスタイム制」は、国家公務員の場合は労使協定が締結できない上に、所属長の権限で勤務時間を割り振るとなっていることから、本来のフレックスタイム制とは似て非なるものです。公務職場の多くがチームで業務遂行している状況下での労働時間の弾力化は、労働強化と司法・行政サービスの低下をもたらすものです。また、勤務時間管理や過重労働対策が困難となり、健康破壊がすすむ要因ともなりかねません。
 公務の「フレックスタイム制」導入阻止に向け、夏季闘争のとりくみが重要となっています。

職場実態の把握と対話が重要

 諸要求貫徹闘争でとりくんだ職場実態調査では、多くの支部から多岐にわたる報告が寄せられました。
 全国の多くの家裁職場に対しては、この間、地裁からのシフトも含めた人的手当がなされ、一定の改善がはかられている一方で、全体として依然、繁忙な状況が続いており、これ以上の内部シフト等による手当ても限界であるとの声が挙がっています。また、庁舎新営・耐震改修案件の急増などにより、会計担当部署をはじめとした事務局においても繁忙度はいっそう高まっており、職場からは人的手当を求める声が多く挙がっています。
 司法需要に的確に対処し、いっそう適正迅速な裁判を実現するためにも、職員の休暇等の取得や健康管理の面にもきめ細かく配慮する職場環境の整備が重要です。来年度概算要求に向けた最高裁の動きを注視するとともに、引き続き職場実態の把握と職場での対話を深めるなど、要求実現に向けたとりくみの強化が求められます。

一貫性、継続性を持った育成の仕組みを

 人材育成については、組織全体で育成のイメージを共有するとともに、担当者任せにするのではなく、組織的な方針のもとに職員が等しく能力を伸長させる機会が与えられる仕組みを作ることが重要です。年齢や経験に応じた異動や配置のあり方と結びついたOJTを効果的なものにしていくことが重要な意味をもっています。
 引き続き、中長期的な視点で、個々の職員の経験や資質に応じた一貫性・継続性を持った育成の仕組みを作ること、あわせて、人事評価制度も含めたこれらのとりくみについて、職員の理解がすすむよう、職場に対する丁寧な説明を行うよう求めていくことも重要です。

絆を強め仲間を増やそう

 私たちの要求を実現させていくには、組合員の拡大が極めて重要となります。各地連・支部が職場での対話を通じて組合員個々の要求と誠実に向き合い、実現に向けて真摯にとりくむ中で、職場のつながりを広め、絆を強め、仲間を増やす不断のとりくみが重要となります。
 全国大会では、大量退職・採用期を見据えて「全司法組織強化・拡大プロジェクト」にもとづき、組織強化・拡大に向けた意思統一をはかります。

職場・機関での討議を大会に

 次年度運動方針案は、6月下旬に各分会に直送しています。実り多い定期大会となるよう、全ての機関・職場で運動方針案の積極的な討議をお願いします。

 
ページの先頭へ
 
青年が運動の中心に 青年協第4回常任委員会・最高裁交渉

つながりを強め学習を深める

青年協 最高裁交渉

 青年協は、6月6〜8日にかけて第4回常任委員会を開催しました。
 次年度の運動方針案について討議し、各地区における新規採用者の加入状況などを報告し合うとともに、諸要求貫徹闘争期における青年協統一要求を確立しました。
 次年度の運動方針案については、今後、裁判所が大量退職・採用期を迎えるにあたって、組織の強化・拡大と職場諸要求実現を二本柱とする青年協のこれまでの活動をさらに推しすすめ、青年が運動の中心的役割を担えるよう横のつながりを強めていくとともに、学習を深めていくことをめざします。
 4月期新規採用者の加入拡大については、中国地区と四国地区で100%加入を達成したほか、昨年よりも多くの支部で早期全員加入が達成されています。
 全員加入が実現した地区においては、加入後のフォローに力点を置き、歓迎会や学習会を企画・実施しています。
 また、歓迎会やガイダンスなど、様々な機会において青年がフロントに立って勧誘の呼びかけをしていることが報告されました。
 未加入者に対しては、加入に至っていない理由や状況を的確に把握し、粘り強く説明を尽くし、引き続き加入を呼びかけていくことを確認しました。

各地の職場実態を踏まえ追及

一人一言要求「五色の短冊」

 常任委員会に引き続き実施した最高裁交渉では、冒頭に全国の青年から寄せられた一人一言要求「五色の短冊」を手交しました。
 青年層にとって切実な要求である賃金、初任給及び諸手当について改善を強く要求するとともに、休暇を取得しやすい職場環境や裁判所における人事評価制度に関する丁寧な説明、切実な異動要求の実現、CE・CA試験のさらなる結果開示、朝型勤務の導入反対、ただ働き残業の根絶、健康診断項目の充実などについて追及しました。
 また、事前に報告があった各地の意見をもとに、MINTASの不具合や府省間システムの度重なる改修など、青年を取り巻く職場実態を最高裁当局にぶつけました。
 青年協は、今後も、青年層の生活実態や職場環境の把握につとめ、それらの改善に向けた様々なとりくみを行っていきます。

 
ページの先頭へ
 
全国に広がる「戦争法案」反対運動
 

 6月4日の衆院憲法調査会では、与党推薦を含む3人の憲法学者全員が、国会で審議されている安保関連法案(戦争法案)について「憲法違反」と批判しました。
 政府は火消しに躍起ですが、圧倒的多数の憲法学者が同法案を批判しており、マスコミの世論調査でも反対の声が多数となっています。政府与党が、9月27日まで大幅に会期延長をして、何が何でも通そうとしていることへも批判が高まっています。国会周辺では、連日、連夜にわたって行動が組まれ、全国各地でも運動が大きく広がっています。

国会包囲行動に2万5千人が結集(6・14) 戦争立法ノーを掲げる参加者
(5・23新潟のつどいに1700人)
京都での集会(6・7) 大坂弁護士会主催パレードに4000人参加(6・7)
 
ページの先頭へ