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  トップページ > 全司法新聞 > 2015年5月 > 2218号
 
 
全司法新聞
 
臨港パークに3万人、全国100か所で実施
5・3憲法集会
 
5・3憲法集会(臨港パークに集まった人々)
 日本国憲法の施行から68年を迎えた5月3日、「戦争立法」を許さない、憲法9条を守れなど、全ての都道府県約100か所で集会や学習会等が実施され、GWの真っただ中にもかかわらず、例年を上回る人たちが参加し、安倍政権の改憲策動や「戦争する国づくり」への批判を強めました。

共闘の輪がひろがる

 例年東京都内で開催されていた中央の憲法集会は、会場を横浜市臨港パークに移して「平和といのちと人権を!5・3憲法集会」として「戦争・原発・貧困・差別を許さない」をテーマに開催され、広い会場が、3万人以上の参加者で埋め尽くされました。全司法からも在京・近県支部を中心に家族連れなどで組合員が参加しました。
 これまで中央における憲法集会は、全労連などが参加する「5・3憲法集会実行委員会」が開催する集会と、平和フォーラムが開催する集会がそれぞれ別個に行われてきましたが、安倍政権の憲法無視・破壊の暴走が続き、さらに加速する情勢に立ち向かうために、今年は両団体が共同で開催しました。「憲法を守り、安倍政権による戦争立法など改憲暴走は許さない」との呼びかけ人6氏(大江健三郎氏、樋口陽一氏、澤地久枝氏、雨宮処凛氏、香山リカ氏、落合恵子氏)の訴えに、会場は大きな拍手に包まれました。

日本国民は承認していない

 なかでも、ノーベル文学賞作家の大江健三郎さん(80歳)は、大きな集会で話すのは今回で最後になると前置きし、米国議会で安倍首相が米軍をはじめとする他国軍とともに武力行使する集団的自衛権行使を可能とする法整備を約束したことに触れ、「日本の国民、国会は承認、賛同していない。このことをはっきり言う必要がある」と強調しました。その他の呼びかけ人も、戦争立法と貧困・格差の深化が同時にすすんでいるとの認識を示しながら、憲法を守り活かすことや、辺野古新基地建設反対、原発再稼働反対などの運動とも連帯していこうと訴えました。
 この他、5月3日の憲法記念日に各地で開催された集会には、愛知2700人、群馬1900人、仙台1000人など、例年以上の参加がありました。安倍政権による「戦争する国づくり」への暴走は決して許さないという、国民の思いが着実に拡がっています。

 
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「朝型勤務」導入見送り等を要求
2015諸要求貫徹闘争第1回給与課長交渉
 
  全司法本部は、5月8日、諸要求貫徹闘争の第1回給与課長交渉を実施し、超過勤務縮減、人事評価制度の見直し、人材育成のとりくみ、次世代育成支援対策などの要求を主張しました。加えて、今年7月からの実施が予定されている「夏の生活スタイル変革」(朝型勤務の導入)につき、短期間で実施することは職場に大きな混乱をもたらしかねないこと、職員の生活スタイルに大きな影響を及ぼすことから、裁判所への導入は行わないよう求めました。
労働時間、人事評価、次世代育成等で交渉

事務の簡素・効率化を図っている

超過勤務

 特に繁忙となっている家裁と事務局について、全国から報告された職場実態を基に主張しました。
 給与課長は、家裁について「家事事件の事件数が増加する中、適正かつ迅速な処理を図るため、事務量に見合った人員配置の観点から書記官を中心に大幅な増配置がされてきているほか、各庁において合理的な事務処理の推進や事務の簡素化等のとりくみがされてきていると認識」、事務局について「事務手続の見直しやIT化などにより、従前から、事務処理の簡素化、効率化を図ってきており、各庁各部署の実情に応じたとりくみがされている」と回答しました。

職場に混乱をもたらしかねない

朝型勤務

 裁判所の特殊性を踏まえ、政府が決定した「夏の生活スタイル変革」(朝型勤務)導入を見送るよう主張しました。
 給与課長は、「『夏の生活スタイル変革』及び新たなフレックスタイムについては、各行政府省における検討状況について情報の入手に努めるとともに、裁判所における職務の特性や組織の特殊性を踏まえ、裁判所における対応についての検討をすすめる必要があると考えており、行政府省の動向等を注視しているところである」と回答し、行政府省の動向によっては、今年から裁判所でも導入する姿勢を示しました。
 給与課長の回答を受け、本部は、労働時間はもっとも基本的な労働条件であり、その変更は労働組合との十分な交渉・協議のうえで行うべきものであると主張。また、今年7月からの実施となれば、わずか1か月あまりの短期間で実施することになり、職場に大きな混乱をもたらしかねないこと等を主張しました。

育成関連ツール見直しを要求

人事評価制度

 中長期的な視点で、個々の職員の経験や資質に応じた一貫性・継続性を持ったものにする観点から、人材育成関連ツールを見直すことを要求しました。
 給与課長は、「これらのツールは、あくまでOJT担当者と育成対象者との間において、とりくむべき課題等に関する十分な意見交換が行えるよう、一般的に職員が成長していく過程のイメージや、一段高いステップに向けた目標を表したものであり、計画的かつ継続的なとりくみが実践される」と回答しました。
 管理職に対する人材育成については、「管理職員については、明確にツールといった形での認識の共通化までは図られていないものの、組織として求める人材像を踏まえた指導、助言等が既にされていることから、今回の育成の枠組みには加えていない」と回答しました。

チャイルドプランシートを積極的に活用

次世代育成支援

 「男性職員の育児休業及び育児参加休暇の取得促進については、管理職員に対する意識啓発に加え、チャイルドプランシートの積極的活用等のとりくみの効果に鑑み、これを継続して実施することなどにより、職場全体の意識を向上させるための方策を検討している」と回答しました。

早期退職募集制度

 「これまでも、特定の職員に退職を強制するようなことはなかったと認識しているし、早期退職募集制度の導入後も、応募を強制するようなことがあってはならないことは当然であると考えている」と回答し、昨年度中に早期退職した職員数は89人であることを明らかにしました。

 
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業務量に見合った人員確保を! シリーズ重点要求・人員
 

 2015年諸要求貫徹闘争の幕が開けました。次年度概算要求に向けたとりくみのスタートにあたり、本号から職場の重点要求をシリーズ連載していきます。連載1回目は、人員をめぐる要求です。

さらなる人的手当が必要

 国の厳しい財政事情を口実として、国家公務員の総人件費抑制政策が続いていますが、政府は昨年7月に「毎年2%(5年10%)以上を合理化」するとの新たな定員合理化計画を閣議決定し、人員をめぐる情勢は厳しさを増しています。
 裁判所に持ち込まれる事件は、新受件数こそ全体では減少していますが、家事事件、特に成年後見関係事件はここ数年、増加の一途を辿り、民事訴訟事件も複雑困難化し、一件当たりに費やす労力は増大しています。適正・迅速な裁判の要請が高まる中、裁判部を支える事務局も含め、質的にも量的にも高い繁忙状態にあります。このことから、超過勤務縮減や休暇取得の保障、母性保護の諸権利行使等への支障が生じています。また、職員の健康保持の面でも問題が大きいことから、業務量に見合った人員の確保は全国共通の切実な要求となっています。
 今年度の裁判所定員は、定員合理化協力分として行(二)職71人が削減となる一方、裁判官32人、書記官39人(速記官からの振替5を含む)、事務官1人が増員となりました。全司法の要求により、特に繁忙であった家事事件担当部署にはこれまで一定の手当がされてきた結果、庁によっては繁忙度が一定緩和されたとの報告も受けています。しかし、この間の成年後見関係事件の増加と度重なる後見監督事務の運用変更等により、大規模庁を中心に依然繁忙状況は解消されておらず、さらなる手当が求められています。

思い切った簡素化・効率化も必要

 また、事務局においても、庁舎新営や耐震改修等の事務が集中する会計課をはじめとして繁忙状況が継続しています。必要な増員を要求しつつも、他の行政省庁と横並びで事務官の定員自体が増えない情勢の中、繁忙解消をはかっていくためには、思い切った事務処理の簡素化・効率化が必要です。個人努力への依存だけでなく、裁判所組織としての見直しに向けた前向きな検討が求められています。
 この間、裁判官、書記官を中心に一定増員されてきたものの、全国の繁忙職場の解消にはまだまだ不十分であり、引き続き、各級機関で繁忙職場の実態を具体的に述べながら増員や事務処理の見直しを要求していくことが重要です。その上で、対応当局に厳しい情勢の中にあっても最大限の努力姿勢を示させ、最高裁交渉に向けて要求を積み上げていくことが、要求前進に向けた重要なポイントとなります。

 
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出納官吏の重すぎる責任
「出納官吏の弁償責任訴訟」に全国から支援を!

善管注意義務に違反したとは言えない

 全司法は、4月に開催した第2回全国書記長会議において、群馬支部組合員の木村惠一さんが提訴した、国を被告とする会計検査院からの検定処分取消請求訴訟を支援していくことを決定しました。
 この事案の概要は、2010年8月〜2012年2月にかけ、前橋地裁会計課に所属していたA事務官が883万円もの保管金を横領したことに端を発したものです(A事務官は実刑が確定し服役中)。その後、A事務官から一部弁済はあったものの横領額にはまったく及ばず、当時、歳入歳出外現金出納官吏であった木村さんに対し、会計法上の善管注意義務違反があったとして、理不尽にも868万円(横領された保管金の残金)もの弁償責任があると会計検査院から検定されたものです。
 木村さんの主張によると、当時、会計課経理係では定員が削減された上、病気の職員を抱える厳しい状況のもとでの事務処理を余儀なくされており、A事務官による横領行為を予見することはできなかったほか、事務の遅延を理由に出納官吏である木村さん本人が日計表の検閲を行えない態勢がとられていたもとで発生した事件です。こうした状況から、善管注意義務に違反していたとは到底言えませんし、チェック体制の不備があった点からも、出納官吏の弁償責任は認めることはできません。

事務局の体制強化を求める

 全司法は、(1)会計法上、重い責任を負っている出納官吏の責任の内容や範囲を法的に明らかにしながら、出納官吏の職務のあり方や任命・配置のあり方について要求していく上で大きな意義があること、(2)全国的に事務局の減員がすすむもとで、事務局事務の重要性を当局に認識させ、安易な減員を行わせない契機としていくこと、(3)「出納官吏代理の運用の適正化」について全国的に意見や要求が出されているもと、今後改善を求めていくに当たり、適正化がはかられる発端となった本事案についての問題点を明らかにしていくことは大きな意義があること、(4)職務遂行に当たって組合員が過重な責任を問われる事態になった場合、組合員の側に立って支えていくことが労働組合の役割であることから、本件訴訟を組織として支援することを決定しました。
 当面は、本人への訴訟のサポートを行うとともに、全国の組合員に対しても、事案の問題点や訴訟の進行状況等を適宜お知らせしながら、問題意識の共有をはかっていくことを予定しています。全国の組合員のご理解とご協力、ご支援を心からお願いします。


 
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新採応援・労働条件を学ぶ@ 「給与」の仕組み
 
 4月15日は新採用職員のみなさんにとって、最初の給与の支給日でした。裁判所の給与は毎月15日(休日であればその翌開庁日)にその月分の給与が支給される仕組みになっています。
 国家公務員の給与は「一般職の職員の給与に関する法律」によって決められています。当該職員が担当している職務に応じて級と号俸が決められ、これに応じて俸給月額が支給されます。一般職の場合、現在の俸給月額は、大卒で1級25号俸・17万4200円、高卒で1級5号俸・14万2100円。民間で言う「基本給」にあたる部分です。なお、級が上がることを「昇格」、号俸が上がることを「昇給」と言い、昇給は毎年1月1日付けで、昇格は一定の要件が揃った時に発令されます。
 これに、都市部などでは勤務地に応じた地域手当が支給されます。住居地ではなく勤務地で支給率が決まっていたり、支給地ごとの格差が大きいなど、問題の多い手当でもあります。
 通勤手当は交通機関を利用している場合は、6か月定期券等の額が一括支給されます。ただし、1か月あたりの上限が5万5000円になっています。自動車等を使用している場合も距離等によっては支給される場合があります。
 超過勤務手当は、勤務時間外に勤務した場合に支給されます。裁判所では全司法と最高裁等との交渉で「サービス残業をなくすこと」つまり、超過勤務をした場合には必ず手当を支給することを約束させ、超過勤務の有無によって勤務成績に差がつかないことも確認しています。1分単位(月の合計は30分ごとに切り上げて支給)で申請できますので、遠慮無く申請しましょう。また、宿日直をした場合は、超過勤務手当ではなく、宿日直手当(7200円)が支給されます。
 その他、住居手当や扶養手当などの諸手当もありますので、気になる人は全司法の役員に質問してみてください。
 民間の健保や厚生年金にあたる部分は、国家公務員の場合、共済組合が担っています。共済長期が主に年金、共済短期が主に健康保険です。全司法は、共済組合の運営についても職員を代表して意見を述べる権利を持っています。
 国家公務員の賃金は、人事院が民間企業の給与実態を調査して公務員と比較し、国会と内閣に勧告を行ったうえで、給与法が改正されることで変更される仕組みですが、全司法はそれぞれの段階で人事院や裁判所当局などと交渉して、職員の意見を反映させています。
 最後に、ここまで「給与」という表現を使ってきましたが、労働組合は「賃金」という言葉をよく使います。「上からいただくもの」ではなく、「自分たちが労働力を提供した対価」、つまり権利として受け取るのだという意味を込めた表現だからです。
 
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核と人類は共存できない 核廃絶求め平和行進スタート

NPT会議の議論を報告

 被ばくから70年を迎え、核兵器廃絶の転換点にしようと全国11の幹線コースと全自治体の網の目行進をめざして、57回目となる国民平和大行進が始まりました。
 礼文島(北海道・東京コース)と夢の島(東京・広島コース)を出発地として5月6日に平和行進がスタート。東京夢の島で行われた出発集会には、800名以上の人たちが集まり、1日目のゴールとなる芝公園をめざしました。全司法も東京地連、在京支部、本部から10名が参加しました。
 集会では、この時期、ニューヨークで核不拡散条約(NPT)の再検討会議(〜5月22日)が開催されているニューヨークで行動した代表団から、人類史上最も残虐な核兵器をなくす議論が続けられている報告をはじめ、通し行進の参加者や国際青年リレー行進に参加しているフィリピンの青年などから決意表明が行われました。集会終了後、参加者は5つの隊列に別れ、「核はいらない」「再稼働反対」などのシュプレヒコールとアナウンスをしながら街中を行進しました。

事務総長からもメッセージ

平和行進

 ニューヨーク行動の参加者からは、核兵器全面禁止のアピール署名約635万筆を国連ビル前に積上げ、カバクチュランNPT再検討会議議長が直接受理したことや、会議冒頭に「私たちは、市民社会の熱意に応えなければならない」と発言されたことが報告されました。また、潘基文国連事務総長からメッセージが届けられ、ニューヨーク行動参加者を勇気づけたとの発言もありました。
 国民平和大行進は、原水爆禁止世界大会が開かれる広島と長崎に向けた行動ですが、核兵器全面禁止だけでなく、ノーモア・フクシマや原発ゼロ、東日本大震災被災者支援の声をつないで被災地も行進します。また、憲法9条と平和、危険なオスプレイの配備反対、辺野古への新基地建設反対・危険な米軍基地の撤去など、平和な日本と安心できる暮らしを求める運動にも連帯しています。いったん核兵器を使用したり原発事故が起きると、人間の手に負えない事態となることは、広島や長崎への原爆投下や福島第一原発事故で実証されています。核と人類は共存できません。
 核兵器のない平和な日本と世界をめざし、みなさんも平和行進に参加しましょう。

 
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