2月10日、裁判所共済組合の次年度事業計画の骨格を審議する骨子運営審議会が開催されました。全司法からは5名の運審委員(東京高裁・田中、神戸・三木、岡山・落合、愛媛・宮本、本部・井上)と中矢監査員(本部)が出席しました。
高齢者医療の増加が今後の課題
次年度事業計画において、短期掛金率については、前年の率(38・56‰)を維持する提案がなされました。今回は引き上げの提案はありませんでしたが、特に「高齢者医療制度」への拠出金が今後さらに右肩上がりで増加していくことが予想されることから、それに伴う掛金率の今後を注視していく必要があります。
業務経理については、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用促進に向けた提案がありました。具体的には、現状の自己負担額とジェネリック医薬品を利用した場合の自己負担額の差額を通知する差額通知事業を実施するものです。
福利厚生パック利用促進、育児支援にも
保健経理については、生活習慣病対策事業、人間ドック及び脳ドックへの補助等、24時間無料電話健康相談、福利厚生パッケージサービス事業並びに特定健康診査及び特定保健指導を引き続き実施する提案がありました。福利厚生パッケージサービス(次年度もベネフィットと契約)に関しては、利用促進とともに、今後も地域間格差をなくしていく努力が求められています。
また、新たに育児支援事業を実施する(ベビーシッターサービスを提供する事業者との間における法人契約の締結等)提案がありました。
貯金経理については、団体保険料の徴収方法を、給与控除から口座引き落としに改めるとともに、徴収事務の外注化を図ることが提案されました。
貸付経理については、優遇金利提携住宅ローンについて、新たに財形住宅金融株式会社との間で業務提携を行う提案がありました。
次年度事業計画の骨格は、質疑の後、了承されました。あわせて、運営審議会委員の支部視察を、次年度は5支部(長野、名古屋、鳥取、青森、 解説
労使同数で議論
共済組合を運営する根拠となる国家公務員共済組合法によると、適正な運営に資するため省庁ごとに運営審議会を設置し(9条1項)、事業計画や予算決算は運営審議会の議を経る必要がある(10条)としています。「運営審議会」は、共済本部が作成した事業計画案を、使用者側(当局)と労働者側(職員)のそれぞれの視点で議論をして、計画を確立させる役割を担っています。
省庁ごとに運営審議会が設置されていますが、労使同数の委員構成になっている省庁は少数です。しかし、裁判所共済組合は、諸先輩の努力によって1978年から労使5名ずつの同数となっています。昨年の附加給付見直しでは、3回にわたる運営審議会の開催や事業計画の認可を行う財務省への意見申し出を行えたのも、労使同数の委員を今でも確保できていることが要因といえます。
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