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全司法新聞
 
増員に向け「全力をあげている」 要求受け止め、検討姿勢示す
−12月2日 秋年期人事局長交渉
 
秋年期締めくくりの人事局長交渉
 全司法本部は、12月2日、人員、賃金改善、超過勤務縮減、健康管理、公務員制度、「国民のための裁判所」実現、職員制度、昇格などの課題について、最高裁堀田人事局長との交渉を実施しました。最高裁は、執務資料の整備、健康管理、人材育成などいくつかの課題で本部の要求を受け止めたうえで検討を行う姿勢を示したほか、人員について全力を挙げているとの回答とともに、昇格の課題について最大限の努力姿勢を示しました。

人員

繁忙部署の事務処理状況を注視

 増員について「政府は、国の財政状況が]迫している中、既存業務の増大への対応は定員の再配置により対処する方針を明確にするなど、増員を取り巻く情勢は非常に厳しい状況」との認識を示したうえで、「適正迅速な裁判を実現し、国民の負託に応えていくために、財政当局に対しては、裁判所の人的態勢の充実強化を図っていく必要があることや、各庁の事件処理状況を詳細に説明して、その理解を得るべく全力を挙げている」と回答しました。
 人員配置については、「地裁民訴事件については複雑困難な事件が増加し、成年後見関係事件を中心に家事事件が引き続き増加している中での事務処理状況等について注視していく」とする一方、「事件数が著しく減少している等の場合には、各庁各部署の事務処理状況等の種々の要素を考慮して、個別具体的な状況に応じて人員配置の見直しを検討する必要がある」との考えを示しました。
 事務局の繁忙解消に向けては、「事務処理の簡素化、効率化が図りやすい部門であるところから、第一次的にはこうした観点も踏まえて事務処理態勢を検討していく必要がある」との考えを改めて明示しました。

賃金

生活改善を常に望んでいる

 給与課長は、「最高裁としても、職員の人事行政を所掌する立場から、職員の生活が少しでも改善されることを常に望んでいる」と基本姿勢を明らかにしたうえで、「職員及び職員団体が、生計費の維持、確保という観点から、賃上げに向けた強い要望を持っていることは認識しており、関係機関に、採り得る可能な範囲で、必要な時期に、必要に応じた対応をとっていきたい」と回答しました。

「国民のための裁判所」実現

新たな資料作成を検討

 家事事件手続法など、家事部門の資料の充実を求める職場の声が強いことをふまえ、「同法施行後の実務の運用状況等を踏まえ、更なる新たな資料の作成について、今後の検討課題としたい」と回答しました。

健康管理

前年度以上に懇談会を実施

 健康管理「懇談会」について、「各庁においては有意義な意見交換がされ、それも参考にしながら、それぞれの庁の実情を踏まえた対応策等が検討されている」との認識を示したうえで、「前年度の『懇談会』実施庁は36箇所であったが、今年度は、前年度以上の数の庁で実施される」と回答しました。

IT情報システム化

対象を5000人に拡大

 標的型メール攻撃に対する訓練について「同訓練の有効性にかんがみ、今年度は、対象職員数を約5000人に拡大して実施する方向で準備をすすめている」と回答しました。

民主的公務員制度

効果的なOJTツールを作成

 「人材育成については、その重要性を十分認識しており、よりいっそうの充実強化を図る方策について検討をすすめてきた」とし、「育成に関する基本的な考え方を組織的に共有し、育成課題の設定や、育成課題を踏まえた指導・助言等を適切に行うなどの効果的なOJTの実施に資するツールを作成するとともに、この機会に合わせて、これまで人事評価制度において利用してきた各種シートの有り様を見直すなど、人事評価制度をシンプルで分かりやすい形に整理する」ことを明らかにしました。そのうえで、「見直しによってこれまでの評価制度の基本的な考え方が変更になることはない」「意見・要望等があれば申し出てもらって差し支えない」と回答しています。

職員制度

事法研対象拡大を検討

 事務官法律研修の対象者拡大については、「基礎的な法学教育を行うことにより、職員の資質及び事務処理能力の向上を図り、ひいては、裁判所の執務態勢の向上を図るという、その研修目的等を踏まえ、今後の検討課題としたい」と回答しました。

昇格

定数獲得に最大限努力

 級別定数改定をめぐる情勢は「これまでと比較にならないほど厳しい状況である」との認識を示したうえで、「考え得るあらゆる理由付けを持ち出して、粘り強く、全力で、定数の維持、確保に向けた折衝を行っているところであり、職員の処遇の維持・改善に向けて少しでも定数を獲得するため、更に引き続き最大限の努力を続けていきたい」との回答がありました。

 
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本部四役 寺田最高裁長官と会見
「率直な意見交換でより良い解決を」
 

 全司法本部四役は、11月20日、就任あいさつを兼ねて寺田逸郎最高裁新長官と会見を行いました。最高裁からは長官の外、戸倉事務総長、堀田人事局長、春名給与課長が同席しました。全司法と最高裁長官との会見は、「92・3・18事務総長見解」で最高裁が全司法との誠実対応を表明して以来、毎年行われているものです。
 会見は終始和やかな雰囲気で行われ、門田委員長から、(1)裁判所の人的物的態勢の整備、(2)働きやすい職場環境の整備、(3)職員の育成、(4)全司法との誠実対応の4点について、全司法の考えを述べ、最高裁の見解を求めました。
 冒頭、長官は「いろいろな問題について、率直な意見交換をしながら、より良い方向で解決していってもらいたい」と述べたうえで、全司法の4点の項目については、(1)司法の役割がますます重要になるとの認識を示し、「今後とも人的・物的態勢を整備していく必要がある」、(2)仕事と家庭生活と両立できる環境整備をすすめることが重要と述べ、「今後もその実効性を高めるために工夫すべき点がないか等につき検討させていきたい」、(3)国民、社会からの信頼をより確かなものとするため、能力を伸長させる人材育成が重要、(4)「92・3・18見解」は当然であり、全司法と今後も誠実に対応するとの基本姿勢を示しました。
 三権の長である最高裁長官が全司法の代表と会見し、裁判所における重要政策について直接考えを述べ、その内容も全司法の要求に対して前向きであることや、全司法との誠実対応の基本姿勢を明らかにしたことは、大きな意義があります。

長官会見要旨

人的物的態勢の整備

 成年後見関係事件係をはじめ、家事の各種事件は増加の一途をたどり、家裁の職場の負担が増加しており、これまで人員シフト等による内部努力をしてきたが限界にきていること、事務局も庁舎新営や耐震改修などの案件を抱える会計課をはじめ繁忙状況が続いており、業務量に見合った人的手当と事務処理の簡素化、効率化の具体的方策が求められています。加えて司法制度改革などによる様々な法改正や新制度導入で、裁判所が社会的に期待される役割が拡大する中、「国民のための裁判所」を実現し、適正迅速な事件処理の要請に応えられるよう、裁判所の人的・物的態勢の充実・強化を求めました。
 これに対し長官は、社会経済的な環境の変化の中で「個別の事案、事件に妥当な解決をもたらすことを使命とする司法が、適正・迅速な裁判を通じて、その役割を十全に果たしていくことは、安定した社会の基盤を確保するために極めて重要」であり、「司法の果たすべき役割がますます重要になる」との認識を示しました。
 そのうえで「裁判所がその使命を果たしていくために、今後とも人的・物的態勢を整備していく必要性がある一方、よりいっそうの内部努力を重ねていくことが不可欠」であると述べました。

働きやすい職場環境の整備

 限られた人員の中で、事務処理態勢の見直しも含めた「働き方の見直し」を裁判所の組織をあげて実行していくことの重要性を強調し、個々の職員がワーク・ライフ・バランスを実現することと、女性職員の登用拡大を主張をしました。そのうえで、引き続き、超過勤務縮減と年次休暇を取得しやすい職場環境を整備するとりくみを最高裁として推進していくとともに、下級裁への指導を継続するよう求めました。
 これに対し長官は、「心身の健康の保持、増進を図るとともに、家庭生活と両立していけるような環境整備を進めることが重要」との認識を示し、「今後もその実効性を高めるために工夫すべき点がないか等につき検討させていきたい」と述べました。

職員の育成

 国民の負託に応える裁判所を実現していくためには、職員の組織的かつ計画的な育成が求められています。また、7、8年後から始まる大量退職を見据え、「人材育成」のための施策を充実させることが必要不可欠となっています。その観点から、研修のあり方や、配置や異動とも関わって、日常の執務を通して職員の育成がはかられる仕組みを作ることを求めました。
 これに対し長官は、「裁判所に求められるものがますます幅広く、深くなってきている」とし、その中で「国民、社会からの信頼をより確かなものとしていくためには、職員一人一人の士気を高め、その能力を伸長させる人材育成が重要であることから、そのいっそうの充実に努めたい」との考えを示しました。

全司法との誠実対応

 最後に、全司法との誠実対応について、1992年3月18日の最高裁事務総長見解以降、相互の信頼関係に基づき、率直な意見交換がなされ、建設的な労使関係が築かれているとの認識を述べ、引き続き、全国で全司法や職場の声に耳を傾け、議論を深め、全司法との誠実な対応と労使関係を築くことを求めました。
 これに対し長官は、事務総長見解の内容は当然であると述べ、「これまで築き上げてきた相互の信頼関係に基づき、率直に問題意識をぶつけ合い、忌憚なく話し合う中で、問題の解決を図っていかなければならない」との認識を示し、「担当部局には、今後もそのような立場で努力させたい」、「職員団体(全司法)もその方向で努力していただきたい」と述べました。

 
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全司法大運動 国民の期待に応え、利用しやすい裁判所めざし
 

 国民の期待に応え、国民がより利用しやすい、国民の権利の守り手としての裁判所(国民のための裁判所)の実現をめざし、今年も各支部で「全司法大運動」(国会請願署名)にとりくんでいます。まずは、家族や親せきなど、身近な人たちから署名を集めましょう。年末年始はそのチャンスです。

九州では全支部で推進計画を策定

 政府は7月25日、「国の行政機関の機構・定員管理に関する方針」を閣議決定しました。これによると、国家公務員を毎年2%(5年10%)以上合理化するとしており、人員をとりまく情勢は非常に厳しくなっています。
 裁判所の人員は法律で決まり、裁判所予算も国の予算全体の中で決められていることから、その権限を握っている政府と国会がどう判断するかがきわめて重要です。全司法は、このことをふまえ、毎年「裁判所の人的・物的充実を求める請願署名」にとりくみ、衆参両院において採択を勝ち取ってきました。
 各支部においては、今年度も、年間のスケジュールをふまえ、推進委員会の立ち上げや支部執行委員会等での意思統一が行われ、推進計画を立てて、署名獲得のための具体化がすすめられています。
 特に、年末年始は、親せきや友人などと会う機会が増え、署名を集める大きなチャンスです。九州地連では8支部すべてで推進計画が立てられ、家族や親せき、友人など、身近な人から集められるよう、職場に署名が配布されています。また、九州以外の支部でも独自のスケジュールを立て、県国公や弁護士会、裁判所退職者の会への要請の具体化など、準備がすすめられています。

議員要請成功させるためにも多くの署名を

 「全司法大運動」中央推進委員会では、今年度も、衆参両院の法務委員を中心に、国会議員の地元事務所への要請に力を入れることにしています。
 署名が集まれば集まるほど、国会議員へのアピール効果は高まります。衆議院選挙を受けて、法務委員などの顔ぶれは変わることが予想されますが、春以降の議員要請のとりくみを成功させるためにも、この時期、しっかりと署名を集めましょう。
 全司法大運動のとりくみは、単なる職場の増員運動ではなく、あくまでも「国民のための裁判所」実現に目的があります。その国民の声(要求)を集約する手段が請願署名活動です。司法労働者としての誇りにかけて、今年度も運動にとりくみましょう。

 
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誰もが安心して暮らせる社会をめざそう
〜2015国民春闘討論集会
 
2015年国民春闘討論集会

5つの重点課題を提起

 11月26、27日、静岡県熱海市において国民春闘共闘委員会主催の2015年春闘討論集会が開催されました。
 冒頭、全労連・井上事務局長から(1)実質賃金の低下に歯止めをかけ、大幅賃上げと暮らしの改善を実現する、(2)安倍「雇用改革」を許さず、良質な雇用と働くルールの確立をめざす、(3)消費税増税と社会保障解体、安倍「教育再生」を阻止し、暮らしを守る、(4)戦争する国づくりに反対し、憲法をいかして原発のない社会をめざす、(5)幸せに暮らせる安全・安心の地域をめざすことを重点課題とする2015年国民春闘方針案が提案され、私たちが国民的な要求を広げる中心部隊となり、地域や職場で信頼される労働組合の姿を示すことが重要であることが強調されました。

「自ら風を吹かせる」春闘

 その後の討論では27人から発言があり、(1)財界・大企業優遇、国民犠牲のアベノミクスの失敗が明確なもとで、12月の総選挙では国民本位の政治への転換をめざすこと、(2)14春闘から続く賃上げの流れを断ち切らず、15春闘ではさらにすすめていくこと、(3)地域経済にも大きく影響する「給与制度の総合的見直し」が決定した中で、最低賃金闘争を社会的賃金闘争と位置付けとりくむことなどを意思統一し、春闘期の各種行動に奮闘する決意を固め合いました。
 誰もが安心して暮らせる社会を作っていくためには、現在の貧困と格差拡大の実態などを直視し、改善を求めて地域に足を踏み出すこと、また、運動を通して職場の仲間を増やし全組合員参加型の運動をめざす中で、一人ひとりが何をすべきか考えながら行動し、同時に組織の足腰を鍛えていくことが重要です。15春闘では、大幅賃上げや安定雇用など様々な要求の実現をめざしながら「自ら風を吹かせる」ことが大切であり、そうした覚悟が問われる春闘であると言えます。

 
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地連調査官担当者会議・上京団交渉
 
切実な要求に寄り添い「異動政策の見直し」求める

異動の問題点など明確に

調査官上京団交渉

 11月3〜4日、地連調査官担当者会議と、引き続く上京団交渉を実施しました。
 人員については、出張や休んでいる人の穴埋めなど事件数に表れない負担を人員配置に反映させて欲しいといった意見が出されました。
 管理職の調査事務軽減については、部下が働きやすい状況を作るためであれば否定するものではないが、「一律何パーセント軽減」等といった機械的なやり方は問題だとの意見が多数出されました。
 また、2014年4月の7期及び9期生の異動について夫婦同居が全く実現せず、全体として「意図的な希望地外し」としか思えない過酷な異動になったこと、育児休業後の復帰先について別居となる異動が行われるなど、異動にあたって個人の事情に対する配慮が行われていないこと等が明らかになりました。
 これを受けて、異動政策の見直しを要求するとりくみを強めるとともに、「切実な要求をあきらめてしまう」ことがないよう、異動を控えた若手や家庭事情を抱えた調査官に寄り添うとりくみを重視していくことが確認されました。同時に、採用試験の見直しによって事務官(総合職)では「高裁ごとの採用・異動」となることから、調査官においても同様の見直しをさせることについて、今後、議論していくことが確認されました。
 「新施策」にもとづく研修については、過密なカリキュラムや採用庁での1か月間の業務の問題点などが指摘されるとともに、「一人で事件を担当できる技能を身につけさせる」ことを重視したものにさせていく必要があるとの意見が数多く出されました。

機械的な運用は否定

 上京団交渉では、とりわけ、「新施策」の問題点や若手調査官の異動要求を強く主張しました。その中で、育児休業あけの復帰庁について「『原庁復帰が原則』といった対応が行われている」と追及したのに対して、最高裁は「子育てに関して異動についての配慮を求めている職員に対して、可能な範囲で異動についての配慮を行うこととしている」と回答し、機械的な運用を否定しました。

地連速記官担当者会議・上京団交渉

電子速記タイプ官支給の早期実現を

上京団交渉による成果も


速記官上京団交渉

 11月16〜17日、地連速記官担当者会議と引き続く上京団交渉を行いました。
 主任速記官6級発令では、今年も主任未発令となった問題事例があったことから、引き続き早期6級実現を求めるとともに、今後も公平・民主的な発令を求めていくことを確認しました。
 特別定期健康診断について、昨年度、庁によって検査方法にばらつきがある実態が明らかになり、改善を求め上京団交渉で追及した結果、相当数の庁で改善されたことが報告されました。一方、庁によっては専門医による問診になっていないなど依然不十分な実態もあり、引き続き充実を求めていくことを確認しました。
 執務環境の改善では一部の庁で法廷立会等の運用が柔軟になったとの報告がある一方、来年4月から新たに1人庁となる支部からは労働環境に対する不安の声も届いています。今後も各職場の執務実態を注視していくとともに、交渉でも職場実態に基づく速記官の声を率直に訴え、さらなる改善を求めていくことを確認しました。

最高裁に決断を促す運動を検討

 現在、多くの速記官が高額の電子速記タイプライターを私費購入していますが、購入後10年を経過し故障も頻発しているため2台目を購入した速記官もおり、「電子速記タイプライターの官支給」は最も切実な要求となっています。最高裁に官支給実現に向けた決断を促すためにはどう運動し要求していけばいいのか、様々な角度から検討していくことを確認するとともに、職場での要求の高まりを踏まえ、地連・支部からの官支給を求める要請書を、この課題を所管する最高裁総務局長宛に直接送付する行動を決定しました。
 なお、「養成再開署名」についても例年どおりとりくむことを確認しました。
 上京団交渉では、全速記官でとりくんだ「電子速記タイプライターの官支給要求署名」180名分を提出し速記官の声を伝えるとともに、会議で討議・確認した要求に基づき、交渉参加者から要求を訴えました。

地連女性担当者会議

何でも話し合える「場」を作ろう

地連女性担当者会議

女性が輝く社会に変えるチャンスは今

 11月16日、2014年度第1回地連女性担当者会議が開催されました。冒頭、本部を代表して門田委員長よりあいさつのあと、国公労連女性協の橋本議長から「真に女性が輝く社会にするために」というテーマで講演をいただきました。
 講演では、「安倍政権では、生命(いのち)と女性の手帳、3年間自宅で抱っこし放題、待機児童の解消、外国人家政婦の導入、国家公務員の女性活用とワークライフバランス推進のためのとりくみ指針などが提起されているが、具体的な施策が示されておらず、人気取りの政策提起に過ぎない」といった問題指摘がありました。また、国公労連各単組の組織実態などについて説明があり、女性が人間らしく働き続けるためには、女性組織が必要だとして、女性が集まり、何でも話し合える場を設定して、気軽に参加できる工夫が必要だと話されました。さらに、「真に女性が輝く社会に変えるチャンスは今」であり、外に出る運動にも目を向け、みんなが集まった場でも呼びかけていきましょう、と締めくくりました。

メッセージカードの活用を

 その後は各地連から、本部が作成し、4月に向けて配布したメッセージカードを活用したとりくみや、職場で女性の集まりをもったことの報告などがありました。「女性だけの集まりでは、普段言えない話も気軽にすることができる」など、とにかく集まることの大切さが確認され、あわせて女性部活動の活性化などについて意見交換を行いました。年齢別集会などを開催した支部もあり、緩やかでもよいので、女性が集まれる「場」を持ち、次の世代につなげていくことが必要であるということを確認しました。
 また、2月22、23日の第2回地連女性担当者会議と最高裁交渉に向けて、職場からの要求を組織するとともに、メッセージカードを活用したとりくみを継続していくことが確認されました。

青年協

総研生との意見交換会を実施

率直な意見出せる場を


「総研生との意見交換会」の様子

 全司法青年協は、11月8日、裁判所職員総合研修所(以下、「総研」)入所中の青年(以下、「総研生」)との意見交換会を行いました。
 青年協役員と総研生のほか、各地区から若手の書記官も参加し、計27名の青年が都内に集まりました。
 総研生からは、研修や寮生活などについて、様々な意見が出されました。
 研修日誌については、昨年度の青年協による最高裁交渉で、「研修の充実にむけた意見や要望は記載してもらって構わない」と給与課長が回答したところですが、「率直な意見を書いたら事務局から書き直しを求められた」との事例が報告されました。
 また、当番から当番までの間が1か月以上あるので、総研に対してタイムリーに意見を伝えることができないとの問題点が指摘され、総研との間で時機に合った意見交換ができる仕組みを求める意見が出されました。

休暇取得を柔軟に

 他方、休暇については、専門医による診療を勧められたので、診療を行っている時間帯に休暇を取得したいと担当官に相談したところ、研修期間中に診療を受けなければならないものではないと判断され、「その事情では休暇の取得は難しい」と言われたとの事例が報告されました。休暇の取得については、実情に沿った柔軟な運用を求める意見が出されました。
 意見交換会後は、都内で懇親会を開催し、交流を深めました。懇親会の場でもさらなる意見交換がなされていました。
 参加者からは、意見交換会は毎年開催した方がいいとの感想が出されました。総研生の意見を十分に吸い上げることができるよう、来年度に向けて、青年協はさらなる工夫を検討していきます。

 
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シリーズ2014年秋の重点要求 その4
大量退職期も視野に、裁判所を支える「人材育成」が急務
 
採用案内のパンフレット
(平成27年度版)表紙
 今、全司法本部と最高裁との交渉では「人材育成」に関する要求と課題がテーマの一つとなっており、秋年期の交渉でも検討に向けた最高裁の回答が示されました。ここにきて人材育成が課題になっているのには、いくつかの契機があります。「今、なぜ人材育成なのか?」…、それを読み解くポイントをみていきましょう。

「個人任せ」のOJT

 「採用されてから数か月経つと、配置された部によって違いが見えてきます。きちんと教えてもらっている人と、そうでない人と…」大規模庁の訟廷で働いている組合員がそんな感想をもらしていました。
 1996年に最高裁が出した「参事官室提言」にもとづいて、新採用職員は原則として、採用から2〜3年間は裁判部に配置されています。裁判部では、主任書記官等が主に指導にあたっていますが、人材育成のための具体的な方針も指導者を対象とした研修等もほとんどなく、主任書記官個人に委ねられている状況です。そのことは、日々の仕事を通しての育成(OJT)に大きなバラツキが出る結果となり、仕事が細分化されている大規模庁ほど、その影響が大きくなっています。各部を横断的に見渡せる訟廷にいると、それがよく見えるというのが冒頭の感想です。
 これからの人材育成策が18年前に出された「参事官室提言」だけでいいのか、ということが問われており、そうした問題意識から、全司法では現在、「事務官アンケート」にとりくんでいます。

評価制度見直し視野に

 2013年に全司法が実施した人事評価アンケートでは、制度のわかりにくさや評価基準のあいまいさを指摘する意見とともに、「人材育成という視点が生かされていない」という回答が多く見られました(全司法新聞2181号参照)。
 全司法本部はその後、このアンケート結果に基づいて最高裁交渉を積み上げてきていますが、これを受けて最高裁は、10月14日の給与課長交渉で「職員一人一人の能力を伸長させる人材育成については、その重要性を十分認識している」との認識のもとに、「新たなOJTツール」を整備することを明らかにしました。評価制度を再検討するにあたって「人材育成をどうするのか」ということは避けて通れないポイントです。

裁判所も「継承」が課題

 7月の全国大会で全司法は、全国的に7〜8年後から大量退職・採用の時期に入ることを念頭に、全司法の再生・継承を目指す方針を確定しました。
 1985年に国家公務員に定年制が導入されたことにより、裁判所では1980年代の終わりから90年代の初めにかけて大量退職・採用がありました。その頃に採用された人たちが定年を迎えるわけですが、大量退職・採用期にむけて事務処理のスキルを継承することは、全司法だけでなく、裁判所そのものにとっても重要な課題です。その点からも、人材育成をどうすすめるかということが課題となっています。同様の状況にある全法務省労働組合では、青年の中から、将来不安なく仕事をしていくために「自分たちをどう育成してくれるのか」という要求が出されています。

「人を育てる」視点を持って

 他方で、2012年から実施されている家裁調査官の新たな育成施策では、「研修効果」だけを考えた結果、過重なカリキュラムや異動の問題など、「『人材』としては大切にされるが、『人間』としては大切にされない」仕組みを作ってしまっています。
 その見直しも含め、労働組合が「人材育成策」を要求するにあたっては、職員が個人として尊重されつつ能力を伸ばし、やりがいを持って仕事をする中で、国民のために仕事ができる「人」を育てるよう要求する視点も欠かせません。

 
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労働組合の原点、それが共済

安い掛金で高い給付水準

 「共済」とはそもそも何でしょうか。共済とは、文字どおり組合員どうしが「共に助けあう」制度であり、共済も保険も似たような保障制度のようですが、制度上の最大の違いは、「共済は非営利事業」、「保険は営利事業」という点です。
 労働組合は、18世紀にイギリスのパブ(居酒屋)で労働者たちが怪我や失業に備えてお金をだしあったことから始まりました。このような助け合い(共済)は労働組合の原点であり、「安い掛金で高い水準の給付」により組合員の生活を支え合う」国公共済に加入できることが、現代においても労働組合加入の大きなメリットの一つとなっています。

支部財政となる還元金も

 「国公共済会」は、全司法も加盟している「日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)」が、組合員の福利厚生の一環として1991年に設立した共済事業団体であり、全司法の組合員は会員になることができます。
国公共済の優位性として、(1)掛金が安い、(2)制度が充実、(3)ライフステージに合わせて保障が変えられる、が挙げられます。
 国公共済会には、生命基本、医療、交通災害、火災の各共済制度があり、いずれも営利を目的としていないため、利潤の蓄積が必要なく、掛金の70%を給付にまわして保障を大きくしています。さらに、毎年の決算で、純掛費と事業費の剰余金が生じた時、加入者に還元金を支払うため、実質掛金はさらに安くなっています。
 また、各支部に対しては活動費として10%を還元しており、支部の財政に充てている支部も多くあります。
 国公共済は、仲間同士の助け合いであり、団結が強まり、万が一のときには、組合員も家族も安心できるものです。全司法は、組合員と国公共済加入者を車の両輪として拡大強化にとりくんでいますので、是非、この機会に加入してください。

 
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