全司法本部は、11月11日、人員、賃金改善、健康管理、採用・異動、休暇・休業、次世代育成支援対策、男女平等、母性保護等の課題で、今秋3回目となる給与課長交渉を実施しました。
人員
引き続き後見部署の増員が課題
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給与課長交渉(11月11日) |
増員を取り巻く情勢について、「政府は、毎年2%(5年10%)以上を合理化すること等を内容とする『国の行政機関の機構・定員管理に関する方針』を閣議決定しており、既存業務の増大への対応は定員の再配置により対処する方針を明確にするなど、非常に厳しい状況」と回答しました。
その上で、「民事訴訟事件の内容が社会経済情勢の変化を背景によりいっそう複雑困難化してきていることや、特に成年後見関係事件を中心に家事事件が増加していることから、適正迅速な裁判を実現し、国民の負託に応えていくために、財政当局に対しては、裁判所の人的態勢の充実強化をはかっていく必要があることや、各庁の事件処理状況を詳細に説明して、その理解を得るべく全力を挙げている」と回答しました。
一方で、「裁判所を含む国家公務員の定員を巡る情勢や、事件数の動向等の下で、次年度の増員を巡る財政当局との折衝はこれまで以上に厳しいものとなっている」との認識を示しました。
全司法からは、「来年4月期に向けて、引き続き成年後見担当部署の増員が課題になっているが、先日提出した『新たな後見監督事件処理案に対する全司法の意見及び質問事項』にも記載したとおり、次年度中に新たな後見監督事件処理案を実施するのであれば、人員配置はそれを踏まえたものにする必要がある」と指摘しました。
賃金改善
要望は関係機関に伝える
給与制度の総合的見直しについて、「俸給表の水準の引下げや地域手当の見直しといった今回の一連の見直しが実施された場合には、職員の処遇に与える影響は大きい」との認識を示した上で、「職員及び職員団体が、生計費の維持、確保という観点から、賃上げに向けた強い要望を持っていることは認識しており、今後の法案審議等の動向を注視するとともに、職員団体の要望は関係機関に伝わるようにしたい」と回答しました。
健康管理
管理職員の果たす役割大きい
メンタルヘルス対策について、「早期発見・早期対応等にあたって、職場の管理職員の果たす役割は大きい」との認識を示した上で、「管理職員には『管理職員向けの振り返りチェックシート』を配布し、常日頃、部下職員への目配りが十分にできているか振り返らせた上、『メンタルヘルスワークブック(新版)』も活用しながら、職場環境や個々の職員の状況について幹部職員との意見交換を行ったところであり、これによりメンタルヘルスに対する管理職員の意識の向上がいっそうはかられたものと受け止めている」と回答しました。
また、健康管理懇談会について、協議テーマや、テーマ設定及び進行等に関する工夫点について下級裁に紹介したことを明らかにしました。 採用・異動
家庭等に配慮した移動を強調
異動について、「異動が本人の生活関係に大きな影響を及ぼすこともあり得るので、本人の経歴、異動歴、家庭の事情等の諸事情を十分勘案する」との従前回答を維持しました。
全司法からは、異動に関する前述の回答が家裁調査官だけは活かされていない状況が突出して見られるため、結婚、育児、介護といった家庭事情等に配慮した異動を行うよう、あらためて強く主張しました。 |