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全司法新聞
 
人員・昇格で最大限努力、超勤縮減・人事評価など多くの課題で検討姿勢 −12月3日 秋年期人事局長交渉
 
 全司法本部は、12月3日に人員、賃金、労働時間、職員制度、昇格などをはじめとする諸課題について、最高裁安浪人事局長との交渉を実施しました。最高裁は、厳しい情勢のもとでも人員や昇格の課題について最大限の努力姿勢を示したほか、さらなる超勤縮減に向けた方策や人事評価制度についての理解を深めるための方策など、多くの課題で本部の主張を受け止めた検討を行う姿勢を示しました。

人員

秋年期まとめの交渉で最高裁を追及
あらゆる手を尽くして最大限の努力 

 人員課題については「2010年度から2014年度までの5年間に2009年度末定員の10%以上を合理化するとの政府の方針の下、これまで以上に厳しい折衝を強いられている」状況にあるとしつつも、「あらゆる手を尽くして最大限の努力を行っている」との姿勢を示しました。そのうえで、複雑困難な事件が増加している地裁民訴事件について「事務処理状況等について注視していく」一方で、「個別具体的な状況に応じて人員配置の見直しを検討する必要がある」との認識を示し、家事、行政、労働審判事件等については「事件数の動向や事務処理状況等を踏まえながら、適正な人員配置に努めていきたい」と回答しました。特に、成年後見関係事件の増加が著しい家事係に対する人的手当について「これまでも繁忙な庁に対して、書記官、家裁調査官の増配置を行った」としたうえで、「裁判部門の充実をはかるための増員要求について国民の理解を得るためには、こうした人員配置の見直し等の内部努力が必要不可欠」との認識を示しました。
 今後、各庁における人員配置が決まっていくことから、最後まで現場から要求の押し上げをはかるとともに、当局の動きを注視していく必要があります。

賃金

総合的見直しで人事院の動向を見守る

 「賃下げ特例法」に基づく減額措置について「意見を述べる立場にない」としながらも、「最高裁として職員の人事行政を所掌する立場から、職員の生活が少しでも改善されることを常に望んでいる」としたうえ、「関係機関に、採り得る可能な範囲で、必要な時期に、必要に応じた対応をとっていきたい」と回答しました。また、「給与制度の総合的見直し」については「今後とも人事院における検討の動向を見守っていくこととしたい」と回答しました。

超勤縮減・健康管理

懇談会テーマの把握・紹介を検討

 管理職員に配布されている「超過勤務縮減のための取組事例集」について「現場での活用方法や各庁でのとりくみ事例等を把握し、機会をとらえて各庁へ還元するなど、最高裁として下級裁における超過勤務縮減に向けたとりくみを、さらに後押ししていきたい」と回答しました。
 また、「健康管理懇談会」の協議テーマについて「最高裁において把握し、各庁へ紹介することについて検討することとしたい」との姿勢を示しました。
 一般定期健康診断の受検率向上に向けては「目的や受検のメリットを職員によりいっそう周知するなど、受検の必要性の啓発や受検しやすい態勢の工夫等、来年度の健康診断に向けて、受検率をさらに高めるための具体的な方策を実施していくこととしたい」と回答しました。

IT情報システム化

管内と情報共有年明けから開始

 WEBを利用した情報共有に関して、本庁・管内支部・簡裁間の情報共有を目的とした掲示板について「早ければ年明け頃から各庁における準備が整い次第、順次運用が開始できる見込みである」こと、標的型メール攻撃に対する訓練について「最高裁および高地家裁本庁に所属する職員に加え、高地家裁の支部および簡裁に所属する職員も対象に含め、対象職員数を2000人に拡大して実施する方向で準備をすすめている」ことを明らかにしました。
 また、各種ソフトの更新等に関わって「オフィス2003とオフィス2007との違い等を一覧化した早見表を作成し、早ければ12月中にも適宜の方法で職員に提供する」ほか、「ヘルプデスクに照会の多かった事項等について、Q&A方式でJ・NETポータルに掲載することを検討」することを明らかにしました。

人事評価制度

理解を深める工夫を検討

 裁判所における新たな人事評価制度に関わって「職員団体の要望も踏まえ、職員および管理職員が制度等の理解を深めるための方策について、さらに工夫ができないか検討してみたい」と回答しました。

宿日直

KEITASの機能充実を検討

 令状事務にKEITASが利用されていることを踏まえ「現在、KEITASのさらなる過誤防止支援機能の充実について検討している」ことを明らかにするとともに、「引き続き当直における過誤の防止や事務処理の効率化に向けた支援機能の充実に努めていきたい」と回答しました。

昇格

粘り強く、全力で折衝

 級別定数改定をめぐっては「これまでと比較にならないほど厳しい状況である」との認識を示したものの、「考え得るあらゆる理由付けを持ち出して、粘り強く、全力で、定数の維持・確保に向けた折衝を行っているところであり、職員の処遇の維持・改善に向けて少しでも定数を獲得するため、さらに引き続き最大限の努力を続けていきたい」との姿勢を示しました。

 
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本部四役 竹ア最高裁長官と会見 「今後も人的物的整備が必要」
 
 11月26日、全司法本部四役は、就任あいさつを兼ねて竹ア最高裁長官と会見を行いました。最高裁からは、長官の外、大谷事務総長、安浪人事局長、朝倉給与課長が同席しました。全司法本部と最高裁長官との会見は、最高裁が全司法との誠実対応を表明した「92・3・18事務総長見解」の翌年から毎年行われており、今回で20回目となります。
 会見では、門田委員長から、(1)裁判所の人的物的態勢の整備、(2)給与制度をめぐる問題、(3)職場環境のさらなる改善、(4)全司法との誠実対応の4点にわたり、全司法の考え方を述べ、最高裁の見解を求めました。
 これに対して、竹ア長官からは、(1)「司法の果たすべき役割がますます重要」との認識に立ち、「今後とも人的物的態勢を整備していく必要がある」、(2)賃金に関する要望は、関係機関に伝わるよう努力しているとして、「人事院における今後の給与制度に関する検討状況を注視していきたい」、(3)職場環境改善にむけて、これまで種々の施策を講じているが、「今後もその実効性を高めるために工夫すべき点など検討していきたい」、(4)誠実対応するとの「事務総長見解の内容は当然のことである」と述べて、全司法と今後も誠実に対応していくとし、基本的な姿勢を示しました。
 三権の長である最高裁長官が全司法の代表と会い、裁判所における政策課題について直接考えを述べ、その内容も全司法の要求に前向きであることや全司法との誠実対応の基本姿勢を明らかにしたことは、大きな意義があるものです。

長官会見要旨

人的物的態勢整備

 民事通常訴訟事件が複雑・困難化し、成年後見関係事件をはじめ家事事件が増加の一途をたどっています。また、相次ぐ庁舎新営や耐震改修など、会計部門を中心に事務局において人的手当が不十分なところもあります。このように依然、厳しい職場状況が続いているなか、引き続き人的物的態勢の整備をはかるよう求めました。
 これに対し長官は、「複雑な社会情勢の中、裁判所に提起される事件をみても、先端的な知見が判断に深く関係する訴訟や、社会経済活動に大きな影響を及ぼす訴訟等が増えており、事件の適切な解決を通じて、司法がその役割を十全に果たしていくことは、安定した社会の基盤を確保するために極めて重要」であるという認識を示しました。
 そのうえで、「裁判所がその使命を果たしていくために、今後とも人的物的態勢を整備していく必要がある」と述べつつ、国の財政が極めて厳しい状況にあり、「より一層の内部努力を重ねていくことが不可欠である」との考えを示しました。

給与制度問題

 給与制度をめぐる問題については、政府が給与減額支給措置を予定どおり来年3月末をもって終了したものの、50歳代後半の給与水準引き下げや地方勤務職員の給与水準引き下げを人事院に要請したこと、人事院が「給与制度の総合的見直し」を実施できる準備に着手するとし、私たちの労働条件にも大きく影響することから、一方的な見直しとしないよう、最高裁としての対応を求めました。
 これに対し、長官は「賃金に関する要望については、担当部局において、関係機関に伝わるよう努力している」とし、「裁判所としては、人事院における今後の給与制度に関する検討状況を注視したい」と述べました。

職場環境の改善

 心の病による体調不良で長期間職場を離れざるを得ない職員が後を絶たない状況が続くなか、メンタルヘルス不全に陥らない具体的な方策と職場復帰に実効性のあるプログラムを策定することが重要となっています。引き続き、より良い職場環境の構築にむけた最高裁としてのとりくみと、これからの裁判所を担う人材の育成も視野に入れた課題について、下級裁への引き続く指導を求めました。
 これに対し、長官は「心身の健康の保持、増進を図るとともに、家庭生活と両立していけるような環境整備を進めることが重要」との認識を示し、これまでも様々な施策を講じてきているが、さらに「今後もその実効性を高めるために工夫すべき点がないか等検討していきたい」と述べました。

全司法との誠実対応

 最後に委員長から、率直な意見交換がなされ、建設的な労使関係が築かれているとの認識を述べ、今後も、社会経済状況の変化や新たな法整備など、職場環境に影響する事態が生じることが予想されるとして、相互の信頼関係をふまえた率直な意見交換と、引き続き、職場の声に耳を傾け、全司法との誠実な対応と健全な労使関係を築いていくことの確認を求めました。
 これに対し、長官は、1992年3月18日の事務総長見解の内容は当然と述べ、「これまで築き上げてきた相互の信頼関係に基づき、率直に問題意識をぶつけ合い、忌憚なく話し合う中で、問題の解決をはかっていかなければならない」との認識を示し、「担当部局には、今後もそのような立場で努力させたい」、「職員団体もその方向で努力していただきたい」と述べました。

 
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全司法大運動 「裁判所の人的・物的充実を求める請願」参議院でも採択!
 

 全司法独自のとりくみである「裁判所の人的・物的充実を求める請願署名」は、2012年度のとりくみとして6月7日に衆参両院の法務委員を中心に要請を行い、請願採択をめざしました。結果、衆議院では全会一致での採択を得たものの、参議院では安倍首相の問責決議案が可決され審議がストップしたことから、審議未了(法案でいうと廃案)という結果となりました。
 この結果を受けて、先の全国大会で「秋の臨時国会で参議院での採択をめざす」方針を確立し、秋季年末闘争の中で「短期間で組合員からの署名を取り切る」ことを提起しました。
 署名数は全国各地の機関の奮闘により約4千筆を集約しましたが、目標数である組合員数の約3分の2という結果となりました。
 本部は、会期末を翌々週に控えた11月18日の週に、参議院の法務委員20名へ要請を行い、別表の5名に紹介議員になっていただきました。
 今臨時国会は特定秘密保護法の取扱いで紛糾し、各委員会も審議拒否や委員長の解任動議が提案されるなど、混乱を極めました。しかし、法務委員会においては会期末直前の12月6日に一部の党が委員会を欠席する状況ではあったものの、請願が採択され、引き続き7日未明に開催された本会議でも採択されました。
 採択時期は異なったものの衆参両院で採択されたことは、この1年で国会議員も法務委員も大幅に入れ替わった中で、全司法大運動の趣旨(裁判所予算の増額と人的・物的充実)が広く理解された結果であるといえます。
 引き続き2013年度のとりくみが始まっていますが、「数の追求」と「世論の形成」を柱に捉え、各機関で奮闘することが求められます。

 
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少年法対策会議 〜少年司法のあり方で広角的議論
 
佐々木光明神戸大学教授

 11月3日から4日にかけて、全司法少年対策会議を開催し、学者、弁護士、被害者の会、調査官、書記官など41人が参加しました。
 冒頭、門田中央執行委員長があいさつしたあと、佐々木光明神戸大学教授のメイン講演、各地連調査官担当者から職場の実情報告などを行い、議論を深めました。
 1日目の佐々木教授のメイン講演では、はじめに憲法「改正」論、集団的自衛権行使、特定秘密保護法などの立法が見直される状況下でどんな社会をつくるのか未来を鳥瞰することが大切である。また、新しい公共の秩序(自民党改憲草案)という公益の観点での権利制約と少年法「改正」における検察官関与は連動し、刑事司法改革や捜査手段の大きな枠組みの中で、少年法「改正」を考える必要があるとしました。
 そのうえで、「少年司法の特性と少年法の未来」「規範意識の要求と厳罰化」「少年政策の局面と対話の観点」などについて論究し、少年事件に検察官関与が拡大することが、ひいては憲法改正にもつながる象徴的な問題であるとしました。
 2日目は、各地連から、少年事件にかかわって、関係機関(保護観察所、少年院、少年刑務所等)との協議や連絡調整のあり方、家事シフトによって少年係が繁忙になっていることなど、職場における状況からの問題意識などが報告されました。
 それを受けて、少年事件にかかわる学者や弁護士、調査官OBから発言があり、数字に表れない「警察署限り」の事件が増えていることへの問題点、少年院と少年刑務所での処遇に大きな差があり、少年の更生への疑問などが出されました。また、昨年までの少年対策会議での議論の到達点を踏まえ、どの講師に何を話してもらうのか、そういう議論の積み重ねを要請する発言もありました。

学者、弁護士、被害者の会、調査官、書記官など41人が参加


 
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地連調査官担当者会議
 

若手の不安にどう答えていくか

問題点を出し合い上京団交渉に臨む

 11月4〜5日、地連調査官担当者会議と最高裁上京団交渉を実施しました。
 会議では、若手調査官の異動が非常に厳しく、配偶者と同居できない、幼児を抱えての単身赴任など、過酷な実態が報告されました。全国的に広がりを見せる管理職の業務軽減は、十分に意見を聞かれないまま一方的に実施された職場や、主任が日常の業務に追われていて指導監督の充実という効果が実感しにくいという声が挙げられました。
 さらに、全国的に「家事シフト」が進み、少年係が毎年のように減員されていること、地方では若手調査官ばかりが配置されてアンバランスな人員配置になっていること、交通の便が悪い地域への填補や出張が負担となっていること、特急料金やタクシー料金が支給されずに自己負担している実態などが報告されました。
 「家裁調査官の育成のための新たな施策」(以下、「新施策」)については、スケジュールが過密すぎること、任官後1か月のみの原庁勤務のために家賃負担を強いられるとともに、任官直後の3月は住居手当が支給されないこと、異動に関する情報が少ないこと、どの庁が次の配置先とされる小規模庁なのかがわからないため、希望を言うことも躊躇してしまうこと、受入庁となり得る小規模庁に対して修習状況に関する情報が十分伝わっていないといった実態が報告されました。来年4月には新施策による異動が行われます。調査官補がこれまでの修習で身につけた知識や技能を活かして現場で活躍するために、受け入れる側がどう迎え入れたら良いのか、全体で考える必要があります。また、多くの不安を抱えた彼らをサポートするために、私たちはどうすればいいのか、制度要求に加え、当局に主張すべき個別・具体的な課題は山積しているといえます。もちろん、これらの問題は新施策に限らず、来年、再来年にはじめての異動(いわゆる5年目異動)を迎える7、8期生も同様です。新施策と同時並行で行われる5年目異動の動向についても注視していく必要があります。
 2日目には給与課長との交渉を実施し、会議や事前調査で出された現場の実情を主張しました。回答は従前の枠を超えることはありませんでしたが、新施策については進めながらより良いものを作っていく姿勢を感じることができ、引き続きのとりくみが必要なことを実感しました。

 
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地連速記官担当者会議
 

特定健改善、電子速記タイプの官支給などを要求

上京団交渉で職場の思いを伝える

 12月1〜2日、地連速記官担当者会議と引き続く上京団交渉を行いました。
 会議の冒頭、速記官の人数が減少していく中、速記官職種の役員を選出できない地連が増えている現状について討議しました。今期、速記官職種を役員に選出している地連は北海道および東京地連のみで、他地連は、速記官連絡員を選出して本部速対との連携を取っています。速記官職種の役員がいない地連での交渉への要求の反映の仕方などを話し合い、他職種役員や専従書記長の協力を得ながら、できる限り管内速記官の要求を反映できるよう、今後も協力体制を作っていくことを確認しました。
 年2回実施されている特別定期健康診断についても、交渉での追及に活かせるよう取りまとめを行いました。
 その結果、人事院規則で定められた最低限の検査項目は実施されているものの、庁によって検査方法にばらつきがある実態が判明したことから、そのばらつき解消に向けて、検査では「専門医による診察」を強く求めていくことを確認しました。
 また、例年とりくんでいる「速記官の養成再開署名」と、多くの速記官が自費で購入している電子速記タイプライターの官支給実現をめざす署名については、今年度も引き続きとりくんでいくことを確認しました。官支給要求を前進させるために、他にどういった主張ができるのかという点についても、会議では多くの時間をかけて討議しました。
 引き続く交渉では、参加者から速記官の執務実態の改善を訴えるとともに、電子速記タイプライターの官支給を求める職場の非常に強い声を重ねて伝えました。ほかに、特定健の拡充、ポータブル録音機の追加整備、ブロック研修と新たな中央研修の開催などについて、交渉参加者から要求を訴えました。
 今後、署名や調査へのとりくみについて、御支援と御協力をお願いいたします。

 
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地連事務官担当者会議
 

事務局の繁忙解消、事務官の登用で議論

人的手当て、研修などを要求

 11月17日〜18日にかけて各地連の事務官担当者およびオブザーバーが参加し、地連事務官担当者会議と上京団交渉を実施しました。
 会議では、事務官を取り巻く職場実態を相互に報告しながら、当面する諸課題を討議しました。人員の課題では、庁舎新営・耐震改修等が多くの庁で実施されていることから会計課が繁忙となっており、その手当てを求めていくことを確認しました。また、全国で実施されている課長補佐等への昇任選考試験について、事務官の積極登用を求めるとりくみは同選考試験を踏まえて行う必要があること、合格後すぐ管理職に任用されない例も報告されていることから、当面、専任事務官の受験者数と合格者数等を開示させるとりくみの必要性について確認しました。
 事務官の純増が困難な情勢の下、事務局の超勤縮減や繁忙状況の解消・緩和の方策についても意見交換を行いました。昇任が絡まない異動は4月ではなく10月に行ってはどうか、人事や会計担当部署の繁忙期には応援体制を組むことができないか、人手の足りない小規模庁に対して大規模庁からの填補体制が組めないか等の意見が出され、全司法でも議論を深めたうえ、当局への意見反映をはかっていく必要があることを確認しました。また、書記官任官を希望する若手事務官が多い実態を踏まえ、事務官から書記官への定員振替継続の必要性についても意見交換を行い、引き続き検討課題として議論を深めることとしました。
 2日目の上京団交渉では、会計担当部署への人的手当て、ニーズに応じた研修実施と内容の充実、事務官の登用拡大、退職時5級枠組みの維持と占有期間延長、法廷警備員の研修参加の拡大等について追及しました。交渉で、新たな人事評価制度の評価結果を踏まえ10月に占有期間を3月延長して支部専門職5級発令があったことが明らかにされ、今後、さらなる処遇改善に向け占有期間延長を求めていくことを意思統一しました。

 
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地連女性担当者会議
 

女性のための多様なとりくみを工夫して

女性をめぐる課題を議論

 11月17日に川崎市で第1回地連女性担当者会議を開催しました。
 全国54支部中女性部が活動できているのは33支部という状況ですが、活動している支部では、役員問題等に悩みながらも多様な活動を行っている状況が報告されました。一方、休止・解散した支部では、女性の要求の受け皿ができていなかったり、「女性が積極的に支部・分会の役員になる」というのが解散理由だったのに、役員は男性ばかりという状況に変化がないことが報告されました。
 当局との関係では、「組織内組織」論に立って女性部との交渉を拒否する当局も増えており、女性部との話し合いの枠組みを維持するために努力している状況が報告されました。
 会議の中で「若い女性は、ほとんど生理休暇を取っていないのではないか」「そもそも、生理休暇のことを知らないのではないか」との意見が出され、以前、全国的にとりくんでいた生理休暇取得状況調査を今に合った形でリニューアルしてとりくむことが確認されました。
 女性の登用拡大については、「子育てが済んだ人や子供がいない人は登用の話があっても受けやすいが、子育てをしながらでも管理職となれる職場環境が必要」との意見が出されました。
 中部地連では母性保護の学習会を実施し、近畿地連は講演とウォーキング講座を組み合わせた女性集会を予定、福岡支部ではざっくばらんに話ができる「茶話会」を開くなど、地連・支部で女性を対象とした工夫あるとりくみが行われているとの報告があり、これを受けて、本部から「女性部があってもなくても、女性組合員のためのとりくみは必要。全支部で『お喋り会』などの、女性が集まって話をする機会を持つよう、とりくんでみたらどうか」との提案を行いました。
 今後、各地連・支部で女性の要求を吸い上げ、3月に予定されている第2回担当者会議と上京団交渉に臨みます。

 
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裁判所職員だからこそ 特定秘密保護法は認めない
 
反対の声が連日、国会に

 12月6日、特定秘密保護法が、自民・公明両党の強行採決で成立しました。
 この法律は「秘密を洩らした公務員を処罰する」ことを基本に、秘密を知ろうとした人、共謀した人、教唆した人、扇動した人も処罰対象とし、過失犯も処罰することになっています。
 しかも「特定秘密」の指定は政府に委ねられ、「何が秘密か」ということは一切、明らかにされません。「国民の目、耳、口をふさぎ、戦争ができる国づくりを進める」との批判はけっして杞憂ではありません。
 法律の問題点は国会での審議が進めば進むほど明らかになっていき、廃案を求める声が広がり、「慎重審議」を求める国民世論は圧倒的多数となりました。全国各地の集会やデモをはじめ、様々な行動がかつてない広がりを見せました。そのもとで、強行を繰り返して法案を成立させた政府・与党のやり方は、民主主義を踏みにじるものです。
 法律が施行された場合、刑事裁判や民事裁判をはじめ、私たちが日々の仕事をする中で、「特定秘密」に関する仕事を担当すると判断されれば、適性評価によって、家族も含めた健康状態や経済状態、嗜好まで調査され、プライバシーなどなくなります。

井上青年協議長、ヒューマンチェーンに参加

 また、故意はもちろん、過失であっても、秘密を洩らしたとされれば、最高で懲役10年の刑事罰に問われることになります。これでは、安心して仕事をすることなどできません。
 さらに、秘密保護法違反の事件が係属すれば、私たちはこの法律にしたがって、憲法が保障する国民の権利を侵害するための仕事をすることにもなりかねず、それは、結成以来、「国民のための裁判所」を目指してきた全司法の理念とはけっして相容れません。
 「法案が成立したから、これで終わり」とあきらめるわけにはいきません。
 国民の権利を守るために働いている裁判所職員だからこそ、私たちは、特定秘密保護法は認めません。引き続き、その施行を許さず、廃止を求める運動に結集していきます。

日比谷に1万人が集結 国会前行動に全司法本部から参加


 
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Newsを読んで行動する 第5回 ブラック企業を合法化?
 

規制を求める声に逆行

 「ブラック企業」対策で、来年度から大学生や大学院生を採用する企業に対し、ハローワークを通じて離職率の公表を求めることがNewsになっていました。
 今年はブラック企業への批判が噴出し、労働基準監督官を主役としたドラマ(「ダンダリン」)が放送されるなど、働くルールの問題が社会的な注目を集める動きが見えました。
 今こそ、ブラック企業に対する法的規制をかけるべき時期です。
 ところが、安倍政権が進めようとしている「雇用改革」のメニューを見てみると、そうではないことがわかります。
(1)限定正社員…職場や勤務地、労働時間などを限定する代わりに、賃金は引き下げ、その職務や勤務地がなくなれば雇用契約も終了するという「名ばかり正社員」
(2)労働時間の規制緩和…労働時間の枠を取り払い、一定以上の収入があれば残業代をなくしたり、「管理監督者等」の労働時間の規制をなくす
(3)労働者派遣の要件緩和…「常用代替防止」の原則を見直し、派遣を自由化・一般化する。
(4)「雇用維持型」から「雇用移動化」への転換…補助金を出してリストラを支援し、解雇要件を弱めて解雇をしやすくする。
 ざっと見てもわかるとおり、ブラック企業を追及するどころか、ブラック企業を合法化する内容です。

働く人を守る法律を

 安倍政権はこれを「成長戦略」「規制改革」の名のもとにやろうとしていますが、考え方の基本は「世界で一番企業が活動しやすい国にする」(安倍首相の言葉)ということ。そこで働く人の生活や権利のことは、まったく考慮にありません。
 かつて小泉首相は「構造改革」「規制緩和」の名のもとに、労働法を大きく変えて派遣労働を拡大しましたが、そのことが格差と貧困を広げ、ブラック企業をはびこらせ、日本の経済を停滞させる原因を作りました。今政府が検討している政策は、それをさらに推し進めようとするものです。
 ダンダさんが「それ、法律違反です!」と言える根拠となる法律をきちんとさせること、そのための運動を作ること、これは正義感に溢れる労働基準監督官の仕事ではなく、労働組合がやるべき重要な仕事です。

 
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