最高裁は8月30日、財務省に対して「2014年度概算要求」を提出しました。厳しい国家財政の状況と、それにともなう政府の国家公務員総人件費抑制方針のなか、最高裁は裁判官32人、書記官40人の増員要求をしました。今後、満額査定に向けた職場からのとりくみが重要となります。 各省庁から出された一般会計の概算要求は総額で99兆2500億円となり、過去最大となりました。これに対し一部マスコミから「財政規律が緩んでいる」との批判も上がっており、消費税率の引き上げ議論とも相まって、年末の予算編成に向けて歳出抑制の圧力も予想されます。最高裁も、「今後の予算編成過程においては、財政当局から国の厳しい財政状況を背景に、さらなる要求内容の削減を求められることも想定される」と説明していることから、必要な予算確保に向けた最高裁当局としての努力を全司法は引き続き求めていきます。 人員については、09年7月に閣議決定された「新たな定員合理化計画」により、10年度から14年度までの5年間で09年度末定員比10%以上の削減が求められており、最高裁も「国家機関として協力」していく姿勢を続けています。これまで司法制度改革の具体化が進む中で新しい制度への対応や繁忙職場の解消などに向けた増員がはかられてきました。しかし、2013年度予算においては増員数65人(裁判官32人、書記官33人)に対して削減数66人(行二職)と、裁判所全体でマイナスという結果になりました。 2014年度概算要求では、「個々の事件が複雑困難化している民事訴訟事件や成年後見関係事件等を中心に新受件数が増加傾向にある家事事件を適正迅速に処理する」ために裁判官32人、書記官40人の増員要求と、速記官および事務官から書記官へ15人の振替要求を行っています。 職場実態を踏まえると必ずしも十分な増員要求ではないものの、概算要求がだされた段階では、増員要求の満額査定を得るために秋季年末闘期のとりくみ(地連・支部交渉など)が重要となります。また、全司法は秋の臨時国会において、参議院での「全司法大運動」署名の採択をめざしたとりくみを提起しています。こういった様々なとりくみを展開し、「国民のための裁判所」実現をめざした人的・物的充実に全力を尽くします。