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  トップページ > 全司法新聞 > 2013年7月 > 2176号
 
 
全司法新聞
 
最高裁、各課題で前向きな姿勢を示す
全司法本部、上申行動や総決起集会を背景に交渉を実施
 
 2013年諸要求貫徹闘争期において、人員をはじめとした全国統一要求の前進をめざし、職場からの上申行動や各種署名のとりくみ、2次にわたる全国統一総決起集会などを背景に、最高裁給与課長交渉、人事・総務・経理局および情報政策課交渉、人事局長、事務総長との各交渉を実施しました。その結果、次年度概算要求に向け、次のとおり各課題で一定の到達点を築くことができました。

 全司法本部は6月17日から20日までの間、諸要求貫徹闘争期における最高裁(総務局、人事局、経理局および情報政策課、人事局長、事務総長)交渉を実施し、全国統一要求の前進に向けて追及を強めました。
 次年度概算要求に向けた増員要求の基本姿勢について、「近時の新受事件数の動向等を踏まえると、財政当局との折衝は、これまでにない極めて厳しいものになる」との認識を示しつつ、「事務処理を円滑に行うために必要な人員の確保に向けて、最大限の努力をしていきたい」としました。また、増員要求にあたっては、「家裁や支部・簡裁、検審を含めた職場の実態」や「職員団体の要望等を十分にふまえた上」、「職員の休暇等の取得や健康管理の面にもきめ細かく配慮」する姿勢を示しました。
 職員の健康管理等について、最高裁は「職員団体の問題意識、社会一般の取組状況、IT化の更なる進展等を踏まえて、引き続き、きめ細かな配慮をするとともに、職員が健康で働きやすい職場環境の維持により一層努めていきたい」との姿勢を示しました。本年1月から運用が開始されている「試し出勤」については、「今後とも運用状況等の把握に努めるとともに、『試し出勤』が適切に運用され、円滑な職場復帰が図られるよう取り組んでいきたい」としました。
 また、本庁・管内支部・簡裁間で情報を共有する方策を求める声が高まる中で、「本庁・管内支部・簡裁間の情報共有を目的とした掲示板については、職員団体の要望も踏まえ、早期に実現できるよう努力したい」と回答しました。
 庁舎・機械設備および執務環境の充実・改善について、「2階建て庁舎についても、新営の際に身障者用エレベーターを整備することとしたい」、また、休養室が整備できていない庁舎については、「使用していない会議室等を利用し、備品等について、必要性を見ながら、各庁の実情等を踏まえて整備することを検討してみたい」としました。
 女性職員の採用・登用拡大について、「最高裁としても、社会一般のとりくみ状況や職員団体の問題意識等を踏まえつつ、推進会議等において各高裁のとりくみを情報提供するなど、各庁のとりくみを後押ししていきたい」と積極的な姿勢を示しました。
 この間、各級機関と職場、組合員が一体となった運動の展開がはかられました。全国統一職場大会をはじめ「上申書提出行動」、「速記官署名」、「行(二)署名」や各支部および分会の要求前進に向けた最高裁あての要請書送付行動など各種とりくみを実施し、各級機関においては所属長交渉が実施されました。
 こうした運動をすすめてきた結果、各種課題での一定の到達点を築くことができました。
 
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最高裁事務総長交渉回答要旨
 
「国民のための裁判所」

 家庭裁判所に対する注目が高まり、手続等の制度改変が行われるなど、なお、新たな制度導入がすすみ、万全な態勢整備が必要ななか、「家裁事件の適切な処理等を通じて、国民の期待に応え、信頼が得られるよう、職員団体等の意見も踏まえながら、引き続き、人的・物的な面を含めた態勢の充実強化に」努力すると回答しました。また、「次年度の増員を巡る財政当局との折衝は、これまでにない極めて厳しいものになる」と回答。その上で、人員要求にあたっては「家裁や支部・簡裁、検審を含めた職場の実態並びに職員団体等の要望等も十分踏まえ」「必要な人員の確保に向けて、最大限の努力を」するとの姿勢を示しました。

職場環境の改善

 「メンタルヘルスへの対応をはじめとする職員の健康管理についてきめ細かな配慮とともに、職員が健康で働きやすい職場環境の維持により一層努めていきたい」との姿勢を示し、今年1月から運用している「試し出勤」については「運用状況等の把握に努めるとともに『試し出勤』が適切に運用され、円滑な職場復帰等が図られるようとりくんでいきたい」と回答しました。また、超勤縮減のための具体的なとりくみの実施や年休等をより一層取得しやすい環境整備にむけて、「引き続き下級裁への指導を徹底していきたい」としました。

女性の採用・登用拡大

 女性職員の登用拡大にむけ、各高裁の現状値(女性の管理職に占める割合)を2015年までに3%上積みする目標が設定されたことを受け、その達成にむけた施策と男女ともに働きやすい職場環境の改善、整備が必要です。これに対し、「従前の取組の見直しや、女性職員がキャリア形成等に関して……社会一般の取組状況や職員団体の問題意識等を踏まえつつ……推進会議等において各高裁の取組を情報提供するなど、各庁の取組を後押ししていきたい」と回答しました。

公務員制度改革

 公務員の労働基本権のあり方については、「これまで同様、職員及び職員団体の意見を聴くなど、適切かつ誠実に対応していきたい」と回答。新たな再任用制度については、「適切に再任用が行われるよう努力していきたい」とし、「今後の再任用の運用に当たっては、これまで同様、職員及び職員団体と適切かつ誠実に対応していきたい」としました。また、早期退職募集制度については、具体的な募集等を行っていくとして、「その際には、これまで同様、職員及び職員団体と適切かつ誠実に対応していきたい」と回答しました。

権利

 全司法との誠実対応については、「今後もそのような方針に変わりはない」とし、「下級裁当局に対しても、職員団体に対して同様の認識で臨むよう、その指導を一層徹底していきたい」と従前の回答を維持しました。

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人員確保、級別定数改定等で「最大限努力」の姿勢を示す
最高裁人事局長交渉
 

 全司法本部は6月18日、安浪人事局長と交渉を実施し、人員、賃金、健康管理、IT、庁舎、宿日直、昇格等の課題を追及し、エレベーターの整備方針や、人員と級別定数改定につき最大限の努力姿勢の回答を引き出しました。

人員

 「裁判所を含む国家公務員の定員を巡る厳しい情勢や事件動向を踏まえると、増員を巡る財政当局との折衝はこれまで以上に厳しくなる」との認識を示した上で、「司法需要に的確に対処し、適正迅速な裁判を実現するために必要な人員の確保について引き続き最大限の努力をしたい」と全司法の要求に応えた回答をしました。
 さらに個別の部署にも触れ、「家事事件が引き続き増加していることは認識」、「地裁民事事件は複雑困難な事件が増加している中での事務処理状況等について注視する」、「事件数の動向や事務処理状況等を踏まえ、適正な人員配置に努める」と回答しました。

賃金

 職員の人事行政を所掌する立場として「給与臨時特例法に基づく減額措置が、職員の生活に与える影響には厳しいものがあることは十分認識」、「職員の生活が少しでも改善されることを常に望んでいる」と回答しました。
 全司法からの強い賃上げの要望に対し、賃金・諸手当改善に向けて「関係機関に、採り得る可能な範囲で必要な時期に必要に応じた対応をとっていきたい」との姿勢を示しました。

職員の健康管理等

 「人間ドック等代替となる検査を受検することなく一般定期健康診断を受検しない職員がなお一定数存在する」と認めた上で、「当局としても問題意識を有している。受検の必要性を啓発したり、受検しやすい態勢を工夫したりするなど、受検率をさらに高めるための方策がとれないか今後の検討課題としたい」と回答しました。
 健康管理懇談会については、「各庁において懇談会で有意義な意見交換がなされ、参考にしながら対応策等が検討されている」とした上で、開催について「健康安全管理規程第8条の趣旨を下級裁に周知するとともに、改めて定期開催の要求を下級裁に伝える」と回答しました。
 また、従前より配布していた「メンタルヘルスワークブック」(新版)を、本年4月に改めて全管理職員に配布したことを明らかにしました。

IT情報システム化

 本庁・管内支部・簡裁間の情報共有を目的とした掲示板の整備について、「現在詰めの作業を行っており、職員団体の要望も踏まえ早期に実現できるよう努力したい」と回答しました。
 また、J・NET回線について、「今年度中に全庁の回線二重化を実施する予定」と回答。「仮に一回線が不通となっても、もう一回線で通信を継続でき、耐災害性が高まる」としています。
 標的型メールに対する訓練については、「同訓練は有効であり、職員にも概ね好意的に受け止められた。今後、対象職員の拡大も含めて検討したい」との回答がありました。

庁舎設備の充実・改善

 裁判所庁舎のエレベーター整備について、「今後は2階建て庁舎についても、新営の際には整備することとしたい」との新たな方針を明らかにしました。
 休養室がない庁舎において、「職員が休養する場合には、使用していない会議室等を利用してもらうことが考えられ、その場合の備品(ソファベッド等)については、必要性を見ながら各庁の実情等を踏まえて整備を検討してみたい」と回答しました。
 宿舎については、「各庁で退去要請を行うに当たっては、柔軟な運用を検討する余地もある。入退去に関する柔軟な運用について強い要望があったことは、下級裁に伝える」と回答しました。

宿日直等

 各庁において職員の負担感や健康管理に十分配慮された態勢で行われているとしながらも、「各庁の工夫例を情報提供するなどして、職員の負担軽減に向けて引き続き指導していく」と回答しました。

昇格

 級別定数の改定について、「財政当局の姿勢が前年に引き続き極めて厳しいものとなることは必死であり、全く予断を許さない」としつつ、「各職種の職責や役割を念頭において、職員の勤務条件にも配慮しながら最大限の努力をしていきたい」と回答しました。
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最高裁3局(総務・人事・経理)、1課(情報政策課)交渉を実施
 

人事局交渉

 人事局交渉では、超過勤務縮減や心の健康づくりのための方策、人事評価制度や休暇制度などについて追及しました。
 超過勤務について、「サービス残業や持ち帰り仕事については、あってはならないし、そのようなことがないよう、超過勤務については、的確かつ遅滞なく把握するよう今後も管理職員に対する指導を徹底していきたい」と回答しました。縮減のための対策については、「下級裁には、管理職員に対して、正規の勤務時間内に業務を終えることが裁判所職員の評価や信頼の確保につながることを理解させ、部下職員の事務処理状況等をきめ細かく見て、職場実態に合った事務の簡素化、合理化に向けた意識改革をさらに徹底していくよう指導しているところである」と回答しました。調査官補の超過勤務については、「実務修習中は無理のないカリキュラムが組まれており、通常は超過勤務を行うことは少ないと思われるが、調査官補の勤務時間や超過勤務の取り扱いは他の裁判所職員と同じであり、職員の申告に基づいて超過勤務の認定を行う場合には、必要な超勤について、その時間を申告してもらうことが必要と考えている」、「各庁と緊密に連絡を取って実態を把握し、仮に勤務時間超過の実態があるとすれば、今後、さらに指導していきたい」と回答しました。
 心の健康づくりのための方策では、「療養のため長期間職場を離れた職員の円滑な職場復帰を支援するため、本年1月から職場復帰前に、元の職場などに一定期間継続して試験的に出勤し、一定の作業を行うことにより、職員の職場復帰に関する不安の緩和と円滑な職場復帰を目的とした『試し出勤』の運用を開始したところである」とし、「運用が始まって間もないことから、引き続き運用状況の把握に努めるとともに、今後とも試し出勤が適切に運用され、円滑な職場復帰等がはかられるようとりくんでいきたい」としました。健康管理「懇談会」については、「職員団体から定期的に開催してほしいという意見が出されたことは、下級裁に伝えることとしたい」としました。
 新たな人事評価制度については、「客観性、公正性、透明性、納得性の高い制度として運用され、人材育成や執務意欲の向上に資するものになるように努めていく」、「今後も職員および職員団体と誠実に対応していきたい」とし、「職員が制度を理解することが重要である」とした上で、「今後とも、制度等の理解を深めてもらえるよう必要な配慮を行っていきたいと考えている」との姿勢を示しました。

総務局交渉

 総務局交渉は、新たな制度や適正・迅速な事件処理に対応し、かつ、各種権利行使の保障および職員の健康保持に配慮できるだけの人員要求、「国民のための裁判所」の実現要求、書記官事務の検討を含めた職員制度に関する要求を中心に交渉を行いました。
 人員要求に対しては、「必要な人員の確保に引き続き努力する」と要求に応えながらも、「家事事件は増加傾向が続いているものの、その他の各種事件は減少または横ばいで推移しており、事件数の動向等を踏まえると、今後はますます、これまでのような増員は見込めない」と述べ、来年度の増員を巡る財政当局との折衝はこれまで以上に厳しいものになるとの認識を示しました。
 裁判員等に対する心のケアについて、「現時点では利用方法の改善については考えていないが、今後の裁判員等の意見も見極めつつ将来的な検討課題としていきたい」と今後に向けて含みを残した回答がありました。
 少年事件における被害者待合室の整備について、「すべての本庁、裁判員裁判実施支部において整備したところであり、加えて庁舎新営を行う合議事件取扱支部および少年事件取扱支部について、引き続き犯罪被害者待合室の整備を行っていきたい」との回答がありました。
 書記官事務の検討については明確にスケジュールを示すことは困難としつつ、「刑事公判部および令状請求事件について作業を進めている」と回答。さらに、「総論においても触れられている記録作成保管事務については、あらためて基本的な視点から議論が行われるよう各分野を横断的に取り上げた資料が必要であると考えるに至り、優先して作業を進めている」と新たなとりくみを明らかにしました。
 全国における検討の進捗状況については、「とりくみの状況が各庁各部の実情に応じて多様なものとなることは、その性質上当然のことであると考えている」、「資料は議論のきっかけにはなるが、資料がないから議論できないというものではなく、できる現場は議論を進めてもらいたい」との考えを明らかにしました。
 速記官については、「電子速記タイプライターおよびその消耗品の官支給は考えていない」、「逐語録の作成を録反方式とするか速記方式とするかは各庁の実情に応じて判断されるべきものである」と、いずれも従前回答にとどまりました。

経理局交渉

 経理局交渉では、概算要求、IT情報システム化、庁舎、宿舎などについて追及しました。
 概算要求については、「国の財政状況が逼迫している中、財政当局との折衝はかつてないほど厳しくなるものと考えている」と回答しながらも、多種多様な要因を総合的に考慮しながら、裁判所の人的・物的充実、労働条件関連予算を含め、適正迅速な裁判の運営に必要な予算確保に向けて努力したい」との姿勢を示しました。
 IT情報システム化への対応のうち出力機器の整備および適正配置等については、「第1次施行対象庁および最高裁の一部部局での実施効果を踏まえ、本年度秋以降、第2次施行対象庁に複合機等を実際に配置して施行を開始する予定である。なお、出力環境の最適化は、第2次施行対象庁に限って、試行的に行うことになる。また、本年度の複写機等の更新は、故障等で更新がやむを得ないものに限り、原則複写機、ファックス、プリンタの各1台について、これら機能を有する複合機1台に更新することを予定している。来年度については一定の基準に基づき部屋単位でICカードを利用した複合機に集約することを想定している」と回答しました。
 庁舎の新営・増改築では、「今後も新たな制度運用に支障がないように、既存の設備等の有効活用をはかるとともに、事件関係者のみならず職員の働きやすさにも配慮した上で、必要な整備を計画的に行っていきたい」、「部屋の配置等の計画作成に当たっては、職員および職員団体の意見は十分聴取すべきであると考えている。今後ともこの趣旨を徹底したい」との基本姿勢を示しました。全司法からは、富良野簡裁、岐阜地家裁大垣支部、富山地家裁高岡支部、大阪高地裁(耐震化)、熊本地裁玉名支部の新営・耐震化を要求しました。
 裁判所施設の耐震化では、「昨年5月末時点における耐震安全性の基準を満足する施設は約69%(棟数割合)であり、本年度予算に計上されている施設を加えると約88%(前同)となっている。耐震安全性の基準は、震度6強から震度7程度の大規模地震を想定している」と回答しました。また、津波等による浸水対策については、「記録等の保管場所を上階に変更するなど、運用上の工夫」が必要との認識を示しました。耐荷重や狭あいなどの問題を抱える庁舎がある中で、現実的な対策かどうか、個別に検討する必要があります。
 宿舎課題に関しては、「類型に該当する入居希望者については、裁判所に認められた必要戸数の中で、最大限の努力を行いたい」「退去要請にあたっては、各庁の宿舎事情にもよるが、公的要請に応じて勤務している職員のように、類型に関する個別事情により、柔軟な運用を検討する余地もあると思われる」と回答しました。

情報政策課交渉

 情報政策課交渉では、IT情報システム化全般について追及しました。
 IT情報システム化に関する基本姿勢については、情報化戦略計画が改定され、重点的課題として、(1)情報システムの全体最適化、(2)情報セキュリティ水準の向上、(3)災害等に強い情報システムの構築等が掲げられたことをふまえ、「具体的にIT化を進めるに当たっては、実際にシステムを利用する職員の意見や要望等を確実に把握することが重要」とした上で、情報化投資が「裁判所全体にとって有益なものとなるよう努めていきたい」との姿勢を示しました。
 情報処理研修については、中央研修として年2回実施していることを明らかにした上で、「各種システムが円滑に導入、運用されるよう、また、各種のトラブルに的確に対応できるような研修の実施のために、必要な予算を確保していきたい」とし、情報セキュリティに関しては、本年2月に「標的型メールに対する訓練」を最高裁および高地家裁本庁に所属する職員を対象に実施した結果、「職員に対して有効な訓練であり、概ね好意的に受け止められた」との認識を示しました。
 ウエブを利用した情報提供体制については、「ウエブを利用した情報提供体制を充実させ、裁判所全体にとって有益なものとするよう努めていきたい」との姿勢を示した上で、「現在、本庁から支部への情報提供体制の実現に向けて作業中である」と回答しました。
 災害時のデータ保全対策については、センターサーバ方式のシステムへの影響とそれを最小限に抑える方策および業務停滞をいかに防ぐかについて「最高裁で一元的に行っているシステムにつきシステムごとに対策を講じているほか、各庁においても、停電時のハードディスク破損を防ぐ予防的な措置や復元を可能とする対策を講じている」とし、「今後も、より適切なバックアップ態勢をとることができるよう努力していきたい」と回答しました。

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人事院勧告期の要求で給与課長との交渉を実施
 

 全司法本部は、7月2日、「2013年人事院勧告にむけた重点要求書」に基づき、最高裁朝倉給与課長との交渉を実施しました。

 賃金改善について、最高裁は「職員にとって賃金の問題が最も関心の高い事項であることや、昨年2月に公布された「賃下げ特例法」に基づく減額措置が職員の生活に与えた影響には厳しいものがあることは十分認識しており」、「職員の生活が少しでも改善されることを常に望んでいる」、「賃上げに向けた強い要望を持っていることは認識しており、関係機関に、採り得る可能な範囲で、必要な時期に、必要に応じた対応をとっていきたい」との基本姿勢を示しました。
 6月の給与法改悪により強行された55歳を超える職員の給与抑制措置については「職員の生活に大きな影響を与える問題であることは十分認識しているところであるが、国家公務員全体の問題であって、裁判所の独自性を主張できるようなものではない」としつつも、「要望は関係機関に伝わるようにしたい」と回答しました。
 いわゆる「義務的再任用」については「裁判所においても、3月26日の閣議決定の趣旨を踏まえて、裁判所職員の雇用と年金が確実に接続されるよう、再任用を行っていく」とした上で、「定年制のあり方等について、職員および職員団体が強い関心を有していることは十分認識しているが、国家公務員全体の問題であることから、裁判所としては政府の動向を注視し、引き続き情報収集に努めていきたい」との姿勢を示しました。あわせて、「これまでも意欲と能力を有する職員については、原則として再任用を行ってきているところであり、引き続き、適切に再任用が行われるよう努力していきたい」と回答しました。
 また、再任用職員の処遇については「人事院による平成25年職種別民間給与実態調査においては、民間の再雇用者の給与の取扱いに関して、給与水準の変更の有無や各種手当制度の有無等が調査されているところであり、引き続き人事院の動向を注視していきたい」としました。
 なお、再任用の選考手続きについて「基本的な運用方針がこれまでと変わるものではないため、例年と同様に手続をすすめているところであり、現時点でガイドラインのような形で示す予定はない」としましたが、「ただし、今後何らかの形で示す必要が生じた場合には、しかるべき時期に示したい」との姿勢を示しました。
 この他、超勤縮減、非常勤職員の処遇改善、公務員制度、健康・安全確保の課題についても追及しましたが、いずれも従前回答を維持しました。

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最優秀賞は宮崎支部
全司法第32回機関紙コンクール審査発表
 

 全司法第32回機関紙コンクールの審査結果を発表します。今年は応募紙が25紙と昨年を下回る結果となりましたが、初めて応募した教宣紙や記事内容・見やすさに工夫を凝らした教宣紙など、多種多様な応募がありました。
 厳選なる審査の結果、宮崎支部の「くろしお」が2年連続の最優秀賞に決定しました。受賞の決め手は、10日に1回の発行頻度で会議や集会といった組合活動を余すことなく職場へ伝えている点、そして、全職員に配布することで未加入者を含め職場全体に「組合が何をしているのか」について伝える意識を持って作成している点でした。
 入選作品については、第70回定期大会において表彰を行うとともに、大会期間中、会場内に掲示します。

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最低賃金引き上げを求めて348分間のロングラン座り込み
 

 6月28日、最低賃金の引き上げ、均等待遇実現、公務員賃下げ撤回などを求めて、8時から都内各所で早朝宣伝行動がとりくまれました。10時からは、当面の目標である最賃時給1000円と全国で一番低い最賃額652円(島根、高知)の差額(348分)のロングラン座り込み行動を行いました。厚労省前では、願いを書いた短冊や横断幕、カラーTシャツなど、様々な思いを込めたグッズを持ち寄った参加者が集まりました。
 また、昼休みには、同場所で要求行動が行われ、300人が結集し、被災地である宮城県から参加した仲間が、「低すぎる賃金が若者の雇用流出の原因となっている。また、震災復興の妨げにもなっている」など、深刻な実態を報告しました。
 午後2時からは引き続くロングラン座り込みとリレートークが行われました。「昔は医療費の自己負担がほとんどなく、病気を治すことを第一に考えれば良かったが、今は多額の自己負担を心配しなければならい。医療現場では長時間過密労働が蔓延している。これでは安心・安全の医療を提供できない」、「最低賃金引き上げは、すべての労働者の均等待遇や、公務員賃金の改善につながる」など、参加者の思いが語られました。

最賃は公務員賃金にも影響

 日本の最低賃金は、毎年、厚労省の中央最低賃金審議会において議論がされ、全国の目安となる最低賃金額が出されています。今年は7月2日に第1回審議会が開催され、さらに数回の審議を重ね7月末から8月にかけて答申が出される予定です。その後、その目安となる最低賃金額をふまえ、都道府県の最低賃金審議会において、審議がなされ、各地の最低賃金が決定していきます。
 最低賃金引き上げは、公務員の初任給や生活保護給付額などにも影響しており、日本の低賃金構造を改善する仕組みとして大きな役割を担っています。
 民主党は、政権を担ったときに時給1000円の実現を政策として掲げていましたが、実際には最高額の東京でさえ850円という低額のままです。安倍首相は、第183通常国会で「最低賃金の引き上げに努力する」と答弁していますが、政策としては明確に打ち出していません。
 最低賃金引き上げは公務員の初任給にも影響し、すべての労働者の賃上げにもつながります。各地でとりくまれる最賃引き上げの運動に、官民問わず全ての労働者が結集する必要があります。

 
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