国公労連は、「2013年人事院勧告に向けた重点要求」のうち、(1)実額による官民比較にもとづく改善勧告の実施、(2)50歳代層の賃金抑制措置の阻止、(3)再任用職員の賃金水準引き上げなどを統一上申項目として掲げています。
私たちの主張について改めて説明します。
(1)賃金改善勧告の実施
人事院は、昨年の勧告において7・67%(平均28、610円)の官民較差が生じていることを明らかにしながら、「賃下げ特例法」が施行されていることを理由に俸給表の改定を見送りました。このことは、国公法第28条に定められた情勢適応の原則と較差(5%以上)がある場合の勧告義務に反するものです。
13春闘の民間賃金改定の回答状況は、昨年と同程度か若干上回る水準となっていることからしても、昨年と同程度の官民較差が生じていることが十分予想されます。このことから、2013年人事院勧告では、実額(俸給表上の金額ではなく、実際の受取額)による官民比較にもとづく改善勧告の実施が強く求められます。
(2)50歳代層の賃金抑制措置の阻止
2005年の給与構造改革以降、ベテラン職員を狙い撃ちとした給与水準引き下げが行われてきました。私たちは、これまでも年齢を理由にした賃金引き下げは年齢差別であり、職務給原則にも反するもので認められないことを主張してきました。
50歳代と言えば、繁忙な職場で中心となって支えている世代であり、家庭では住宅ローンや教育費などの負担が重くのしかかっている世代といえ、公務職場における士気や職員のモチベーションへの影響も懸念されます。人事院自ら公務と民間の人事管理の違いを認識しているのであれば、年齢のみに着目した賃金水準の見直しは行うべきではありません。
(3)再任用職員の賃金水準引き上げ
政府は定年延長を求めた人事院の「意見の申出」を無視したまま、従来からの再任用制度による雇用と年金の接続を4月から実施しています。再任用制度による雇用と年金の接続は、確実な接続の担保が無いことや恣意的な運用の危険性もあることから、一日も早い定年延長の実現が求められます。
また、定年延長が実現するまでの間、やむを得ず再任用による接続を行った場合であっても、年金支給開始までの生活維持にふさわしい給与水準の確保が重要です。人事院は、定年延長に向けた「意見の申出」にあたって、定年延長後の給与水準を50歳代後半層の「7割」に設定していたことから、今夏勧告では再任用職員の給与水準を引き上げることはもちろん、現在対象外とされている生活関連手当の支給が強く求められます。
私たちの要求が正当なものであり、切実性があることを使用者に伝えるためにも、各支部で対応当局(任命権者)に要求書を必ず提出しましょう。 |