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全司法新聞
 
 
「賃下げ法」で人事局長交渉を実施
 
 全司法本部は、2月29日に成立した「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」を受け要求書を提出し、3月13日に安浪人事局長と交渉を行いました。

 全司法は、2月29日に「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」が成立したことを受けて、「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律について十分な説明を求める要求書」を3月5日に最高裁当局に提出し、交渉を申し入れました。これに対して最高裁は、春闘期の人事局長交渉とは別期日の交渉を設定し、対応しました。
 交渉では、門田委員長から、今回の「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」(以下、「賃下げ特例法」という。)について、多くの許されざる問題点や重大な疑義があること、すなわち(1)国家財政の破綻を国家公務員に押しつける不当なものであること、(2)労働基本権の代償措置である人事院による勧告を最大限尊重すると言っていたこれまでの姿勢から、人勧を大きく超える賃下げを行ったこと、(3)労働組合に説明すらない議員立法での法案提出など、ルールを無視したやり方であること、(4)誤った公務員バッシングに沿った姿勢が、地域経済や職員の士気に大きな悪影響があることなどを主張しました。その上で、賃下げ特例法が成立した経緯や裁判所職員に及ぼす影響についてどのように考えるのか問い正すとともに、全司法から主張する問題点について、関係機関に対して必要な措置を講じることを求めました。
 これに対し、人事局長は「賃下げ特例法の概要について、職員にも周知したところである。その内容は大変厳しいものとなっており、これまで、人事院勧告による官民格差是正のための俸給月額の引下げ改定率が最大でも平均2パーセントであったことを考えると、これまでにない大幅な減額である。
 この減額について、職員団体が職員の士気にも大きな影響が出るのではないか等の懸念をもっていることも承知している。最高裁としても、今回の減額措置が職員の皆さんの生活に与える影響には厳しいものがあると思うし、職員の人事行政を所管する立場から、職員の生活が少しでも改善されることを常に望んでいることは、これまでも繰り返し述べてきたとおりである。
 他方、国の厳しい財政状況や東日本大震災に対処する必要などを踏まえた様々な議論が国会で行われ、国民各層の多様な意見を踏まえて今回の法律が成立したということは、これについて国民の意思が反映されたものとして見なければならないと思う。
 そして、裁判所職員の賃金に目を向けたとき、行政府の一般職国家公務員とともに改定されてきた経緯からすれば、裁判所職員だけ扱いを異にするといったことが、国民の理解を得られるとは到底考えにくいところだと思う。
 私たち裁判所職員はここ十数年、司法制度改革という大きな動きのなか、国民に信頼される司法制度を維持、発展させるため、新たな制度の円滑な運用等に懸命にとりくんできたものであり、その成果は、それぞれの新制度が概ね円滑に運用されていると評価されているところからも実感できている。このように変化の多い、厳しい時代にあって、私たちが心がけていかなくてはならないのは、国民から負託された「司法」という役割を、それぞれの職員がそれぞれの職責を担いつつ、どのように果たしていくべきかについて常に思いを巡らせながら、やり甲斐と使命感をもってこれにとりくむことではないか。厳しい状況ではあるが、これまでにも増して職員一体となって、誠実に与えられた職務を全うするようお願いしたい。」と回答しました。
 この結果を受けて、全司法から、次の4点について主張しました。
 一点目に、住宅や教育をはじめとしたローンを抱えている職員への配慮です。特に一時金が10%削減されると、一時金における支払いを高めに設定している職員にとっては非常に苦しい生活を強いられることになります。共済組合で実施している貸付経理における普通貸付けや住宅貸付けの金利引き下げや返済期間の延長などを求めました。
 二点目に昇格メリットの対応です。引き下げ率が変わる2級から3級への昇格では、本来であれば1万円程度の月例給引き上げが行われますが、引き下げ幅が上がるため、月例給が2000円程度に抑えられてしまう試算が出ています。これでは、せっかく昇格した意味が無くなってしまいます。2年間にわたって昇格メリットが現れないのは大きな問題だと考えます。
 三点目は、非常勤職員や期間業務職員への影響です。常勤職員よりも賃金が低く抑えられている中で、賃下げ特例法がストレートに適用されてしまえば、生活そのものに大きな影響を与えることとなります。
 最後に、給与事務担当者の負担増です。3月に人事院勧告が実施されることにともなう俸給表の改定、4月は賃下げ特例法が反映されることへの給与計算、そして6月の一時金では昨年度の遡及分を計算することになります。4月の昇格や異動といった年度末・年度初めの繁忙状況に加えて、このような事務量の増加は人事給与担当者への大きな負担増となります。こういった職員への配慮を求めました。
 これに対し、最高裁は、現在、検討している内容もあることから、要望は承るとの回答にとどまりました。
 
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「賃下げ法」廃止に向けた裁判Q&A
 
 全司法が加盟する国公労連では「賃下げ法案」が強行された場合に裁判闘争を含めたあらゆる行動を提起していくことを確認しています(第138回拡大中央委員会における確認事項)。
 2月29日、国家公務員の賃金を2012年度から2年間、平均7・8%引き下げる「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」(賃下げ法)が民主・自民・公明3党等の賛成多数(共産・社民は反対)で可決・成立しました。
 本紙面において、裁判闘争の意義・目的について説明します。職場での十分な議論と意思統一をすすめ、賃下げ法の廃止をめざして引き続き、とりくみに結集しましょう。

Q1 なぜ、裁判をするのですか?

 国家公務員も憲法第28条にいう勤労者(労働者)です。にもかかわらず、すべての労働者に保障されている労働基本権(労働協約締結権と争議権など)が不当に制限されています。政府は、その「代償措置」として人事院勧告制度があると主張してきました。人事院は、2011年の勧告において平均▲0・23%の賃下げを勧告しましたが、政府がそれ以上の賃金(平均▲7・8%)を削減することは、国家公務員法第28条「情勢適応の原則」を無視するものです。
 また、賃下げ法は2014年3月までの時限立法ですが、政府・民主党はこの削減を継続する目論みを持っており、国会審議においても継続ありきの議論がなされています。このことからも、この間の公務員賃金決定にあたってのルール違反を司法の場で証明することは、将来に向けてもきわめて重要なたたかいといえます。
 使用者たる政府が、当事者である国公労連の合意を得るどころか、事前に何の説明も行わなかったことなど、明確なルール違反の賃金決定方法を職場だけでなく、国民にも明らかにし、国家公務員の労働基本権回復にむけた道筋をつけることも大きな目的の一つです。

Q2 「国公権利裁判」(2003年)との違いはなんですか?

 「国公権利裁判」(2003年提訴)は、人事院勧告にもとづく賃下げを4月に遡って実施したことに対し、(1)当事者との合意に基づかないものであったことから、労働基本権(団体交渉権)の侵害、(2)不利益不遡及法理を逸脱して行われた損害の賠償、という二つの問題点について争ったもので、2005年9月29日に東京高裁は「不利益遡及は無前提に許されるものではない」が「一時金での調整措置は、その態様、程度などからして違法性、脱法性はない」との判決を行いました。
 一方、今回の裁判闘争は、Q1でも触れたように、(1)「情勢適応の原則」(国公法28条)を無視していること、(2)民主・自民・公明三党が議員立法という手法で合理的根拠のない大幅な賃金削減を強行したこと、(3)当事者である国公労連等に何ら説明もしていないことなど、国家公務員の基本的人権を二重三重に蹂躙していることから、違憲性を含めたルール違反の賃金決定方法を真正面から問い、公務労働者の権利を前進させるために行う運動であり、裁判闘争の目的や獲得すべき目標は異なります。

Q3 景気が厳しい状況にあって、国民的な得ることはできるのですか?

 大企業が莫大な内部留保をため込む一方、国民生活においては、格差と貧困が広がっています。私たちに向けられた公務員の賃下げ攻撃は、公務関連労働者にとどまらず、民間労働者の賃金や税収をも引き下げ、格差と貧困をいっそう深刻にしています。
 いま必要なことは、誰もが安心して働き、将来に希望のもてる社会をつくることであり、すべての労働者の賃上げ、労働時間の短縮と雇用の拡大が求められています。こうした国民的な運動を私たちが牽引することで、私たちの主張への理解と共感を広げることができるのではないでしょうか。民間労働者をはじめとした幅広い世論を味方につけるためにも、職場での議論だけでなく、地域における宣伝行動や国民との対話の中で私たちがとりくむ運動に確信を持ち、大いに展開していく必要があります。

Q4 不当な賃下げが強行される中、実力行使態勢の確立やILO(国際労働機関)への提訴など裁判以外の方策もあるのではないですか?

 公務員に対する賃下げ攻撃は、2010年人勧の取り扱いをめぐる「深掘り」議論から始まりました。これに対して国公労連および全司法本部は、ストライキを含む実力行使の必要性や態勢確立に向けて真剣な議論を重ねてきましたが、一部マスコミによる激しい公務員バッシングが展開される中で、職場の団結や意思統一が十分に構築できていない状況などから、実力行使態勢を含む戦術を提起するまでに至っていないのが実態です。
 したがって、このような状況においては、人事院に対して2011年人勧を上回る賃下げ分について早期の回復をはかる勧告(臨時勧告)を行うよう要求するとともに、政府に対しては勧告の実施を迫ることが重要です。その際、重要な局面では断固たる決意でたたかうことが求められていることから、引き続き実力行使態勢確立に向けた議論を深める必要があります。
 なお、昨年9月に全労連を通じて、労働基本権の回復と賃下げ問題を一体のものとして、ILOに情報提供を行っており、3月にもILO結社の自由委員会で審議される予定です。

Q5 公務員パッシングが激しい中、「既得権を守りたいだけ」などの批判を国民から受けないでしょうか?

 Q2で指摘した賃下げ法の3つの問題点や不当性、東日本大震災で国家公務員が果たした役割、「国民のための裁判所」実現をめざして全国津々浦々で均質な司法サービスを提供し、奮闘していることなどを国民に明らかにして、公務・公共サービスの重要性と私たちのたたかいへの理解と共感を広げていくことが必要です。
 確かに厳しい公務員バッシングが続く中、そうした懸念も考えられます。しかし、その多くはマスコミ報道などによる誤解や無理解にもとづくものだということは皆さんも理解しているはずです。
 だからこそ、積極的に地域に飛び出し、全国各地で国民のための行財政・司法に真剣にとりくんでいる公務労働者の姿を明らかにしていきましょう。

Q6 原告は誰でもなれるのですか?また、原告として具体的に何をするのですか?

 「賃下げ法」により、賃金の減額を受けた人であれば、誰でも原告になることができます。国公労連は、全国で統一した運動としての国を相手に裁判闘争を行う予定です(東京地裁に提訴)。
 なお、社会的なインパクトや全国各地でのとりくみとして発展させるため、数百人程度を原告団として募る予定としています(具体的な数や提訴時期などについては今後検討)。
 また、原告の役割としては、日常的に職場や地域での支援要請や街頭宣伝など、目的達成に向けた運動の中心的な役割を担っていただくことを考えています。

Q7 裁判費用はどう確保するのですか?組合員の臨時徴収などがあるのですか?

 Q6に記載したように、原告全員が東京に集合する機会は極めて少なく、弁護団(10名程度)も東京近県の弁護士で組織することなどから、当面は国公労連の闘争特別会計から捻出する予定です。
 なお、裁判の進行状況をふまえ、再検討が必要な場合は定期大会で財政方針として提起します。当面、国公労連の財政でまかなうことが予定されており、臨時徴収は考えられていません。
 
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退職される組合員の皆さんへ
全司法を支えていただき感謝
中央執行委員長 門田敏彦
 
 この春に退職を迎えられる全国の組合員のみなさん。
 司法労働者の働きやすい職場環境の実現とあわせて「国民のための裁判所実現」をめざし、日々の仕事に精励されてきた永年のご努力とご貢献に、全国の仲間とともに心からの感謝を申し上げます。
 退職されるみなさんには、激動する経済や政治情勢、厳しい公務員バッシングなどで、ともすると諦め、挫折しそうな私たち後輩を叱咤激励して、一緒に悩みともに歩んでくれました。また、百年に一度といわれる制度改革にあたっても、裁判所職員として、全司法組合員としてともに裁判所の職場と司法制度を支えていただきました。
 今、退職を迎えるにあたって、感慨も一入だと思います。
 現在、私たちが享受している職場の権利や制度、労働条件は、みなさんが全司法の旗の下に集まり、たたかって得られた貴重な成果です。
 そうした教訓に学び、あとを引く継ぐ私たちが、未来に向けて、これまで築き上げてこられた職場の権利と労働条件を守り、「国民のための裁判所実現」と、さらに裁判所が国民の信頼を得て、働きやすい職場となるようこれからも力を尽くす決意です。
 今後とも全司法の先輩として、引き続きご支援、ご鞭撻を賜りたいと思います。
 また、退職によって全司法を離れましても、平和や社会保障をはじめ、一致する課題での協力共同を強めて、誰もが安心して暮らせる社会をめざして、ともに力を合わせていきたいと思います。そのためにも「裁判所退職者の会」へもご加入いただき、これからも各地域で、全司法との協力共同をお願いしたいと思います。
 みなさんの新たな人生の旅立ちにあたり、何よりもお身体に十分留意され、ご家族とともに豊かで希望と充実感に溢れた人生となりますことを心よりお祈りしまして、贈る言葉といたします。
 ありがとうございました。
 
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全司法本部 春闘期の最高裁交渉を実施
 
 全司法本部は、国公労連統一要求および全国統一昇格要求にもとづき、3月6日に朝倉新給与課長と、3月13日に安浪人事局長と、それぞれ春闘期の交渉を行いました。

生活改善を常に望んでいる

 賃金改善については「賃金問題が最も関心の高い事項であることは十分に認識しており、職員の生活が少しでも改善されることを常に望んでいることは言うまでもないことである」(局長)と回答。諸手当についても、「各種手当については、法律や規則に沿って支給されており、その改正は国家公務員全体の問題であるから、裁判所が個別に対処できる問題ではない。これまでも種々の機会を捉えて人事院に要望等を伝えるなど、必要な時期に必要な対応をしてきており、今後も同様の方針で臨んでいきたい」との姿勢を示しました。
 さらに、人事院から調査結果が出された退職手当について、「引き続き重大な関心を持って情報収集に努めるとともに、今後の状況を見守っていきたい」(課長)と回答しました。

被災地職員の状況は十分認識

 東日本大震災や原発事故にともなう労働条件改善の要求に対しては、「被災地の職員が大変困難な状況に置かれていることは十分に認識している」(課長)としたうえで、「通勤緩和措置や各種手当の支給は国家公務員全体の問題であり個別に対処できる問題でないことは理解してほしい。福島県内各庁の空間放射線量が周囲と比して突出した数値にはなっていないが、今後も職員の適切な健康管理が行えるよう努めたい」(局長)と回答しました。

職員の処遇維持に努力

 昇格全般について、「獲得済みの定数を最大限有効に活用し、職員全体の処遇バランスに十分配慮しながら、できる限り職員の処遇維持に努めている」(局長)との基本姿勢を示し、その運用にあたっては、「人事評価の結果はもとより、個々の職員の職務の複雑、困難および責任の度や平素の勤務ぶり、勤務実績等をこれまで以上につぶさに見て、よりきめ細やかな配慮をしていきたい」(局長)との姿勢を示しました。

労働基本権は確実対応

 最高裁は、労働基本権については、「今後、国会において「国家公務員の労働関係に関する法律案」が審理されるものと認識しており、法案が成立して制度が施行され、裁判所における具体的措置を検討する際には誠実に対応したい」(局長)との姿勢を示しました。

客観性など納得性の高い制度運用に努める

 第2期裁判所特定事業主行動計画(アクションプラン)の周知徹底については、「十分な職員周知、アクションプラン推進月間の設定などにとりくみ、管理職員の意識啓発をはかっていきたい」(局長)としたうえで、「全職員が職場全体で仕事のやり方を見直すことで、働きやすい職場、ひいては子育て中の職員にとっても仕事と家庭生活の両立をしやすい職場をめざす」(課長)としました。
 裁判所における新たな人事評価制度については、「新たな制度が客観性、公正性、透明性、納得性の高い制度として運用されるよう努めていく」(局長)「結果の説明にあたっては、可能な限り各評価項目にも関連づけて、具体的な事実等も示す形で行われるよう配慮したい」(局長)と回答。全司法が評価制度の活用などへの理解を深めるための方策を講じるよう求めたのに対して、「研修等の機会を利用するとともに、疑問点については面談等の機会に評価者から丁寧な説明が行われるよう配慮していきたい」(局長)と回答。苦情処理システムの全司法の参画要求については、「当局の権限と責任において行うべきものである」(課長)との従前回答に止まりました。
 宿舎の確保については、「転居を伴う異動にあたって、必要な戸数を確保するよう努める最高裁のスタンスに変わりはない」(課長)としたうえで、「裁判所も財務省通達に従った運用をせざるを得ない。裁判所職員の実情に即したものとなるよう検討している」(課長)と回答。宿舎使用料については、「今後維持される宿舎が確定していないため、歳出額が正確に算定されておらず、引き上げの検討はすすんでいないと聞いている」(課長)と回答しました。
 女性職員の採用登用拡大計画(第3次)の達成に向けては、「各高裁において実情を踏まえながら目標達成に向けてとりくみを積極的にすすめていくものと思われるし、最高裁としても、とりくみの参考になるようなものを提供するなど、各庁のとりくみを後押ししていきたい」(局長)と回答。妊産婦の業務について「原則として超勤命令はしない取扱いであり、各庁において事務分担の見直しなど必要な措置がとられている」(課長)との認識を示しました。
 
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働きやすい職場環境を
3月4日・5日 地連女性担当者会議と最高裁交渉
 
 第2回地連女性担当者会議が3月4・5日に開催されました。
 会議では、昨年11月の第1回担当者会議以後の活動・職場実態の報告や最高裁交渉に向けての討論が行われました。
 各地連からは、女性部長会議を開催し、会議に向けて意見集約および要求書案の確認を行った旨、報告がありました。九州地連では、会議に各支部の教宣紙を持ち寄り、意見交換を行い、組織課題も重点的に討議していますし、女性の登用拡大について、大阪高裁設置の「女性職員のためのキャリア相談窓口」(略称WOW)の周知と意見交換会を兼ねた「女性フォーラム」開催の報告がありました。また、相談窓口の周知があったが相談員が異動しても更新されないとか、キャリアアップ相談窓口の設置を検討中との回答を得ている等の発言がされました。
 パワハラの問題については、パワハラと確定できなくても、病休等の一要素と分かれば異動等の措置を求めていくべきではないか、との意見が出されました。
 異動希望に関して、全国的に調査官の異動要求実現が難しく、夫婦別居を余儀なくされている現状が報告されました。その他、女性がん検診の充実と厚生経費の増額や育休代替要員の確保について、各地連から強い要望が出され、妊婦に対する管理職の問題対応が報告されました。
 会議終了後、最高裁給与課長との交渉を行い、要求書をもとに、各地連から職場の状況を訴え改善を求めました。
 給与課長は、「母性保護のための権利行使がしやすい職場環境づくりの必要性があること」や「諸制度の職場への定着については下級裁を指導していくこと」、「制度問題は人事院に伝えていくこと」、「引き続き女性部の意見は聞いていくこと」等の回答がありました。
 引き続き、男女ともに働きやすい職場環境の整備を求めるとりくみを強めていく必要があります。
 
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アンケートに基づく青年の実態を追及
2月26日・27日 青年協常任会議と最高裁交渉
 
 2月26日、27日に、青年協第3回常任委員会の開催と引き続く最高裁給与課長交渉を実施しました。
 会議では、秋闘期の総括やこの間に行われた各地連の青年部長会議等の内容報告など、これまでのとりくみについて全体で確認をしました。各地連の青年部長会議等については、青年部の活動報告だけでなく、今後の活動の意見交換に加え、学習の項目も取り入れるなど、これからの青年運動を活発にさせるために重要な会議であることを再確認しました。
 また、4月期の新規採用者への加入呼びかけについては、青年協の組織拡大のとりくみにおいて、最重点の課題であると位置づけ、各地連・支部の現段階における加入に向けた計画状況について意見交換を行いました。早期のとりくみはもちろんのこと、継続したとりくみが重要であり、新規採用者に対する歓迎レクなどを全ての支部がとりくめるよう最大限追及していくことを意思統一しました。青年協としても、各級機関との連携を深め、全国で100%加入を目指して、最大限に努力することを確認しました。
 最高裁交渉に向けては、青年の暮らしむきアンケートの集約結果や、各支部の職場実態の報告などをもとに議論し、依然として低賃金である青年の生活改善を求めることを大きな柱として位置付け、青年が将来に希望を持てるよう最高裁に要求することを確認しました。
 交渉では、青年の賃金や各種手当などの生活改善の要求とともに、宿舎に関する要求も最高裁に訴えました。最高裁は、「今後も青年の意見を聞いていきたい」との姿勢を示しました。
 交渉終了後には、「国家公務員の賃下げ法案」が、参議院で山場を迎えていたため、参加者全員で参議院議員要請行動を実施しました。参加者は、法律の問題点を追及するとともに、暮らしむきアンケートにより明らかになった、青年の苦しい生活実態を直接訴えました。
 青年協では、引き続き青年層の生活改善・職場環境の改善を求め、さまざまなとりくみを行っていきます。
 
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雇用、賃上げ、社会保障の拡充を
 
 3月8日、全労連・国民春闘共闘は、すべての労働者の賃上げ、消費税増税や社会保障改悪反対、内需中心の経済、震災復興などを求める12国民春闘勝利3・8中央行動を開催しました。
 全司法では国公労連の呼びかけのもと、本部、東京地連、管内支部を合わせて18名が参加(全体で3000人)。また、この日の行動には九州地連・福岡支部から職場カンパにより2名が参加しました。

 12時から始まった人事院前の要求行動では、国民春闘共闘の大黒代表幹事(全労連議長)が「大企業は定期昇給までも見直すと主張し、生産拠点を外国に移し、労働者を非正規に移行させる身勝手なことを行おうとしている。こうした大企業の横暴は許されない。地方・中央で共同のつながりを発展させ奮闘しよう」と述べました。
 続いて、官民労組の代表6人が決意表明。国公労連の盛永副委員長は、「公務員賃下げ法を成立させたことに対して満身の怒りをもって抗議する。二重三重の憲法違反に対して、裁判闘争を通して不当性を問う」と訴えました。
 13時20分からの総務省前要求行動で、主催者あいさつに立った全労連公務部会の野村代表委員(自治労連委員長)は、「公務労働者は手足をしばられている状況で賃下げや労働条件の改悪が行われている。さらに大阪・橋下市長の独裁的なやりかたでは口までふさがれてしまう。国民とともにたたかっていこう」と呼びかけました。
 最後に国公労連・花岡中央執行委員のリードで総務省に向け「公務労働者の賃金を改善せよ!労働基本権を返せ!」と力強くシュプレヒコールを行いました。
 14時40分から「国会請願デモ」が日比谷公園から国会に向け出発し、公務・公共サービス拡充などを求め行進しました。
 デモ終了後には、参議院議員に対して、公務労働者の労働基本権回復、労働者派遣法の抜本改正を求める要請行動を実施しました。

分限免職の撤回を

 中央行動に先立ち国公労連は、社保庁職員の分限免職撤回を求めて独自に、11時20分から厚生労働省に対する要求行動を行いました。
 国公労連の川村中央執行副委員長は、2月27・28日の人事院口頭審理の状況を説明、「厚労省は、2009年度予算で社保庁廃止後1月から3ヶ月間の残務整理として113人分の人件費が確保されていたにもかかわらず、この予算が全く活用せずに525人の分限解雇を強行し、解雇回避にむけた努力を何もしなかった。厚労省に処分取消しを迫り、すべての働く労働者と共同してたたかおう」と呼びかけました。
 解雇された当事者でもある全厚生闘争団事務局長の北久保さんは、分限免職の理由とされた懲戒処分が取り消されたにもかかわらず、厚労省は分限免職を取り消そうとしないと批判。「間違った処分をしたことを厚労省は認めず、謝罪もしなかった。全厚生闘争団は4道府県で裁判をたたかっている。みなさんのご支援をよろしくお願いします」と力強く決意を表明しました。
 
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震災復興 なくせ原発 3・11行動in東京
 
 東日本大震災から1年が経過した3月11日、全国159か所で「原発なくせ、住民本位の震災復興を」との集会が開催されました。

 東京・井の頭公園(三鷹市)で開かれた「震災復興 なくせ原発3・11行動in東京」には全体で8000人が参加。全司法では本部、東京地連、立川支部から6名が参加しました。
 集会の冒頭、全労連の大黒作治議長が、「政府・財界は、まだ原発依存のエネルギー政策にしがみついているが、日本にある原発54基中、稼働しているのは2基だけであり原発を再稼働する必要も大義もない。原発なくせの一致点で運動を発展させよう」と呼びかけました。
 40年以上原発反対を訴えているドイツ環境自然保護連盟のエアハルト・シュルツさんは「風力で65%の電力を賄えるという試算を発表した。日本でも可能性はある。再生可能エネルギーを普及させ、原発に頼らない社会を作ろう」とあいさつしました。
 被災地からは3人が訴えを行いました。岩手・田老町漁協の前川昌人さんは「定置網等で75億円の被害を受けたが、復興にむけ努力し続けている。政府は、消費税を上げる前に、年金を切り下げる前に、やるべきことがあるのではないかと言いたい」と強調しました。宮城・坂総合病院の矢崎とも子医師は「国の支援が必要なのに補助金が不十分。これでは地域医療の再生ができない。実効ある支援を」と呼びかけました。福島県労連の斉藤富春議長は「1〜2月で1800人の雇用保険の受給が切れた。1万人の雇用が足りない。消費税増税・社会保障が改悪されれば復興に重大な影響を及ぼす」と批判しました。
 集会後、JR吉祥寺駅まで「原発ゼロを実現しよう」と声を上げてパレードしました。
 
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3・1ビキニデー 原水爆の被害は私を最後に
 
 被災から58年を迎えた3・1ビキニデー行動(2月28日〜3月1日:集会、デモ、分科会等)が静岡県焼津市で開催され、海外代表も含め全国から労働組合や平和・民主団体、宗教者団体など1800人が参加。核兵器廃絶に向けた運動とともに、核被害の克服と原発ゼロなどの運動とも連帯していくことを確認しました。

 1日の朝9時から、焼津駅前に献花墓参平和行進に参加するに人々が続々と集まり、「原水爆の被害は私を最後にしてほしい」と言い残した故久保山愛吉さん(第五福竜丸無線長)のお墓がある弘徳院まで行進しました。午後から、焼津文化センターでビキニデー集会が開かれ、第1部では広島・長崎市長からのメッセージ紹介や、安斎育郎氏(世界大会実行委員会議長団)の主催者報告を含めた講演などがありました。同氏は「放射能汚染への危険性には大きな関心がもたれているが、一方、なぜ日本に54基もの原発があるのかの政治的な背景やこれまでの国際的な経過や関係には異常なまでに関心が薄い」などと指摘されました。
 第2部では、第五福竜丸元乗組員の大石又七さんらによる被害者の証言、海外代表からのリレートークなどが行われた後、核兵器全面禁止へ新アピール署名を広げることを全体で確認しました。最後に、参加者全員で「ウイシャルオーバーカム」を合唱して集会を締めくくりました。

3.1ビキニデーとは

 1954年3月1日未明、太平洋マーシャル諸島のビキニ環礁で、米軍が水爆実験行ったことで、島民や多数の日本漁船が被災しました。静岡県焼津港所属の第五福竜丸の乗組員23人が放射能(死の灰)を浴び、急性放射能症になりました。この年の9月23日に無線長の久保山愛吉さんが亡くなりました。
 広島・長崎・ビキニと三度の核兵器被害への国民の怒りは大きく、原水爆禁止署名は1年余で3400万筆を集約。翌55年には第1回原水爆禁止世界大会が開かれています。
 以来、毎年のビキニデーが8月の世界大会への出発点になってきました。
 
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