おいでやす全司法
プライバシーポリシー  
CONTENTS 全司法紹介 司法制度改革 少年法関連 全司法大運動 全司法新聞 声明・決議・資料 リンク サイトマップ
  トップページ > 全司法新聞 > 2012年3月 > 2145号
 
全司法新聞
 
 
憲法違反の賃下げ法案、可決される!
 
 民主・自民・公明の3党は、議員立法として共同提出した「賃下げ法案」(国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律案)を2月23日に衆議院、2月29日に参議院において、委員会や本会議審議も不十分なまま採決を強行しました。
 全司法はこの間、国公労連・全労連公務部会に結集し、全国の仲間とともに、憲法で保障された労働基本権の代償措置である人事院勧告を無視する「賃下げ法案」の問題点を指摘しながら、雨や雪が降りしきる悪天候の中でも、国会前座り込み行動や街頭宣伝行動、国会議員要請行動等にとりくみ、最後までたたかい抜きました。

「3党合意」との報道

 1月25日、「民主・自民・公明の3党は、実務者協議において、国家公務員給与臨時特例法案に関し、国家公務員の給与を人勧に基づき0・23%引き下げたうえで、向こう2年にわたり平均7・8%引き下げ、合計8・03%の賃下げを行うことで合意した」との報道がありましたが、この時点では、公務員制度改革関連法案の処理や地方公務員への対処で一致しなかったことから、審議入りの目処は立っていませんでした。
 国公労連・全労連公務部会は、継続審議となっていた政府法案(6月3日閣議決定)とそれに対抗する形での自民・公明提出の法案いずれも、人事院勧告にもとづかず、公務労働者に大幅な賃下げをせまる内容であることから廃案を求めて、国会前座り込み行動や街頭宣伝行動、全国統一職大や中央・地方での国会議員への要請行動などにとりくんできました。

議員立法で提出

 ところが急転直下、2月17日になって、民主・自民・公明の各政調会長は、「国家公務員給与臨時特例法案」(賃下げ法案)の修正に合意し、議員立法による新たな法案が国会に提出されました。
 修正法案の内容は、11年人事院勧告(▲0・23%)にもとづき、昨年4月に遡って引き下げ、その引き下げ分を含めて平均7・8%まで公務員給与を引き下げるというもので、3党合意をもとに2月21日に取りまとめられた法案内容は、(1)11年人事院勧告の実施は法律公布の翌月とすること、(2)2011年4月に遡って減額調整し、その調整分を6月の一時金から控除すること、(3)給与制度見直しにともなう現給保障措置は、経過措置は設けず、2014年3月31日限りで全額を廃止するとともに、これに加えて、(4)平均7・8%までの公務員賃金の引き下げを本年4月1日から実施するというものでした。
 議員立法として3党が提出した法案の内容は、自民・公明の両党が共同で提出していた法案を、民主党が「丸のみ」したものと同様であり、これによって、自公法案は取り下げられ、政府法案は採決されることなく廃案となりました。

交渉・協議も無し

 今回の経過で、何よりも重大なことは、当事者である労働組合との交渉・協議がなされず、労使交渉を離れて、民主・自民・公明による密室談合で法案の修正が行われ、そのうえ議員立法で「賃下げ法案」を提出したことです。
 当事者の労働組合さえ排除して協議がすすめられてきたという経過は断じて認められるものではありません。
 国家公務員の使用者たる政府が、その責任を放棄したばかりか、国会で自由に公務員の労働条件が決定されることになれば、公務労働者の労働基本権は根底から踏みにじられ、たたかう手段を持たない無権利状態に陥ることになります。その点では、労働基本権保障をさだめた憲法28条の問題が生じることとなります。
 また、公務員の大幅な賃下げは、今春闘における民間の労使交渉にも否定的な影響を与えることにつながり、「賃下げの悪循環」でデフレ不況をさらに悪化させることとなります。
 消費税増税という国民に犠牲をせまる突破口として、公務員の賃下げを利用することは国民的にもきわめて重大な問題です。
 民自公3党は、こうした重大な問題について、徹底した審議を行うべきであるにもかかわらず、衆議院では2月23日の総務委員会は、わずか3時間程度の質疑を行ったうえで採決を強行し、さらに、その直後に本会議を開いて裁決し、参議院へ送付しました。
 参議院においても衆議院同様、2月28日の総務委員会はわずか3時間程度の質疑を行ったうえで採決を強行し、翌29日に本会議を開いて採決を行い、同法案は可決・成立しました。

中央・地方最後まで奮闘

 全司法ではこれまで、賃下げ法案の廃案に向け、数次にわたる全国統一職大や地連・支部での交渉を行い、ブロック・県国公などの地域行動にも積極的に結集してきました。
 中央においても、衆議院総務委員会・本会議が行われた23日、全司法は朝から雨が降りしきる悪天候にもかかわらず、国会前座り込み行動に札幌から福岡まで全国から45人が行動に参加。衆議院で法案が成立した午後からは、地元選出の参議院議員を中心に参議院での徹底審議などを求めて国会議員要請を行いました。
 また、2月27〜28日にも寒風吹くなか国会前座り込み行動に参加。27日の午後からは青年協上京団交渉に参加した青年らとともに参議院議員への要請行動を行い、その後、有楽町駅マリオン前での街頭宣伝行動にも参加しました。
 翌28日、「賃下げ法案」の参議院総務委員会での審議が予定されていたことから、前週に引き続き、改めて全国から座り込み行動への参加を依頼し、全国から35人が参加。午後からは、有楽町駅マリオン前宣伝行動にも参加しました。
 全司法はこの間、一貫して国公労連・全労連公務部会に結集し、全国の仲間とともに、憲法違反の「賃下げ法案」の暴挙を許さないため、雨や雪が降りしきる悪天候の中、国会前座り込み行動や街頭宣伝行動、国会議員要請行動等にとりくみ、最後までたたかい抜きました。
 
ページの先頭へ
 
東北地方太平洋沖地震から1年
 
 あの東北地方太平洋沖地震から1年が経とうとしていますが、今もなお数十万人の方が避難生活を送られています。この1年を振り返ることで、個々の組合員がこれから何ができるのかを考えていただければと思います。
 東北地連と岩手、宮城、福島の3支部からのレポートを掲載します。

温かい支援に涙

【東北地連発】
 東日本大震災から1年という言葉には、かなりの抵抗があります。わたしたちの中では、東北地方太平洋沖地震から1年という認識です。災害は、まだ続いているのですから…。
 地震直後は、全司法の仲間から温かい支援をいただき、涙・涙でした。ライフラインも全てストップし、シャワーも浴びることができず、ペットボトルに汲んだ水(500ミリリットル)で身支度を調えて通勤しました。遠くから支援に駆けつけてくださった全国各地のガス局の方に、ガスが通ったときに「ありがとうございました」と最後まで口に出すこともできず、出て来たのは涙でした。
 4月異動の内示が、ほぼ終わった頃と思いますが、沿岸部に異動する職員の住宅が見つかりません。ようやく見つけたアパートも、今、決めないと次の人に決まってしまうという中、2月に契約し1ヶ月以上も住んでない家賃を支払う状況も出ています。頼みの宿舎も廃止の声は聞きますが増える話は聞かれません。福島では、高い放射線が検出され、避難できる人は他県に避難している状況です。
 東北では、まだまだ災害は進行中ですが、職場の仲間と共に一歩ずつ前に進んでいきたいと思います。引き続きのご支援をお願いします。

復興に向け、一歩ずつ前に

【岩手支部発】
 『信号が点いてる』。思わず言葉が口をついた。12月某日、盛岡地裁一関支部から90キロ沿岸の大船渡簡裁へ向かう庁用ワゴン車は、調査官2名、書記官1名を乗せ、宮城県気仙沼市内の朝を走っていた。昨年10月から、裁判官のてん補体制は震災前に戻り、家裁出張所の期日は月2回、仙台地裁気仙沼支部長がてん補する。書記官1名はその期日に応援に行っている。JRが復旧していないので、一関(気仙沼)←→大船渡間の公共交通機関は1日2往復のバスのみ。その理由で、家裁調査官も同じ日に沿岸在住当事者の調査期日を入れている。
 気仙沼支部で支部長が庁用車に乗る。気仙沼支部は坂の上にあり、依然と変わるところはない。しかし、少し坂を下ると、街は津波で傾いた建物の解体にやっと漕ぎ着いたところ。そう、ここに信号が点いていた。津波の跡が残る街並を通勤する人、人。
 庁用車は、街から少し離れた地域を通る。平らに片付けられた工場用地と住む人がいなくなった住宅。いき場のないガレキの山。そのままの船。それらを横目に小高い地域に入れば、そこは、何事もなかったかのようである。
 気仙沼から陸前高田までの間は、そんな風景の繰り返しが続く。陸前高田に入ると、目の前が開ける。街だったはずのところは、広く片付けられている。駅も線路もまったくわからない。空けた土地には分別されたガレキの山が4つも5つも作られ、高さは、まだ解体されない5階建てアパートと並ぶほどである。
 一関出発から約2時間余りの午前10時過ぎころ大船渡出張に到着。小さい裁判所の小さい駐車場は、当事者、代理人、調停委員の自動車で埋まる。誘導して整然と駐車させる。相談者が駐車場所を問う。調停委員の自動車を移動。スペースを作る……の傍らで、たんたんと期日が進む。
 2月。陸前高田にも一部信号機が点いた。一歩ずつ前に進んでいる。

組合の存在の大切さを感じた

【宮城支部発】
 東日本大震災から、もうすぐ1年が経過しようとしています。管内の裁判所は、すべての庁舎が改修済もしくは改修の目処が立っており、裁判所の機能は、震災前とほぼ同じになっています。
 一方で、職員個人の生活環境に目を向けたときには、震災前と同じ生活が出来ている人と、残念ながら、思い通りに出来ていない人がいます。
 鉄道等も一部区間で、まだ開通しておらず、長時間の通勤を余儀なくされている職員がいます。
 このような中で、宮城支部は、職員の健康管理のため、増員要求やメンタルヘルス対策を当局に対して求め、一定の成果があったものと感じています。
 宮城支部の組織拡大に向けた活動は全国のみなさんと同じようには出来なかったものの、宮城支部の組合員からは、組合の存在の大切さを感じた、と感想をいただいております。
 最後に、職場環境が、比較的短い時間で、震災前と同様となったのは、全国の皆様のご支援があったからです。この場を借りてお礼を申し上げます。

原発事故…とても悲しい気持ちに

【福島支部発】
 震災・原発事故から1年、この間の想いは複雑ですが、支援カンパでは、本当にお世話になりました。
 さて、福島県では、津波・地震等での死亡・行方不明者は2千人程度、原発事故での避難者は自主避難を含め、今は15万人(県外6万人)程度などと言われています。震災被害は、岩手・宮城県に比べ少なかったのがですが、原発事故によって自然豊かな福島に戻ることが私の生きている間にないのかと思うと、とても悲しい気持ちになります。
 今も子どもたちに対する健康不安から人口流出が続いています。組合員にも家族を避難させ、遠距離通勤している人がいます。一部の職場では今も放射線量が高い状態が続いています。
 支部執行部では、1月に所長交渉を実施し、県外異動、除染、自主避難者への通勤手当等の要求を追及しました。国家公務員全体の問題であり、全く解決していませんが、今後も粘り強く要求していきたいと考えています。
 全国からの支援もよろしくお願いいたします。
 
ページの先頭へ
 
外から見た司法とは 〜 全国司法制度研究集会を開催
 
 2月12日、第38回全国司法制度研究集会が開催されました。各級機関の四役を中心に、総勢69名が出席。2人の外部講師を招いて、この間の司法制度改革等により、外部から見て、裁判所はどう変わったかについての検討を行いました。
 引き続いて12〜13日、第18回中央労働学校が開校され、労働基本権課題、評価制度と労働組合の役割等について、2人の外部講師を招いて、分散会も行い、学習を深めました。


報告1 前進面もあるが、楽観視もできず
中尾 正信弁護士
 「司法改革により裁判所はどう変わったか」をテーマに、裁判所外部から見た司法改革の姿と裁判所の変化、そして今後の課題につついて、中尾正信弁護士から講演をいただきました。
 戦後の司法改革の流れには三つの大きな波があり、終戦直後に新憲法に基づく、国民のための司法をめざした大改革がいわば原点となる第1の波であったが、GHQの占領政策の転換、日米安保条約等による政治状況の変化から、早くも1950年代から司法の官僚的再編が始まり、裁判官の司法統制と「司法の危機」といわれる1960年代から1980年代を迎え、それが第2の波に位置づけられるとしました。その後、1980年代後半に「2割司法」に代表される司法の閉塞状況を招来したことへの打開をめざす今次の司法改革という第3の波を迎えたと話されました。
 続いて、今次の司法改革について話が進められ、1990年代から司法の閉塞状況を打破するために、市民を巻きこんだ運動が展開され、国内外の大きな環境の激変の流れの中で「批判から実践」への運動転換と改革に向けて、当番弁護士の実施、弁護士ゼロワン地域の解消など、日弁連がこれまでとりくんできた司法改革運動が紹介されました。
 その後、この運動が「呼び水」となって司法改革が政治課題にのぼり、裁判員制度をはじめとする今日の司法制度改革へと繋がっていったことが説明されました。ただ、その司法制度改革は、市民が求める「法の支配」実現型の改革と財界が求める規制緩和型の改革という2つの異質なせめぎ合いのなかで、総論不一致、各論一致の「同床異夢」の状態で、司法制度改革審議会の審議が進んだものの、全体像として改革は、裁判官任用が透明化したなど、多くの前進点があったと評価しました。
 最後に、最高裁が今後の増員への積極的メッセージと裁判への「質」に言及するなど、姿勢の変化はありつつも、司法制度改革の今後は必ずしも楽観視できないとし、裁判所内外での継続的な交流、意見交換を全司法ともしていきたいとの話で講演が締めくくられました。
 会場からは多くの質問が出され、予定時間をオーバーする好評さでした。


報告2 人的態勢の充実が必要
谷 嘉浩弁護士
 冒頭、司法書士と裁判とのかかわりについて、司法書士法改正(平成14年)をはじめとする近年の経過を示したうえで、この間、行われてきた司法制度改革の一貫として、認定司法書士が簡裁民事事件の代理人として法廷立会できるようになった一方、これまで司法書士が果たしてきた「本人訴訟支援」や法律相談業務にも、引き続き尽力していくべきであると指摘されました。
 これまで全国の裁判所・法務局の近くに司法書士事務所が存在していたものが、法務局の統廃合により、事務所だけが残される現状について、現在の登記部門の合理化の流れは、公務サービスの縮小であり、国民の要望からかけ離れたものであることが強調されました。
 裁判所と司法書士については、簡裁民事での法廷立会を中心に、現在は過払事件が多数を占めているが、このような状況が続くことは少なく、金銭を目的する訴え以外の訴訟についても司法書士が関与する機会が増えるのではないかと指摘しました。
 家裁では、夫婦間の問題をはじめ、成年後見事件において、公益社団法人「リーガルサポート」が大きく関わりを深めている実態が紹介されました。
 また、裁判を利用しない紛争解決の方法について、ADRの一環として、大阪では、公益社団法人「紛争解決センター」に、弁護士会も司法書士会も参加しており、仲裁判断を行うなかで、持ち込まれる紛争のうち3割程度が成立している、との紹介がありました。
 司法アクセスについて、市民から見た裁判所については、司法委員や調停委員を、もっと活用できないか、との提案がありました。
 裁判所に期待することについては、開廷日が曜日指定になっていることで期日が入らなかったり、そもそも裁判官をはじめとした人的態勢の充実が必要であると述べられました。
 講演後、受講生からもたくさん質問が出され、「裁判所職員に対する感想」については、事件部窓口では、当事者に親切・丁寧に対応されているとのことでした。
 
ページの先頭へ
 
基本権・評価制度・組合とは 〜 中央労働学校を開催
 

講義1 団体協約締結権の活用と今後の課題

 労働基本権回復にむけた法案が国会に提出されている中、全医労の瀬谷書記次長から法案の考え方や、国立から独立行政法人に移行した病院機構の労働条件改善に向けたとりくみを講議していただきました。
 現在の法案については、一方的に剥奪された協約締結権が回復されるという大きな前進面がある一方、いくつかの問題点もあることが指摘されました。特に民間の労働組合には無い「認証制」については、様々な要件が課せられていることで認証を受けるためのハードルが高くなっているとともに、認証を受けられなければ、団体協約を締結できない、不当労働行為救済の申立てが出来ない、専従役員の配置や短期専従の取得が出来ないなど、労働組合としての根幹を揺るがす大きな問題があります。また、管理運営事項が交渉対象となっていないことから、一方的に交渉範囲を狭められてしまう危険性もあり、組織を大きくし「数の力」で当局との関係を優位に保つ必要があることが語られました。
 独立行政法人となった病院機構の協約締結に向けたとりくみについては、具体的な事例も交えながらわかりやすい話をしていただきました。今後の問題点として、管理運営事項の解釈から交渉議題に制限が加えられていること、要求書提出から交渉配置まで半年以上かかっていることなどが紹介され、克服すべき課題がまだまだ多く残っていることが語られました。そのような中にあって、国立病院の頃に比べて昇格改善や各種手当の拡充、大幅増員がすすんでいるなど、これまでにはなかったスピードで要求実現がはかられているとともに、要求実現と結合した組織拡大も前進している話がありました。
 最後に、団体協約締結権の回復に向けた課題として、法案の問題点を改善するために国公労連への結集をはかるとともに、組合活動を可視化して組合員や職場に分かりやすい活動をめざすこと、役員請負型から脱却し、組合員一人ひとりが参加する活動をめざすこと、学習を強化すること、そして、要求実現と裏腹の関係にある組織拡大を普段のとりくみとする必要があることが強調されました。また、国家公務員労働者として、公務・公共サービスを支えていることに確信を持ってバッシングに負けず、労働組合を質・量ともに高めていくことが必要であることが語られました。

講義2 人事評価制度の概要と労働組合の役割

 裁判所における人事評価は、(1)中長期的な視点に立って職員の人材育成を行うための評価(人材育成)と(2)仕事を処理する能力(年間評価)や半年間の仕事の結果(半期評価)を把握したうえで行う「給与・昇任等に活用する評価」の2つで構成されています。
 人事評価の流れに関しては、他の行政府省と同様の仕組みが組み込まれており、基本的な枠組みとして「目標設定→期首面談→自己評価→期末面談」という流れで行われていますが、人材育成および年間評価は若干の修正がなされています。
 裁判所における人事評価は、2010年10月から導入され、すでに半期評価2回、年間評価1回が実施されました。本年4月1日からは、これまでの査定昇給だけでなく、昇格や昇任(係員→係長、書記官→主任書記官など)にも活用されることになります。
 一方で、人事評価制度の具体的な運用はこれからです。人事評価結果の活用など、各庁当局の権限に属する事項も多いことから、地連・支部でのとりくみが重要となります。したがって、人事評価制度の内容を組合役員はもとより、組合員全体で理解することが必要です。そのうえで職場実態をふまえた運用をさせていくことが重要です。
 労働組合としては、人事評価制度に関する組合員の理解を深めるとともに、個々の組合員が評価結果を把握できるための方策を講じる必要があります。
 そのうえで、組合員が仕事や生活などに不安を抱いた際の「駆け込み寺」としての役割を果たすことが求められています。

講義3 国公共済会の優位性を確信に

 冒頭、「共済とは、共同して助け合うこと、組合員みんなが力を合わせて、困っている仲間に手を差し伸べること」と強調され、国公共済会は、憲法と労働組合法に根拠を持つ事業であることが述べられました。その上で、東日本大震災に対しても迅速に対応し、地震見舞金の早期支払いや、罹災証明書について、役場が機能していない状況に鑑み、津波で全流失となった家屋については所属単位共済会の代表者の証明で対応するなど、その真価を発揮したことを紹介し、国公共済会の存在意義があらためて明らかになったことを強調しました。
 また、公務員賃下げが続く中、国公共済会に加入することで、少しでも可処分所得を増やせること、運営は、民主・公平・公開・原価・連帯の5原則を徹底し、安定した運営と健全な財政状況になっていることを強調されました。
 国公共済会は、組合員とその家族だけが加入でき、活動を通じて、組合への団結が強まること、活動そのものが組合活動であることから組織強化にも繋がること、とりわけ還元金が機関の財政を支えることにも繋がることから、組合財政にも十分寄与することなどが語られました。
 
ページの先頭へ
 
司法制度研究集会・中央労働学校に参加して
 

司研集会

【報告(1):司法改革により裁判所はどう変わったか】

○司法改革の沿革が知れたのが良かったです。現状に目を向けるのはもちろん大事ですが、歴史から学ぶ必要性を大いに感じました。
○司法制度改革の流れを分かりやすく説明していただき、全司法の歴史についても知らないといけないと感じました。
○司法制度改革「以後」の見方や今後について整理できない状態でいましたが、流れがよく分かりました。今後の運動の筋道を立てる上で、参考になりました。○日弁連が裁判所の人的・物的充実について、ここまで具体的に主張していることを知りませんでした。この点については、全司法大運動の追い風になることなので、教宣紙等を使って組合員にも積極的に伝えたいです。

【報告(2):外部から見た裁判所について】

○司法書士の実態や外部から裁判所がどう見られているかの話を直接聞く機会がなかったので、詳しく聞けて良かったです。
○裁判所の内部にいると気づけないことや、忘れがちな「初心」を改めて見つめ直す機会になったと思います。
○司法書士の立場から見た裁判所のお話しは、普段意識していなかったところなので参考になりました。
○裁判所の人員の充実は国民の利益につながっているということを知ることができ、労働組合の活動は国民の利益を守ることに繋がることを再認識しました。

労働学校

【講議(1):労働基本権の活用と今後の課題について】

○協約締結権を実効的に活用するためには、質を高めながら組織を拡大することが重要だと感じました。
○経験に基づいて話をしていただいたので、分かりやすかったです。さらに学習を深めて団結を強めなければならないと思いました。
○今後の課題について認識することができました。組合を強く大きくしていく必要性を強く感じました。
○現在の法案の具体的な問題点がよく理解できました。「徹底した学習」が必要だと思いました。

【講議(2):人事評価制度の概要と労働組合の役割】

○評価制度について理解が深まりました。今後はこの制度を良くするため、組合としての提言をどんどんしていくべきです。
○人事評価は職員にとって関心が高く、重要なものなので、組合員に還元していきたいです。
○本格的に昇任や昇給といったものに利用されることになるこれからは、大変重要な時期なので、しっかりと注視していきたいです。
○評価結果の開示を求めて、当局の運用状況をチェックしていく必要があることを感じました。

【講議(3):国公共済会の加入促進のために】

○加入者拡大が組織拡大につながるので、しっかりPRしていきたいです。
○みんなで支えあうことの大切さを再認識できました。
○団結と連帯が深まる良い制度だということがよく伝わりました。組合員を増やす「組織拡大」とともに、加入促進もとりくんでいきます。

参加しての感想

○全国の仲間とふれあう機会があっていいこだと思います。全国の支部も組織強化にとりくみ、ともに頑張りましょう。
○今後もこのような学習の機会をたくさん設けていただければ、よりよいと思いました。
○全体的に講義内容も充実していたので、時間が少なくかけ足となった部分があったので、もったいない気がしました。
 
ページの先頭へ
 
7000人集結!雇用を増やし、賃上げで景気回復を!
 
 2月10日、全労連・国民春闘共闘などでつくる実行委員会が主催する「2・10中央総行動」が展開され、「TPP参加・消費税増税を許すな!なくせ貧困、住民本位の震災復興を!」をスローガンに、労働組合や民主団体などから7000人が結集。全司法からは東京地連、管内支部及び近畿地連の仲間45人が参加しました。
 
ページの先頭へ
 
トヨタ総行動に1000人が参加
 

消費税還付が2100億円も


【愛知支部発】
 トヨタ自動車に大企業の社会的責任を果たすよう求める第33回「トヨタ総行動」が2月11日に行われました。
 愛知県労働組合総連合(愛労連)などでつくる実行委員会の主催で、豊田市内の矢作川河川敷公園で開かれた決起集会には約1000人が参加し、全司法からは、門田本部委員長、中部地連をはじめ、愛知支部7名、岐阜支部3名、三重支部1名が結集しました。
 実行委員長の榑松愛労連議長はあいさつで、「輸出大企業には消費税分が“輸出戻し税”として戻り、トヨタの2009年分の還付は2106億円。消費税が10%に増税されれば戻し税は4000億円を超える。消費税を下請けに押しつけてきたトヨタが、さらに優遇されるのが消費税増税だ」と批判し、「消費税分を下請け単価の切り下げで乗り切るなどトヨタの身勝手さを告発し、利益をため込む内部留保の還元を求めよう」と呼びかけました。
 集会後、市内の繁華街をデモ行進し、「トヨタは社会的責任を果たせ!」と市民にアピールしました。
 午前中には、名古屋駅前のトヨタビル周辺で宣伝ビラ配布行動が実施され愛知支部からも8名が参加しました。
 集会を通して、トヨタの連結内部留保は13兆8630億円であり、がっぽり儲けを蓄えながら、さらに下請けをいじめ、社会に還元しないトヨタの理不尽な姿勢が浮き彫りとなりました。
 
 
ページの先頭へ