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  トップページ > 全司法新聞 > 2012年1月 > 2142号
 
全司法新聞
 
『総対話と学習、全員結集、地域共同で「目に見え、音が聞こえる」春闘を展開しよう!』
 
 12春闘がはじまりました。全司法は、職場・地域で、「雇用と仕事の確保、賃上げ、社会保障拡充で、内需中心の経済、震災復興を」の12春闘スローガンが組合員一人ひとりの確信として広がるように、「総対話と学習、全員結集、地域共同」を合言葉にとりくみをすすめ、「内需中心の景気回復と震災復興を」の国民世論を構築するための諸行動に結集し、「目に見え、音が聞こえる」春闘行動を展開します。

内需中心の景気回復と震災復興を

 政府は、製造業・登録型派遣の原則禁止規定の削除や日雇い派遣規制の緩和などを内容とする労働者派遣法「改正」案、年金の削減や介護保険の利用者負担増など社会保障のあらゆる分野を段階的・連続的に改悪することを目論んでいます。それと合わせて、消費税率を引き上げを盛り込んだ「社会保障と税の一体改革」など、財界が求める「構造改革」路線を一気に押しすすめようとしています。
 しかし、国民が求めているものは、雇用の確保、賃金の改善、社会保障の充実など生活の安定です。
 民間労働者の平均年収は約412万円(男性507万円、女性269万円)と若干の改善の兆しがあるものの、ピーク時の1997年から53万円も低い水準であり、年収200万円以下の労働者は依然として1000万人を超え、高い水準となっています。
 非正規労働者は全労働者の35・4%(1717万人)にまで増加し、非正規労働者を対象に行った調査では、4人に3人が年収200万円以下で、半数近い45%が仕事に対して「不満」と答えており、不安定な働き方が仕事の満足を得られない大きな要因であることが明らかとなりました。
 2011年10月の就業者数は前年同月比で22万人減少、完全失業者数は288万人と同46万人減少していますが、「就業を希望するが求職活動をしていない人」(潜在失業者)が469万人に上っており、リーマン・ショック後の461万人を上回っている状況です。

すべての労働者の賃上げと格差解消を

 一方、資本金10億円以上の大企業は、リーマンショック(2008年9月)後の景気後退の中でも内部留保を増やし続けており、その額は266兆円に達しています。内部留保が増加しているのは、安上がりな労働力としての非正規労働者の増加と法人税の引下げをはじめとする租税特別措置による減免がその要因です。
 国公労連の試算によると、内部留保の1%を雇用に回せば1000人以上(年収300万円で一年間)の雇用確保が可能であり、月1万円の賃上げを行うために必要な内部留保の取り崩しは、3%にも達しません。
 このように、新自由主義的な「構造改革」路線への回帰によって格差と貧困は解消するどころか広がりつつあります。
 すべての労働者の賃金と労働条件の底上げを重点に、公務・民間一体となって、最低賃金の大幅改善をはじめ大企業の社会的責任(内部留保の社会的な還元)を追及する行動や、国や自治体が行う公共工事や委託事業について、事業に従事する労働者の適正な賃金および労働条件の確保に向けた公契約法・条例の制定等を求める運動に参加することが求められます。

国民共同の運動を

 東日本大震災の復旧・復興を通じて公務・公共サービスの重要性が浮き彫りとなりました。このような状況のもとで行われる、12春闘は反転攻勢のチャンスともいえます。
 一方、「地域主権改革」を口実として公務・公共サービスが破壊されようとしています。今こそ、組合員一人ひとりが自らの仕事、地域社会や国民との関わりを見つめ直し、自らの言葉で語り、国民の信頼を高めていくことが重要です。
 マスコミによる言われなき公務員バッシングをはじめとした社会的な力関係を変えるためには、国民共同の運動を発展させ、憲法をくらしと行政にいかす「21世紀国公大運動」と「国民のための裁判所」実現をめざす「全司法大運動」を結合させ、国民との対話を重視するとりくみを旺盛に実践し、国民本位の行財政・司法の確立をめざすとりくみをすすめることが求められています。
 全労連および国公労連の春闘方針の下、12春闘スローガンを組合員一人ひとりの確信とし、「総対話と学習、全員結集、地域共同」を合言葉に、「目に見え、音が聞こえる」春闘行動を展開していきましょう。
 
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2012年度予算案の概要が明らかに
 
 最高裁当局は、12月27日、全司法に対し、2012年度予算案の概要について明らかにしました。予算総額は、3150億2900万円と対前年度比率で約1・6%減少していますが、裁判所の体制を維持していく政策経費については概ね要求が認められたものとなっています。「東日本大震災からの復旧・復興枠」については、裁判所庁舎の耐震化による司法基盤強化として、被災地域の庁舎耐震改修のための経費が認められました。
 職場においては、司法制度改革の流れの中で導入された各種制度が実施・運用段階に入っており、これらの制度を定着させ、より実効性のあるものにするため、人的態勢の充実が求められています。また、適正・迅速な裁判の実現と国民の期待と信頼に応える裁判所の実現という観点からも、家庭裁判所(成年後見関係事件などの家事部門)をはじめとする繁忙な職場実態を解消することが必要です。
 引き続き、国民世論を動かす全司法大運動のとりくみや職場総点検・要求組織運動など職場からの運動の成果に確信を持ち、職場に依拠したとりくみを強めていきましょう。
 4月期に向けて、各庁段階で具体的な人員配置が行われていくことになります。特に家事部門は、適正・迅速な事務処理のために必要な人的手当てがなされることが予想されます。また、裁判員裁判は、否認事件や重大事件などの複雑・困難な事件が継続していることから、引き続く「万全の態勢整備」を求めていくことが必要です。
 各級機関において、職場の実情に見合ったきめ細かな人員配置をさせるよう、各庁当局に対する追及を強めることが求められます。
 
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2012要求アンケート
震災復興を望む声、公務員賃下げを許さない声が圧倒的!
 
 2012年要求アンケート調査の結果では、公務員の「賃下げ法案」に対する怒りが顕著なこと、将来の雇用や健康不安などが高まっていることが明らかとなりました。また、東日本大震災の復興と原発事故の被害賠償を求める要求が圧倒的であることが特徴です。
 集約数は、2790名分で組合員の4割弱でした。
 全司法は、国公労連提起の「給与臨時特例法案」を撤回させ平均月額1万円引き上げなどを内容とする「2012年統一要求案」(方針案送付済)について、全司法第72回中央委員会での議論を経て、国公労連第138回拡大中央委員会で討議・決定した同要求案に基づき、公務産別のたたかいに結集するとともに3月の最高裁交渉(給与課長・人事局長)に臨みます。

アンケート結果の分析

■生活実感と雇用不安、賃上げ要求

 生活実感では、「かなり苦しい」、「やや苦しい」を合わせて53・8%(昨年49・9%)で、昨年を3・9ポイント上回り半数を超えました。また、社保庁の不当な分限免職などを契機に新たに設問された将来の雇用不安については、「強く感じている」と「感じている」を合わせて55・6%に達しています。
 このような生活や将来への不安が高まる中、賃上げ要求では、「現状維持(これ以上の賃下げを許さない)」が31・1%となり、「月額1万円要求(23・1%)」を初めて逆転しました。これは政府・マスコミによる公務員バッシングの影響を受けたものと考えられます。
 各指標は昨年より低下し、加重平均12424円、中位数8728円、3分の2ライン3490円でした。

■職場状況と働き方、健康

 職場で気に掛かる第1は「国民からのプレッシャーが強まっている」50・2%、第2に「メンタルなど長期病休者が増えている」39・3%、第3に「業務量および残業が増えている」22・8%、「コミュニケーションがとりにくくなった」21・2%となっています。
 また、働き方と健康の不安は、「強く感じる」と「やや感じる」を合わせて39・4%となっており、当事者・国民からの期待や要望、法改正等に伴う業務量増がもたらす結果と考えられます。さらに、メンタル疾患が依然として多いと感じていることも明らかとなりました。

■原子力発電について

 東日本大震災に伴う東電福島第一原発事故の収束の見通しが立たない中、原子力発電に関する設問では、「徐々に減らして将来はなくす」56・4%、「できるだけ早くなくす」28・1%であり、4分の3以上の大多数が原発廃止への意向を示していることがわかりました。

■政府に対する要求(5つ選択)

 政府への要求では、1番目が「震災復興、原発事故損害賠償」62・0%、2番目に「公務員賃下げ阻止、公共サービス切捨等反対」55・4%、3番目に「年金改善と最低保障年金制度の確立」53・5%、4番目に「医療、介護・福祉、保育の制度改善」51・4%、5番目に「景気対策、投機マネー規制」50・3%と続いています。
 今回の結果は、東日本大震災からの復興とその中で明らかとなった様々な社会問題の解決を求める要求が多いのが特徴です。とりわけ、復興財源を名目とする憲法違反の「賃下げ法案」の国会提出という社会状況を反映した要求アンケート結果だったと総括できます。とくに自由意見が1割もの方から寄せられ、その約半数(46・6%)が賃下げに強く反対しています。

 以上、本アンケート結果は、被災者本意の復興、全労働者の賃上げ・雇用確保などを求める国公労連2012春闘の重点課題と組合員の要求が一致している内容といえます。また、組合に対する期待が従前にも増して大きく、全司法組織の強化・拡大が不可欠であることが明らかとなりました。
 
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司研集会と労働学校開催のお知らせ
 
 2月12〜13日、第38回全国司研集会(隔年開催)と第18回中央労働学校をそれぞれ開催し、司法制度改革後の裁判所の現状や人事評価制度の運用などの制度課題・労働基本権等について討議・学習を行う予定です。
 
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