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  トップページ > 全司法新聞 > 2011年12月 > 2140号
 
全司法新聞
 
 
賃下げ法案の趣旨説明すら許さず
職場・地域から、そして中央で奮闘
 
 国家公務員の給与を月平均7・8%、一時金10%削減することを内容とした給与臨時特例法案は、12月9日の臨時国会が閉会したことから、同法案は、来年1月から開催される通常国会へと審議が持ち越しになりました。

 野田内閣は10月28日、本年人事院勧告の実施を見送り、国家公務員の給与を平均7・8%引き下げる給与臨時特例法案の早期成立をめざすとの閣議決定を行いました。
 全司法は、国公労連に結集し、憲法違反の賃下げ法案の廃案にむけて、国会議員要請行動や地域宣伝行動にとりくんできました。11月に入り、総務委員会での審議入りが予想されたことから、11月22日から12月8日までの6回(衆・参総務委員会が開催される毎週火・木曜日)にわたり、国会前座り込み行動と昼休みの国会前集会に参加しました。
 行動参加者は、のべ1、180人で、全司法からも、在京支部・東京地連を中心に、座り込みや昼休みの集会に参加しました。
 この間給与臨時特例法案の廃案に向けて、2波にわたる昼休み職大に結集し、決議文の送付、総務委員の地元事務所への要請など、職場からのたたかいを展開しました。また、県国公をはじめとした地方での宣伝・要請行動などにも全司法の仲間が参加してきました。11月10日の中央行動や国会前行動には全国のたたかいを集約しながらとりくみを強化してきました。
 国会では、自民党・西田参議院議員は、国家公務員給与の1割削減が、(1)日本経済にさらなるデフレの影響をおよぼすこと、(2)労働基本権が制約されているもとで違法行為であること、(3)公務員の士気を低下させるものであること等をきびしく指摘する質問を行っています。また、民主党・姫井参議院議員は(11月22日の国会前行動)、「公務員人件費2割削減のマニフェストは現場の最前線で奮闘する公務労働者の賃下げでなく、無駄の見直しなど構造的な観点でとりくむべき課題だと考えている。取りやすいところから取るという姿勢ではいけない。震災の復旧・復興をはじめ国家公務員の奮闘に心から敬意を表する。ともにがんばろう」と述べました。
 こうしたねばり強いたたかいの結果、臨時国会で法案の趣旨説明さえ許しませんでした。
 このことは、師走に入り寒風雨の中でも、最後まで手を緩めることなく、全労連公務部会・国公労連に結集し、緊急打電行動や、地元議員要請行動など、全国の仲間と一体となって果敢にたたかってきた成果だと言えます。
 法案は継続審議となり、来年1月開会予定の通常国会へと持ち越しとなりましたが、公務員賃下げ法案を廃案に追い込むため、引き続くたたかいの継続が求められています。
 
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安心社会をめざす大運動 国民春闘討論集会を開催
 
 12月2日全労連・国民春闘共闘会議主催による「国民春闘討論集会」が開催されました。

 冒頭、国民春闘共闘の大黒代表から主催者あいさつがあり、大企業が横暴を極め、内部留保を莫大に溜め込んでいること、その金余り現象を中小企業へ還元し、労働者の賃上げに繋げていく運動が重要であること、「構造改革」へ回帰する野田政権に対して、枠を超えた共同が拡大し、情勢が大きく変化していることなどが強調されました。
 春闘方針の提案に立った小田川事務局長は、「構造改革」路線回帰・強化へどう対応していくか、分岐点に立った討論が重要であるとして、「99%の怒りを結集するため、対抗軸を明確化すること、デフレ進行の中で、年金改悪や賃下げを許さず、内需拡大に向けてたたたかうことが重要課題になっているが、現状は労働者の賃金低下に歯止めがかかっておらず、不安定雇用が拡大しているなどの労働者の現状とたたかいについて提起されました。それを受け、全体討論が行われました。
 討論では、要求組織が重要であり、職場から要求が確立すると、組合員は大きく結集してくれることや、交渉の中で、経営者と情報交換を密にして、売り上げや商品価格設定など提言・提案型のとりくみをおこなっていることなどが報告されました。
 また、派遣切りなどの使用者の横暴とたたかい、首切りを撤回させた成果や非正規労働者の賃上げを実現した貴重な運動の成果の報告がありました。
 国公労連からも「賃下げ法案」撤回に向け、官民一体となった国民春闘を構築することの決意表明がなされました。
 最後に、小田川事務局長が討論のまとめとして、「99%の人々が世界中で立ち上がっている。全労連・国民春闘も3月14日の第1次集中回答日に向けて、新春宣伝行動や中央行動の成功をはじめ、雇用確保と賃上げなどによる『安心社会をめざす大運動』にとりくんでいこう」と呼びかけ、全体で確認した後、団結ガンバローで集会を締めくくりました。
 
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必要な人員確保に引き続き努力していく 12月8日人事局長交渉
  全司法本部は、12月8日に最高裁安浪人事局長との交渉を実施し、増員、賃金改善等、超勤縮減・健康管理、労働基本権、人事評価制度、定年延長、職員制度、権利、昇格などの各課題について最高裁を追及しました。

増  員

 増員について、「東日本大震災の復興対策などで国の財政事情がひっ迫し、これまでになく極めて厳しい折衝となっている」との事情を説明したうえで、「事件数動向、職場の業務量など多種多様な要因を総合的に考慮し、必要な人員確保に引き続き努力していきたい」との基本姿勢を示しました。また、東日本大震災に伴う人的手当は「被災地の司法ニーズや事件動向、事務処理状況を総合的に考慮して、必要な態勢整備を検討していきたい」と回答しました。
 後見制度支援信託
 「後見制度支援信託は新しい運用であるため、研修等のあらゆる機会を通じて職員への周知がされていくものと考えているが、さらに必要な資料を準備できないか検討しているところである。今後も、新たな運用を導入する際や事務処理方法を大幅に変更する際には、職員への周知の方法等を工夫していきたい」と回答しました。

超勤縮減・健康管理

 超勤縮減については、「組織全体として超勤縮減にとりくむ必要がある」としたうえで、「年休を取得しやすい環境整備やサービス残業・持ち帰り仕事が生じることがないよう、よりいっそう下級裁を指導したい」と回答しました。

T情報システム

 ワードへの移行をより円滑にすすめるため、12月中旬から半年間、ヘルプデスクを設置することを明らかにしました。
 公務員制度全般
 公務員の労働基本権、新たな人事評価制度の運用、定年延長の各課題について、いずれも「職員および職員団体と誠実に対応していきたい」と回答しました。

職員制度

 家裁調査官の育成のための新たな施策について、「現時点で説明できるものは説明したが、今後も誠実に対応するとともに、職場・職員の不安を払拭するよう十分に配慮したい」との姿勢を示しました。また、養成については、「職員団体の意見等も踏まえ、検討のうえあらためて要綱を示したい」と回答しました。
 営繕技官については、他の職種と同様の意識啓発型等の研修への参加を検討していると回答しました。

育休代替要員確保

 家裁調査官の代替要員について、本年度から正規職員による補充が始まったことを受けて、庁規模緩和を要求しました。これに対し、「さらに正規補充数を増加させることができないか検討している」と回答しました。

昇  格

 財務当局との折衝が「大詰めの段階にある」と説明したうえで、「これまでと比較にならないほど厳しい状況であるが、考え得るあらゆる理由付けを持ち出して、粘り強く、全力で、定数の維持、確保に向けた折衝を行っている」と、引き続き最大限の努力を続けていきたいとの考えを示しました。

資料課組織見直し

 資料課廃止に伴う組織見直しについて、「今後とも法令等に基づき誠実な対応をしていきたいと考えており、引き続き下級裁当局に対してもその指導を徹底していきたい」と回答しました。
 
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家裁の繁忙がさらに高まる中、態勢の充実が急務
地連書記官担当者会議と上京団交渉
 
 12月4日・5日、地連書記官担当者会議を開催し、各地連から担当者など11名の書記官が結集しました。

 会議の冒頭において、今後、裁判所書記官の仕事が増加することが予想される一方、非常に厳しい国家財政にあるという情勢を踏まえ、増員要求とともに業務の改善要求を2つの柱として求めていくことを確認しました。
 各地連からは、全国の職場の繁忙状況や事務の効率化・簡素化の工夫、書記官の職務評価の向上や昇格要求、当直に関する問題や要望等、現場での書記官の生の声が報告されました。
 近年、国民の権利意識の高まりなどにより、各職場はいずれも繁忙な状況にあります。
 家事部については、全ての地連から繁忙な職場実態の報告がありました。とりわけ家裁支部では、限られた人員で担当する事件の種類も多く、かつ相談できる人も周囲に限られており、その負担はより大きいものがあります。裁判官・書記官の増員要求のみならず、家裁支部へ応援態勢の整備や家裁支部への人事異動のあり方などについて様々な意見が出されました。
 民事通常訴訟については、全体として以前ほどの繁忙実態は解消されつつあるものの、庁によっては依然として繁忙な職場実態にあることが報告されました。また、労働審判事件の増加も報告されました。
 裁判員裁判については、一部の庁における合議体削減の報告がありました。その他刑事部における報告事務の負担感が述べられました。
 書記官事務の効率化・簡素化については、様々な案が出されました。日直における勾留事務の改善、渉外事件執務資料の整備、ワード書式の配布、MINTASのレスポンス改善要求等、各地連から積極的な発言がありました。また、書記官の昇格、とりわけ書記官ヒラ6級昇格の到達点の維持、裁判部門のポスト増設、育休代替要員の確保等についても要求が出されました。
 5日の午後は、最高裁給与課長との書記官上京団交渉を実施し、交渉の席上では、事務の簡素化・合理化に向け積極的な提案はいつつ、繁忙な職場実態の解消に向けた当局の努力姿勢を追及しました。
 
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賃下げと社会保障の充実が重要 国公労連中央労働学校
 
 12月7日に本部役員を対象とした国公労連中央労働学校が開催されました。

 冒頭、宮垣学校長(国公労連委員長)あいさつの後、第1講義で風間直樹氏(週刊東洋経済記者)が「雇用融解‐非正規労働の現状」というテーマで講演しました。「2008年のリーマンショック後年末の派遣村などによって、労働派遣法の改正が叫ばれ、民主党政権は不十分ながらも法案を提出したが、結局、三党合意で腰砕けにされて今国会で成立させようとしている」と報告がありました。「財界は、日本の労働法制(労働者派遣法など)による規制が強いから、韓国のヒュンダイに競争で負けていると言っているが、実際は韓国のほうが規制は強く、労働組合の運動も激しい」と指摘したうえで、その要因は製品のクオリティにあると分かりやすく説明しました。また、「原発労働者は7、8次下請けで多額のピンハネがされ、3・11後もあまり変わっていない」と自らの取材をもとに告発しました。その話す内容には説得力があり、参加者からはいい勉強になったと大変に好評でした。
 第2講義では、「大震災後の日本経済‐経済、財政、生活の再建のために」と題して、山家悠紀夫氏(暮らしと経済研究室主宰)が講演しました。同氏は、野田政権が打ち出した経済政策は間違いだらけであると批判したうえで、今、必要なことは労働者の賃金を上げることであり、社会保障制度を充実させることだ」と指摘しました。また、「社会保障と税の一体改革」は、消費税などの庶民増税と社会保障費の削減となっており、庶民の暮らしは悪くなる一方であると報告しました。グラフや政府統計などを示しながらの講演で、大変に分かりやすい内容でした。
 2つの講演を受けて行われた分散会では、国公産別運動の当面する課題と結びつけ行われ、2つの講義内容の理解を深めました。
 
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