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全司法新聞
 
全司法第64回定期大会開く
 職場に根をはり信頼される活動を
 

 全司法は7月22日〜24日、静岡県伊東市において、第64回定期大会を開催しました。大会は「職場に根を張り、全司法を大きく、強く」をメインスローガンに、代議員・オブザーバー・本部役員・来賓など約140名が参加しました。大会では、のべ106名が発言し、安倍首相の暴走政治や憲法改悪を許さないたたかい、格差と貧困をどう打開するかなどの情勢、国民のための裁判所をめざすとりくみ、諸要求の実現と労働条件改善、職場に根ざしたとりくみで組織を拡大・強化すること、全司法の運動と財政基盤の確立など、真剣で活発な討論が展開されました。

 万全の態勢整備
 大会には、来賓として、国公労連山瀬徳行副委員長、全法務岩波薫委員長、石山光信裁退連会長が出席され、あいさつをうけました。
 討論の特徴として、暴走し続ける安倍政権が引き起こす格差と貧困の深刻化、国民生活破壊と公共サービス破壊、公務員総人件費削減と公務員バッシング、大増税、憲法改悪、在日米軍再編など、私たちがおかれている情勢をどうとらえどう打開していくかの発言が多く出されました。
 裁判員制度実施まであと2年を切った中で、職場から万全の態勢整備を求める声が沸き上がっており、概算要求と秋のたたかいの重要性が強調されました。
 家裁家事受付では要員不足で残業が恒常化し、昼休みもとれず働き続け、職場が疲弊しているなど、各地の職場実態が赤裸々に報告されました。
 今年の人勧に向け、労働時間短縮のために国公労連への結集をより強化すること、全司法大運動をどう発展させるか、新たな評価制度に対する対応、メンタルヘルスを中心とする健康破壊の広がりにどう対処していくか、7・18プレート行動の総括など、たたかいの教訓と今後の課題が明確となりました。
 きめ細かい要求組織、役員選考の見直し、教宣活動の強化など、組織拡大・強化方針であるJOプランをしっかりと具体化し実行している支部が減員をくい止めているなど、「職場に根をはった、信頼される労働組合」を作るための意思統一がなされました。
 運動方針等に対しては、1支部代議員から1本、財政方針等に対しては、4支部代議員から8本の修正案が提出され、大会討議をうけ本部は、組合費150円引き上げの当初提案を修正し50円の引き上げに変更するとともに、制度改革特別闘争会計500円の臨時徴収をしないこととする修正提案を行いました。
 採決では、本部提案の運動方針案、予算案を賛成多数で可決し、新執行部を選出しました。
 坊農書記長が退任し、新しい本部専従として、新書記長に牧山利春氏(福岡)、新書記次長に田邉理弘氏(大阪)が選出されました。
 最終日には、永年組合員表彰、全司法大運動署名表彰、第26回全司法機関紙コンクール表彰が行われました。

 
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人勧期7・25中央行動
 

73名が参加
 公務員賃金の改善と労働時間の短縮、非常勤職員の休暇制度等の労働条件の改善を掲げ、公務労組連絡会・国公労連等が主催する「7・25夏季闘争第2次中央行動」が、第64回定期大会終了日翌日の7月25日に実施され、人事院及び各省庁への要求・要請行動、署名提出行動等を展開しました。また、同中央行動は、全労連・国民春闘共闘等が主催する「最賃デー」のとりくみ(全国一律最低賃金制度の確立と時給1000円以上への引き上げを求めるとりくみ)と共同して開催され、全体で2000名を超える仲間が結集し、官民共同のとりくみが広がりました。全司法からは、全国大会からの引き続く参加を中心に、73名(国公労連1000名)の仲間が結集しました。
 全司法参加者は、真夏の強い日差しが照りつけるもと、公務労組連絡会作成の「要求うちわ」で暑さを吹き飛ばしながら、日比谷野音の「公務員賃金・最低賃金改善7・25総決起集会」を皮切りに、最賃引上げと人勧期要求の実現をめざす人事院・厚生労働省前行動、総人件費削減に反対する総務省前要求行動に結集しました。その後、日比谷〜有楽町〜銀座〜東京駅まで、「公務員賃金改善、最低賃金引上げ」等の課題を掲げてデモ行進を行い、1日の行動を終えました。

 
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石橋委員長挨拶
 

 暴走に暴走を繰り返す安倍内閣は大変危険な内閣です。
 第1に、歴代首相として初の改憲公約を掲げ、「憲法改正を必ず政治日程にのせていく」とのべ、公約で2010年までに「憲法改正の発議をめざす」ことを宣言しました。
 第2に、たった9カ月の間に3閣僚が辞任や交代し、2閣僚を罷免せずかばい続けており、首相の任命責任が厳しく問われます。
 第3に、通常国会だけでも20回の強行採決を繰り返し、数の暴力により議会制民主主義を破壊しました。
 参院選後は、集団自衛権の容認、消費税増税、ホワイトカラーエグゼンプションの導入、公務員制度改革基本法などが狙われています。
 これ以上、安倍政権の破壊と暴走を許さない国民運動が求められています。
 憲法改悪への暴走を止めなければなりません。改憲のための手続法である国民投票法案の採決を強行し、可決・成立させた暴挙に、怒りを込めて抗議するものです。
 重要なことは、9条を焦点として、憲法「改正」に反対する国民の過半数を展望した多数派を形成していく運動を強めることです。
 改憲をめぐるたたかいは第2ステージに入りました。当面する目標は、第1に、付帯決議を実行させ法律を公平なものに変えさせるたたかい、第2に、国会の憲法審査会の調査検討を許さないたたかい、第3に、憲法改悪の発議を許さないたたかいであり、広範な国民と連帯し、職場・地域で奮闘することを呼びかけます。
 いよいよ裁判員制度の実施まで2年を切りました。具体的な運用や訟廷組織の見直しをはじめとする組織態勢の整備、事務局も含めた刑事部を中心とする職場の態勢や人員配置をどうするのか、訴訟記録のあり方をどうするのかなど、解決すべき多くの課題が今なおあり、差し迫った職場状況をにらんで、秋年闘争に向け、地連・支部の職場でのたたかいの具体化と押し上げがカギです。
 全司法は2次にわたるJOプランを策定し、組織体力の基礎であり土台というべき日常活動と組織運営力の改善・強化を呼びかけてきました。
 労働組合として当たり前の活動である、職場での話し合い、要求の組織と解決への努力、新聞を出し労働組合の姿を見せる、そのような基本的で地道な取り組みによって、心が通い、職場に根をはった労働組合として信頼されるようになり、仲間が増えます。奮闘を呼びかけます。

 
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主な討論
 情勢・憲法等、組織
 

憲法等
なぜ憲法をまもるのか
労働条件のたたかい

 情勢討論では、参議院選挙投票日を1週間後に控えた中で、例年以上の深い討論がなされました。
 小泉・安倍政権がすすめる新自由主義・構造改革によって、労働者の非正規化がすすみ、格差と貧困が拡大していること、労働者の賃金が低く抑えられ、その分の利益を役員や株主が分け合っていること等社会の矛盾が広がっていること、アメリカの言いなりでホワイトカラーエグゼンプションなど労働法制がさらに改悪されようとしていること、財界が経済財政正問会議などを利用して政治を思い通りに操っていることなど、現在の政治経済情勢の根本原因を指摘する発言が相次ぎました(福岡・岩手・大分・青森)。
 そして、「大企業は減税し国民へは増税」の流れを止める上でも、参議院選挙が重要な意味をもつことが強調されました。
 たたかいの展望に関わっては、国民の連帯が重要であり、「国民と共にたたかうこと、職場に根ざした活動」が大切と指摘されました(大阪)。
 憲法をめぐる情勢では、5月14日国民投票法が成立したことをふまえて、改憲が現実味を帯びてきたことから、職場9条の会を軸にとりくみを強めていくべきことが強調され、学習会やニュースの発行など、この間のとりくみも紹介されました(大阪、東京地裁)。
 参議院選挙の真の争点は憲法であり、憲法を守る立場から、参議院選挙の重要性を指摘する発言(大分、東京地裁)がありました。
 また、「靖国派」と呼ばれる「日本会議」の実態と、その会員議員がほとんどを占める安倍内閣の危険性が強調されました(岩手)。
 他方、憲法や平和のとりくみについて、組合員の中にも温度差があること、意見広告カンパのとりくみを通じて、職場から厳しい意見が出されたことなど、労働組合がなぜ憲法を守るたたかいをするのか、改めて問われているとの意見が出されました(札幌)。
 一方、「若い人たちは敬遠しがちで苦労したが、どうしてこのとりくみが必要かなど、職場での対話で乗り越えていった」との発言もありました(福岡)。
 憲法、平和と民主主義を守るたたかいは、「労働条件を守り、要求を実現させていく」たたかいであることを改めて確認する必要性が指摘されました。

組織
組合の姿の見える活動を
当たり前の活動、しっかり実践

 組織強化・拡大では、「組織率低下に歯止めをかけるため、JOプランをもとにすべての機関でできることを実践しよう」と9名の代議員が発言しました。
 「組合の姿が見えないとの反省から分会役員がすべての職場にオルグに入った。当局との交渉後の報告会も行った結果、長期未加入者が加入するなど増勢になった。」(福岡)、「これまでの活動を総点検して再出発する視点が必要。」(札幌)、「組織運営の改善のため、少ない予算で高い効果を上げる工夫が要る。司研集会をどんな内容でやるのか早急に検討を。」(宮城)、「最大の山場である諸要求貫徹闘争期の総括が示せるような時期に全国大会の日程を組んだらどうか。」(岩手)、「組織拡大に向けて新採100%加入を追求し、8名中6名加入した。その一方で脱退も続いたので、管内オルグや昼食会を催し、懸命に慰留に努めている。粘り強く基本的なことをやり続けるしかない。」(福岡)「危機的状況をどう打開するかと考えるが、重点支部を特定して本部主導による長期的な組織オルグ等はできないか。」(青森)、「新採100%加入を果たしているが、支部独自の勧誘パンフを作成したり、前年に加入した直近の先輩に配布させるなど、親しみやすい工夫を凝らしている。教宣もタイミングのよい発行を心がけている。」(三重)、「独自アンケートで職場の要求をつかみ、交渉につなげた。また、職場オルグを重ね、役選方法の改善もはかるなど、JOプランに基づく組織運営の改善に努めた結果、新採100%加入を達成し、組織も活性化しつつある。当たり前のことをしっかり実践していくことが大事だ。」(大分)「未加入者にも声をかけ、つながりを持ったことが加入に結びついた」(福岡)など各級機関の役割をふまえ、拡大運動に力を尽くすことが確認されました。

憲法と平和を守る運動を発展させる決議
 国民投票法は、9条をはじめとする日本国憲法の基本原則を覆すものである。
 私たちは主権者・司法労働者として、日本国憲法の歴史的・世界的な輝きに確信を深め、守り抜く一点で広範な国民と連帯し、努力を尽くすものである。

裁判員制度にむけ「万全の態勢整備」を求める決議
 裁判員制度導入は、待ったなしの状態にあり、「万全の態勢整備」が緊急の課題である。私たちは、引き続き、いっそうの運動を展開していくものである。

国公法「改正」法に抗議し、労働基本権の回復を求める決議(案)
 財界による行政乗っ取りに反対し、公務の公正・中立性を維持するため、公務員制度改革の問題点を国民的に明らかするとともに、国民のための司法サービスの拡充、労働基本権の回復にむけて、国公労連に結集して奮闘する決意である。

 
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主な討論
 司法制度、諸要求等、賃金
 青年協報告
 

司法制度
失敗は許されぬ
大運動で市民と連携

 全司法大運動については、「衆参両院での12年連続の請願採択を得たものの、署名数は過去最低の昨年をわずかに下回り、とりくみをあらためて総括する必要がある」との方針案を受けて討論し、「裁判員制度への市民の関心・知識はまだ不十分で、とりくみ強化が急務であるが、マンネリ化の問題もある。街頭宣伝にも労力を割き、組合員を引きつけるような運動提起が必要」(福岡)との補強意見がありました。
 司法制度改革、特に裁判員制度施行に関しては、5人の発言があり、「裁判部への人的配置、事務マニュアル作成状況等について、最高裁に開示させる必要がある。」(福岡)、「アウトソーシングも明らかではない。人員シフトなら、裁判員裁判を担当しない部署へのしわ寄せ・負担増の問題もある。調書、音声認識、速記録の問題もふまえて追及すべき」(大阪)、「被害者側参加制度について議論が不足している」(東京地裁)、「裁判員裁判だけでなく、人訴移管、成年後見、年金分割、労働審判などへのとりくみが重要。失敗すれば、裁判所への大きな失望を招く」(福岡)、「模擬裁判等の検討・研究は、実際の人員配置がすすみ、裁判所全体の状況が明確にならなければ、充分に深まらない。将来の裁判所に関わる問題であり、人員課題は急務。政策提言を行っていく必要がある」(宮城)といった、強い危機感をもった議論が相次ぎました。

諸要求等
久しぶりのプレート
万全の態勢めざして

 【諸要求】
 諸要求の課題では、「新昇給制度と個人情報保護により全数調査の見直しを」(東京地)、家裁の繁忙状況について「裁判員制度だけでなく家裁にも十分な配置を」(大阪)、「秋闘期に独自プレートを配置し、要求書提出後、毎週教宣紙を発行した」(岩手)、「子の氏の変更手続を工夫できないか」(愛知)、裁判員の動線について「重大事件の場合、裁判員と事件関係者が接触する可能性があるが、庁舎の構造は遮断する仕組みになっていない。運用面でどうするのか」(大阪)、「宿日直を一本化し、合理化をはかった」(大阪)、宿舎の移転・再配置について「独身宿舎が廃止となる。住居手当の増額を含め、宿舎要求にとりくみたい」(福岡)、介護休暇について「一括で請求しなければならないが、バラバラに取得できるように見直しを」(山口)、高裁管轄を超える異動要求について「当局の個人的な繋がりでやるのではなく、最高裁が高裁間の調整を図ってもらいたい」(大阪)、職場のいじめ・いやがらせについて「個人の問題でなく労働条件に関わり、労使で取り組むことが確認できた」(大阪)等の意見が出されました。また、諸要求期のプレート行動について「プレートが決まった後は全力でとりくんだ」(鹿児島)、「久しぶりのプレートだったが整然と実施できた。今後の裁判員制度に向けたたたかいで成果を上げなければならない」(福岡)、「一部に反対の意見もあったが、裁判員制度導入に向けた万全の態勢のためのプレートに確信を」(広島)等の意見が出されました。

 【職種】
 主に行(二)に関わって、「行(二)集会を開催し、今後について、貴重な話を聞くことができた」(鹿児島)、「将来展望に関わる方針については大きな成果である。全う希望について3点の約束をさせたことも大きな成果。存分にアピールしたい」(札幌・愛知)、「全う希望者がほこりを持って最後まで笑顔で働けるように」(大阪)等の意見が出されました。また、速記官について「裁判員裁判に速記官が立ち会えるように」(宮崎)との意見が出されました。

賃金
恣意的運用させぬ
査定昇給について監視を

 政府の公務員総人件費削減政策のもとで、賃金改善は困難を極めています。人事院は06年、人勧における比較企業規模を改悪し、賃金改善を見送り、今年も消極的姿勢のままです。また、給与構造見直しにともない、07年1月から査定昇給制度が導入されています。こうしたなか、賃金闘争を広く国民的な運動のなかに位置づけ、官民一体でたたかうこと、職場では裁判所当局の使用者責任を追及すること等が重要です。また、アンケートや各種調査を徹底し、学習をすすめる必要もあります。こうした運動方針に対し、各地のとりくみ報告とともに、次の補強意見が出されました。
 「査定昇給に関しては、当局に恣意的運用をさせないため、評定書開示を求めていく。役員中心のとりくみではあるが、結果責任を求めていくことで当局を監視したい。また、各支部が全司法情報1863号を参考に、学習することが大切である。本部でも来年1月の査定昇給結果について、密度の濃い折衝をしてもらいたい」(大阪)。「使用者責任の追及が必要であり、7月期には賃金課題に絞って、所長交渉で生活実態を訴える必要がある。当局にも意見を聞くだけといった形骸化がある。春闘アンケートの結果は正当性の根拠であり、私たちの切実な声を上申闘争などで上げ、県国公のとりくみに結集することも大切」(福岡)。「賃金・春闘課題について、公務共闘へ結集して闘った。気仙沼でシンポを開き、住民の参加も得て、労働法制反対や非常勤職員の処遇改善を訴えた。その成果として、最賃法について厚労省からも値上げ案が出るに至っている。ワーキングプアについては、マスコミですら無視できなくなっている」(宮城)。「代替要員が増え、組織拡大対象として賃金改善を重点要求としてきた。休暇、給与等に関する当局説明は不十分であり、希望者への継続雇用、賃金の事前説明を徹底させた」(大阪)。

交流深めた友好祭
青年協 青柳事務局長が報告
 大会2日目の午後には、青年協の青蜴末ア局長より青年協の活動報告がなされました。
 青年協では、各闘争期に拡大委員会を開催し運動方針や要求書を確立するとともに、最高裁垣内給与課長との交渉を実施して、重点課題である賃金・異動・宿舎・OA等を中心に当局を追及しました。また、独自行動としてひまわり一言要求行動を実施し、国公労連青年協の提起する中央行動にも積極的に結集しました。
 今年度は「地連を超えた交流」としての集大成である、「全司法青年友好祭典」を18年ぶりに開催し、総勢161名が参加して、参加者の交流を深め、連帯を得ることができました。そして、今年の「国公青年交流集会」では幅広い国公青年との交流を深めました。
 組織対策については、最重要課題として各支部青年部を中心に歓迎会やレクを実施しており、これからの活動について期待が持てます。
 これからも青年協へのご協力をよろしくお願いします。

 
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主な討論
 その他(合理化、健康)、予算
 

その他
取得しやすいものに
介護のための休暇制度

 「合理化」や健康安全について、行政省庁と関連する事務局部門のシステムの開発状況、執行事件の本庁集約化について最高裁の追求を(愛媛)、引き続き家裁の繁忙解消にむけて人員配置を求める(大阪)、職場内でのハラスメントやいじめなどにかかわるとりくみ報告と研修などでの抜本的な対策を(大阪)、メンタルヘルスにかかわって、懇談会での活発な意見交換を求める、面接指導制度がほとんど利用されていない(福岡)、などの発言がありました。
 庁舎新営、庁舎改修にあたっては、90年の最高裁事務総長回答を武器に追及した結果、職場の要望を実現することができた(大阪)、庁舎新営のプロジェクトを設置して図面の開示要求などをしている(静岡)、裁判員の動線について問題がある、施設の充実を含め予算の確保を(大阪)、などの発言がありました。
 宿舎について、合同宿舎への集約化について、一つでも多く確保できるよう、青年の宿舎要求の実現をはじめ個別の要求に応えるとりくみを(福岡)との発言がありました。
 労働時間の短縮などについて、勤務時間の見直しにより昼休みが十分確保できない(愛知)、所定労働時間の早期短縮を(大阪)、取得しやすい介護のための休暇制度の創設を(山口)などの発言がありました。

予算
予算50円引上げ 制度特会徴収せず
 組合費については、全司法本部より現行の2795円から150円引き上げの2945円と制度改革闘争特別会計500円の臨時徴収の継続を内容とする財政方針(案)が提案されました。
 また、修正案として、神奈川支部より負担を軽くするため運動の見直しによる組合費の引き下げ、制度特会の廃止、札幌支部からは救援特会から一般会計への繰り入れの案、宮城支部からは運動の一部見直しの上、50円の引き上げ、制度特会は維持するものの、本年度においては徴収しない、青森支部は150円引き上げの上、専従未配置地連への交付金増額、制度特別会計(特会)については宮城と同趣旨の修正案が提出されました。
 予算委員会では、会議の冒頭、すでに各地連を通じて合意した確定人員を確認しました。
 討議では、本部修正原案をはじめ、それぞれについて検討を行いましたが、「引き上げによる脱退がでる」「これ以上組合員に負担はかけられないが、支部の負担も無理」「身の丈にあった運動を」「緊急避難的に特別会計の一時繰り入れもやむなし」等の引き上げ反対意見や「すべて必要な運動である」「運動の低下による組合員への影響のほうが大きい」「必要な運動の担保として組合費の引き上げもやむなし」等の賛成も含め、様々な意見がだされました。
 最終的には、予算委員会として2号議案についてはいずれも反対多数につき、すべて否決、3号議案については、宮城(青森も同趣旨)案について賛成多数で可決されました。
 その後の本会議では、様々な意見が出され、採決にあたり、本部はこれまでの意見もふまえ、2号議案につき、会議の縮小等の上50円引き上げの再修正原案、3号議案については、本年度においては徴収しない旨の修正原案を出し、宮城・青森修正案は取り下げ、神奈川・札幌は維持となり、結果、2、3号議案とも本部(再)修正原案が賛成多数で可決されました。

 
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書記長の総括答弁
 

 大会での発言数は、のべ106名。運動方針を補強する立場からの意見や問題提起として受け止め、各期方針の具体化の中で、反映していきたい。

【情勢】
 ワーキングプアにみられるような格差と貧困の広がり、大企業減税、社会保険庁攻撃をはじめとした公務員バッシングなどの指摘をふまえ、参議院選挙において、安倍自公政権への審判と労働者・国民の要求実現、組合員の生活を守る点から、思想信条の自由と公務員の政治活動の自由を前提とした意思表示の必要性がこもごも語られた。補強意見として全体として確認したい。

【全司法大運動】
 署名の数の追求とともに国民との対話の追求も引き続きすすめていくことが重要。

【憲法】
 改憲反対の声を職場に広げ、多数派を形成していくために地道なとりくみが必要。改憲や「戦争をする国」への動きが強まってきている中で、労働組合の役割の重要性をあらためて確認する。

【司法制度改革】
 裁判員裁判等について、引き続き、万全の態勢作りを求めていくとともに、書記官対策委員会を中心に、裁判員裁判の運用にあたって、検討をすすめていく。

【組織拡大強化】
 要求を拾い上げるだけでなく、その結果を還元する双方向のとりくみの必要性、など貴重なとりくみ報告がなされた。また、組織強化のとりくみにあたって、要求実現にむけての努力、組織の現状に危機感を持って、増勢への努力について意思統一、役員選考での脱退者を出さない、教宣活動の強化など、JOプランに沿った運動のとりくみ報告がされた。JOプランは、実践することが重要であり、できるところから一つずつ実践していくことが大事。あらためて、JOプランに基づいたとりくみを各機関で行っていくことの意思統一をはかる。

【賃金】
 評価制度にかかわって、いかに当局の恣意的な運用を排除するか、これからの運動にかかわる。そのような観点から引き続きとりくみをすすめていく。
 春闘期の「学習・全員結集・地域共同」の合言葉をあらためて確認し、産別運動への結集をはかる。

【全国統一プレート行動】
 プレート行動配置の意義、諸要求期の運動の流れなどもあらためて、各機関でのおさらいをしながら、上申闘争の強化をはかっていく。07度もこれまで同様、諸要求期にプレート行動を配置して要求の実現をはかっていく。

【昇格】
 これまでの到達点の維持・改善を求めていきたい。

【職場諸要求】
 引き続き、繁忙実態の解消にむけて追及を強めていきたい。

【庁舎改修】
 90年の事務総長回答を武器に、職場の要望を実現させるとりくみをすすめていく。

【宿舎】
 必要個数の確実な確保、個別要求の実現、青年の住居に関わる要求の実現をはかっていきたい。

【労働時間短縮】
 休息時間見直しにともなう個別の問題もあげながら、改善を求めていく。
 所定労働時間の短縮について、人事院勧告にむけて、国公労連に結集して、実現を求めていく。

【行ス二職】
 転官に関わる要求の実現と行ス二職員として残る職員の環境整備に関わる要求の実現の両方をすすめていく。先を見据えた運動の方向性についてもこれから検討・分析していきたい。
 転官に伴う給与額については、諸要求期の最高裁人事局長回答の具体化をはかっていく。

【さいごに】
 三日間の討論をふまえ、全司法の組織の拡大強化をすすめることとしたい。

大会宣言
 通常国会で安倍内閣は、国民投票法、イラク特措法延長法、社会保険庁解体法、「改正」国公法などを強行採決した。これらの政策は、貧困と格差を拡大させ、医療・税金などの国民負担増と「海外で戦争をする国づくり」のための憲法「改正」にむけた一環である。しかし、「9条の会」が6千を超えたように、共同は広がっている。
 人事院勧告で生活改善、初任給改善、一時金改善、所定労働時間の短縮等をめざして最後まで奮闘する。裁判員制度の実施まで2年をきるなかで、「万全の態勢」整備を求めるとともに、来年1月から始まる一般職の査定昇級などにむけた職場からのとりくみが重要になっている。今年は、全司法結成60周年、「92・3・18最高裁事務総長見解」から15周年の節目を迎える。全司法の果たしてきた役割と到達点に確信を深めつつ、組合員拡大と組織運営の改善を2本柱に、やるべきことはすべてやりきり、労働条件の維持・改善に責任を持つ労働組合として、組織を大きく強くすることを決意する。
 以上、宣言する。

 
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07中央執行委員
 

 非専従中執は、新たに地連配置非常任として、岩崎仁次(東北)さん、齊藤裕紀(東京)さん、山口卓也(近畿)さんに、また、岩崎裕司(近畿)さんが本部事務官担当、井上弘樹(愛知)さんが本部書記官担当となりました。なお、職種・女性担当は、非常任となりました。

中央執行委員長(専従)
 石橋 良一 愛知・再

中央執行副委員長(専従)
 伊藤由紀夫 東家裁・再

中央執行副委員長(専従)
 本間 祐二 札幌・再

書記長(専従)
 牧山 利春 福岡・新

書記次長(専従)
 田邉 理弘 大阪・新

中央執行委員(青年協議長)
 氏川 浩一 愛知・再

中央執行委員(専従)
 工藤 哲三 宮崎・再

中央執行委員(非常任)
 田嶋 啓子 東地裁・再

中央執行委員(非常任)
 本藤ひとみ 東地裁・再

中央執行委員(非常任)
 野田真一郎 八王子・再

中央執行委員(非常任)
 岩崎 裕司 大阪・新

中央執行委員(非常任)
 樋渡 英輝 札幌・再

中央執行委員(非常任)
 岩崎 仁次 宮城・元

中央執行委員(非常任)
 齋藤 裕記 千葉・新

中央執行委員(非常任)
 井上 弘樹 愛知・再

中央執行委員(非常任)
 山口 卓也 大阪・新

中央執行委員(非常任)
 湯原 幸作 山口・再

中央執行委員(非常任)
 松井 隆幸 香川・再

中央執行委員(非専従)
 上谷 啓之 福岡・再

会計監査委員
 野田 明宏 岐阜・再
 村松 一樹 東地裁・再
 森永 孝二 広島・新

 
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新旧書記長のバトンタッチ
 

数々の提言に関わる 7年にわたる専従生活
坊農前書記長
 第64回定期大会をもちまして書記長を退任しました。
 2001年から,非常任中央執行委員(地連書記長)3期、副委員長1期、書記長3期務め、国家公務員法で定められた労働組合専従休職期間の上限である7年を満了することになりました。
 全国の仲間のみなさんに支えられ,何とか任務を全うすることができたのではないかと思っています。

 書記長在任中では、「宿日直提言」の見直しや「参事官室提言」の中間総括に関わり、10年あまりの間のとりくみの総括をふまえた新たな方向性を出すことができたこと、行ス二職の行ス一転官方策実現などが印象に残っています。
 オルグ等で職場にお邪魔をした際には、激励のお言葉をかけていただいたり、職場でがんばっておられる姿を拝見して、元気づけられました。この紙面をお借りしまして、あらためて感謝申し上げます。
 本部役員を務める中で、裁判所の将来を考え、より良い裁判所を作るために奮闘されている多くの方たちと出会えたことは、これからの私の裁判所生活において大きなプラスになるものと思います。また、あらためて、国民のみなさんに司法サービスを提供している司法労働者としての責務も強く実感しました。職場に戻りましても、国民の信頼に応えられるため、「国民のための裁判所」を実現するために与えられた持ち場で、がんばりたいと思います。

 本部在職中4年間は、単身赴任でしたので、生活も不規則で、メタボリックも進行しましたが、これからは摂生に努めていきます。
 7年にわたる専従生活、特に、4年間の単身赴任生活を支えてくれた妻と子どもたちに心から感謝しています。家族とともに暮らせなかった時間は取り戻すことはできませんが、その分これから家族サービスにも努めたいと思います。
 みなさん本当にありがとうございました。

要求・組織の多数派へ 職場からのたたかい構築

牧山新書記長
 坊農さん、7年間の専従任務、大変ご苦労さまでした。要求実現のため、その力量をいかんなく発揮していただきましたことに、あらためて御礼申し上げます。
 また、坊農さんの出身機関として、全国の先頭に立って奮闘してこられた大阪支部、近畿地連の組合員の皆様、ありがとうございました。
 萱森さん、37年間の本部勤務、大変ご苦労さまでした。「要求と組織の多数派」実現を徹底追求する姿勢を受け継いでいきたいと思います。

 さて、今大会では、裁判所に存在する唯一の労働組合として、仲間の要求を一つでも多く実現するために、「それぞれが持ち場持ち場で力を尽くす」決意が固められました。運動方針の「4つの基本と6つの方向」を柱にすえて、「総対話と学習、全員結集、地域共同」を合言葉に、組織拡大・強化と職場からのたたかいを一体のものとして、全ての機関で奮闘しましょう。
 また、「第2次JOプラン」の実践指導とともに、次世代活動家の育成を大胆に進めたいと思います。前年度の青年友好祭典及び中央労働学校で、交流と学習を深めた青年は、全国に延べ205名おられます。彼・彼女らの経験を組織と運動の高揚に結実させるため、「青年層を視野の中心に」との全司法の方針を、全国一丸となって実践したいと思います。
 仕事と要求・運動との関わりでは、司法制度改革課題を中心として多くの問題点が指摘されました。良質な司法サービスを提供する、働きやすい職場を作るとの2つの観点から、職場からのたたかいを構築していきたいと思います。

 大会で採択された「職場に根を張り、全司法を大きく、強く!」のスローガンのもと、青年層を組織・要求・運動の中心にすえて全力を尽くします。
 引き続く全司法へのご支援をお願いします。

 
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退職・退任にあたって
 

幸運重なった
退職する萱森さん
8月末で退職
 37年間、言葉に尽くせぬお世話をいただき、ありがとうございました。
 こんなに長く勤められたのは、幸運が重ったと思います。1つは、毎年度の大会で選ばれた中央執行委員の皆さんとのつきあいができたことです。その都度役員の人に慰留され、思いとどまったこともありました。2つめには、行(二)職のさまざまな人とのつきあいや運動を通じ、きびしいもとで頑張っている姿を見て励まされたことです。3つめは、書記会や在京山の会「AC紫峰」など、全司法以外の活動が私を支える力となってくれました。
 印象に残るのは、92・3・18見解です。私の入った当時は、当局の全司法敵視政策が明白でした。そこに変化を与えたのが最高裁事務総長見解でした。簡裁・支部統廃合反対をかかげた九段会館での自治体首長等の集会と存続要請、補助体制構想反対の3度の統一プレート行動などを通じて、当局に「若返ったが、全司法は侮りがたし」との認識を与えたことです。いくらたたいても全司法はつぶれない。そこで国民のための裁判所を実現するには、職員全体の協力を得る必要があり、そのため誠実な労使関係を確立する必要がある、と判断したと思われます。
 労働組合の力は、職場に根ざした要求を組織し、対等に当局交渉しているかどうかにあります。全司法が職場に根を張って発展することを祈念してあいさつとします。

大幅増員に
書記官担当の田中さん
 4期連続で非専従中央執行委員書記官担当を勤めました、今回退任できることになりました。在任中、司法制度改革の風にのり不十分ながら書記官定数は大幅増員されました。書記官上京団交渉では、判一つ押すことからの事務見直しを強く求め、控訴記録丁数の簡素化、日記簿廃止等が行われました。頻繁な法改正対応と個人負担の資料購入を軽減するための執務資料のOAデータベース化を求め徐々に進むなど、要求は前進しました。しかし、書記官運動の活性化という旗の振り方ということでは、反省ばかりです。4年間に感謝とお礼を申し上げます。

近畿に引継ぐ
非専従3年の小池さん
 この間、職場に恵まれさしたる困難を感じることもなく過ごすことができました。
 女性対策部長としての2年間は、全国の女性組織を維持することを中心課題とし、女性をめぐる様々な要求を職場全体のものとし、その改善に向けて女性自らが中心となることをめざし活動してきました。事務官対策としての1年は、審級や庁規模などによって状況が異なり、運動の全体像もつかめないままの活動になってしまいました。今後は、先進的な近畿地連が事務官対策を担当することから、大いに期待しています。
 3年間ありがとうございました。

 
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