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全司法新聞
 
総対話と学習、全員結集、地域共同
賃金要求、運動方針を採決

07年春闘 全司法第67回中央委を開く
 

 全司法は、1月28〜29日、伊東市において第67回中央委員会を開催し、2007年春闘方針と統一賃金要求、組合費引上げについての予備討議議案を賛成多数で採択しました。2007年春闘を「総対話と学習、全員結集、地域共同」を合言葉に各地で奮闘します。

 中央委員会では、「月額11000円の賃上げ」などの統一要求と、民間労働者と一体となって地域から共同を追求する、裁判員制度導入に万全の態勢を図る、組織の拡大強化に全力をあげること等を確認しました。
 また、2日目、今年3月退職予定で組合員20年以上などで推薦があった22支部37名の永年組合員表彰を行いました。代表して札幌支部片山公征さん(代理)を表彰しました。

石橋中央執行委員長挨拶
大企業は設けをはき出せ 国民と前進する07春闘に

わかりやすい情勢
 今中央委員会は、かつてなく激動する情勢の中でたたかわれる2007年春闘において、全司法として情勢をどうとらえ、そのもとで何を重点に、どう立ち向かうのかという全国的な確固たる意思統一をはかることを目的として開催しました。
 たたかいの基本的な構えは、「総対話と学習、全員結集、地域共同」です。
 今年の春闘は、政府・財界と労働者・国民との矛盾が広がっており、例年と比べてわかりやすい情勢であるといえます。裁判所内だけでなく、国民と共に前進する春闘としたい。
 賃金や雇用など直接的な富の分配は下がっており、再分配機能も下がっています。
 大企業で非正規労働者への置き換えがすすみ、“ニューリッチ”と呼ばれる階層が登場する一方で、非正規労働者の増加による“ワーキングプア”やホームレスが増加しています。これは、経済の失敗ではなく、「政治の失敗」によるものであり、今、行われなければならないものは「富の社会への還元」です。
 一旦先送りされたに過ぎない“ホワイトカラーエグゼンプション”に至っては労働法体系を切り崩すものであり、中身は「賃金横取り」、結果は過重労働や過労死を急増させるだけのものです。
 今春闘は、「大企業は儲けをはき出せ」、「大企業は税金をまともに払え」、「大企業は若者を正規雇用せよ」ということを声を大くして国民と共にたたかうことが大切です。
 年明けから相次ぐ改憲発言がありますが、世論は、改憲反対が増えており、賛成は10%以上下がっています。9条を守ろうという世論が確実に増えていることに確信を持ち、憲法の番人である裁判所職員の責務として全国で奮闘しましょう。
 引き続く公務員攻撃は止まることを知らず、激化しています。社会保険庁の分割・解体は、社会保障を破壊するのが本質的な狙いであり、国民全体の問題です。
 裁判員制度へ向けての準備がすすんでいます。裁判所の人的物的充実を求める全司法大運動で、これまでの最高の到達点を築こう。

一人ひとり大切に
 組織拡大はまったなしで「一人ひとりを大切にし、コツコツとやること」が必要であり、信頼される組合にしていくため、全国の職場でがんばろう。

 
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裁判員裁判導入へ増員を
中央委の主な討論
 

07春闘
「1万1千円」の賃上げを
 独自プレート行動のとりくみについて、書記官や調査官の増員などの要求を掲げ、全分会オルグを実施し、意見集約を行った。家事部や事務局での増員が切実である(福岡)、10年あまり人員削減が続く中で、一人の減員も許さないことを求めてたたかいを進めてきた。プレート実施は6年ぶりであり、未経験の青年層もいることから教宣を重視した。内部シフトや中小規模庁から大規模庁へのシフト反対の立場を鮮明にすべきだ(岩手)との報告がありました。
 総括答弁では、人員に関わって、最高裁が家事や事務局への一定の配慮姿勢を示していることは、この間の運動の到達点であることを確認するとともに、引き続き追及を強めていくことを強調しました。
 裁判員裁判については、最高裁に対し、早い段階で制度の具体的な設計を明らかにさせよ(千葉)、即決裁判や被疑者国選弁護人制度などの運用方針が現場に下りたのは一カ月前であり、裁判員裁判の運用についてもなるべく早く下ろすことが必要である(愛知)との意見が出されました。総括答弁では、引き続き、最高裁対応を強化することを確認しました。
 春闘要求案について、1万1千円の賃上げは勝ち取らなければいけない要求としてみんなで奮闘する決意が述べられました(東京家裁)

諸要求
職場での地道な日常活動
 参事官室提言の中間総括をふまえて、その具体化をはかるために、職場からのとりくみで最高裁を追い上げる。具体的に、裁判員関連での事務局部門の増員、事務局ラインポストへの積極的登用、裁判部配置事務官の処遇改善をはかる必要がある(大阪)との意見が出され、総括答弁では、職場の地道な日常活動の重要性が強調され、引き続き、参事官室提言の中間総括に従ってとりくみを進めていくことが述べられました。
 行(2)職の将来展望については、それぞれの希望を尊重した運動を。転官者が不安なく仕事できるように。転官受け入れ枠の拡大を求める。転官者の情報収集とフィードバックを。(大阪)、八日市場支部の庁務員の転官要求実現にとりくんできた(千葉)、行ス一転官方策が示されたことは一定評価したい。一方で、行ス二職として全うを希望する職員の処遇を守るという観点も強く打ち出してほしい(大津)、機械設備の変更による官都合の行ス一転官を従前どおり求めていくという方針はあるのか(佐賀)、行(1)転官は成果とは受け入れられない(徳島)、これからの方策を明らかにさせることが必要(東京家裁)、などの意見が出されました。
 総括答弁では、4月の転官状況もふまえて、情報を収集しながら6月に開催する地連行(2)担当者会議でこの間の運動についての一定の総括を行うこと、転官者の業務内容なども含めた職場環境づくり、行(2)職として全うを希望する者の処遇・職場環境づくりなど、それぞれの要求実現を求めていくことを述べました。
 検察審査会の組織体制整備を求める(愛媛)との意見が出され、総括答弁では、09年を見据えて引き続き、体制充実を求めていくと述べました。

憲法等
積極的議論でカンパ進む
 憲法と国民生活に関わって、経済財政諮問会議は財界委員にリードされ、財界の要望を反映させるものとなった。ホワイトカラーエグゼンプションの導入等、財界・大企業の攻撃に対して労働者全体でたたかうことが必要。憲法を活かす政治・行政が実現できれば、ワーキング・プア等の社会問題は生じない。「九条カンパ(国公労連意見広告カンパ)」を通じ、憲法守れの声を、職場だけでなく家族・地域に発信しよう(神戸)、「九条カンパ」は、目標を定めたカンパでなく、全国大会で特別徴収として提案すべき。カンパ方式の修正を求める(札幌)、「九条カンパ」の結集には職場によって温度差があった。しかし、オルグ等で丁寧に呼びかけ、全ての職場でとりくむことができたし議論も進んだ(大分)、「九条カンパ」について、支部四役では成功の自信がなく職場提起に消極との意見もあった。しかし、執行委員会で議論したところ、若い執行委員の意見からとりくみの意義について議論が深まり、オルグも実施した結果、目標額を達成できた。鹿児島県のタクシードライバーの平均年収は202万円である。格差と貧困の問題に対して、組織された労働組合の役割を発揮しよう(鹿児島)、との意見が出されました。
 総括答弁では、「九条カンパ」は、国公労連大会の決定を受け、全司法の年次方針に基づいて指示し、全国書記長会議で意思統一したもの。憲法を守るとりくみの一つとして全ての支部での完遂を求める。国民生活に関わっては、格差と貧困の問題に目を向け、国民と公務員の間に楔を打ち込む戦略に正面から対置してとりくんでいくことが確認されました。

組織
未加入者と真摯な対話で、組合へ加入
2年生が新採勧誘計画

 組織の拡大・強化について、拡大運動では、加入には至らなくとも労働組合が不要との意見はない。福岡分会では、交渉結果を各職場会で報告したところ、分会活動や交渉への注目度が上がっており、拡大運動の実践も進んできた。結果を急がず、現在のとりくみを3年間は実践したい(福岡)、効果的な組合員拡大の方法を学びたい(島根)、中央委員会を1名増勢で迎えることができた(千葉)、ベテラン組合員が職場で果たすべき役割には、「身近な人の不安を聞く」ことがある。また、未加入者向けに、支部の要求等を解説した情宣を配布する活動等も行っており、未加入者との真摯な対話を続けていきたい。新採との関わりでは、直近の先輩である組合員2年生にしかできない勧誘を彼らが行っている。また、今年度の支部労働学校は新採を対象に開校することとし、実行委員会を2年生で組織し、企画を検討してもらっている(三重)、第一次組合員拡大月間では、再加入と脱退の一進一退を繰り返している。この間、全ての面で「ゆるさ」があり、計画も実践も不十分であった。実態を調査し、計画し、実践することをあまねく繰り返したい(広島)、労働法制の改悪が狙われている。オールジャパンでたたかえる組織づくりが必要(神戸)、等の発言があり、各支部の先進的なとりくみを全体のものとし、全ての機関での「第2次JOプラン」の実践を再確認しました。

友好祭典に感謝
青年協がとりくみ報告
 青年協の青蜴末ア局長は、中央委員会の2日目に06年秋季年末闘争期の活動報告と、春闘期の運動方針について報告しました。
 報告の中で、全司法青年友好祭典に触れ「のべ162名が参加したことについて、各支部の協力に感謝する。」また、春闘期には例年取り組んでいる「暮らし向きアンケート」への取り組みの強化をお願いするとともに、今後も青年に対し、変わらぬ指導をお願いするとの要請がなされました。

組合費引上げの予備討議
組合員へ説得材料不十分
早い段階で資料等を示す

 第2号議案「組合費の引き上げについて」は、この間の組合員減少にともない次期大会の予算が今年度と同じ運動をするとすれば予算が組めないといった危機的状況から、大会に向けて、値上げも含めた予備討議を行ってもらいたいという趣旨から提案しました。
 討論では、「方針書(案)記載内容が不十分。現場の納得いく説明が必要」(大阪)。「引き上げには反対。青年層から強い反対の声があがっている」(函館)。「検討は賛成。現在の執行は適正か。様々な節約を。説得材料が乏しい」(札幌)。「一定引き上げもやむなし。脱退の口実にされる危険性はある。安易な活動の縮小は逆効果」(大分)。「引き上げたとしても最低限の額に。組織問題と表裏一体である。脱退をちらつかせる人も多い」(福岡)。「反対である。中央委員会や書記長会議の必要性に疑問」(千葉)。「大会直前での提案は混乱がおきる。早い段階での討議材料をいただきたい」(広島)。「できるだけ引上げはしてほしくないが、財政事情をみるとやむなし。組合費がいくらが妥当なのか、他単組との比較も必要。収入を増やす工夫も」(甲府)とのさまざまな意見がだされました。
 二日目冒頭、本間財政部長が前日の討議を受けて、「なるべく早い段階で、職場での討議がしやすくなるようなわかりやすい資料等を示したい。各支部ともできる限り具体的に議論を深めていただきたい。ただ反対というだけでは方針がたたない。組合費の納入も守っていただき、9条カンパについても各支部とも目標額に責任をもっていただきたい。」と答弁しました。
 本部財政については、この間も、さまざまな工夫をし、支出を抑えてきましたが、これ以上は限界にきています。
 各支部とも大会に向けより一層、具体的な討論が求められています。

 
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掛金率を引き下げ(1.23/1000)
裁判所共済組合

3回の小委員会後、計画運審で具体化
 

 さる1月25日、裁判所共済組合運営審議会において「骨子運審」が開かれました。この「骨子運審」は一年間の共済事業の計画の骨子案を策定する重要な位置づけであり、この骨子に基づき、2月から開催される小委員会において内容を精査し、3月に行われる「計画運審」において具体化されていきます。
 組合側は、本間・遠藤・元山・佐藤・平本の各委員及び牧山監査員が出席し、当局側は、小池運営審議会会長(経理局長)が議長を務め、高橋総務局長、大谷人事局長、鎌田仙台高裁次長、中井東京家裁局長の各委員と高田監査課長、小林民事局第一課長の各監査員、幹事として垣内給与課長ほか五名の幹事が出席し開催されました。
 骨子の内容として主なものは下記表のとおりですが、とりわけ短期経理において、掛金率の引き下げ(1000分の1・23)が行われることは非常に喜ばしいことです。
 一方、経理の中でも支出として大きなウェイトを占めているのが、さまざまな拠出金ということになります。来年度以降さらにこの拠出金が伸びることは、容易に推測できます。ですから、ふたたびの引き上げもいずれは行われることと思いますが、組合員への還元ができるときは、少しでもしたいという、運審委員側、事務方側双方の思いが一致し今回の引き下げ案となりました。
 また、健康ダイヤルの充実として、電話や面談によりセカンドオピニオン(二つめの意見)が受けられ、よりよい医療の選択が可能となりました。
 また、総合相談医の判断により、より高度な専門性が求められる場合は、最適な優秀専門医の紹介を受けられるサービスも開始されます。
 今後は、これらの案を骨子運審にて付託された小委員会(組合側委員2名、当局側委員1名ほか幹事、小委員長に本間委員。2月13日・3月1日・8日の計三回)において検討し、3月26日の計画運審で小委員会報告として提案することとなります。

 
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憲法守る過半数世論を
「九条の会」6000を突破 楽しく豊かに広げよう
 

 安倍首相は、憲法改悪に執念をもやし、今国会内で国民投票法案の成立をねらっています。いまこそ、職場・地域に「九条を守る会」を草の根のように広げることが重要です。共同センター、守る会は世論の力で改悪をはねかえそう、と呼びかけています。

憲法闘争を交流
 全労連など広範な労組・民主団体などでつくる「憲法改悪反対共同センター」は1月26日、「憲法闘争の前進をめざす団体と地方・地域の交流会」を東京都内で開きました。
 憲法をまもり国民的に広がるたたかいを力に、「改憲手続き法案」を阻止しようと、力強く意志を固め合いました。

地域センター320
 憲法闘争の飛躍をめざして、全国各地に地域共同センターが320結成されたことが報告され、全自治体をカバーできるよう運動を広げ、改憲手続き法案反対のたたかいと結んで憲法を守る過半数世論の獲得をめざし、署名をすすめていこうとの訴えがありました。
 討論では、大阪で「教育基本法改悪反対の宣伝で倍々ゲームのように参加者が増え、急速に運動が広がった。これを発展させ、改憲手続き法案反対のたたかいをより一層大きくしたい」との発言や、自治労連の仲間から「自治体の首長と対話を続けてきた。3ケタを超えた賛同メッセージをさらに広げていきたい」と交流しました。

月200づつ増加
 作家の大江健三郎氏などでつくる「九条の会」は2月1日、国会内で記者会見し、同会アピールに賛同する地域・分野別の「会」が6020に達したことを発表しました。
 会見した小森陽一事務局長(東京大学教授)は、地域・分野別の「会」はこの1年間で約2千増加し、04年6月の「九条の会」発足以来、月平均約200の「会」が生まれたことになると報告しました。

11月に交流集会
 特徴として、小学校区単位、職場単位の「会」が増加しています。
 小森事務局長は「草の根からの『九条の会』の活動が世論を本格的に根っこから変えていくところにさしかかっている」と展望を述べました。
 また、11月24日に第22回全国交流集会を東京・日本教育会館で開くと発表しました。

裁判所でも職場九条の会を
 全司法は、「九条の会」に賛同して、裁判所でも職場九条の会作りをすすめようと呼びかけています。
 残念ながら、この取り組みは弱く、大阪、東京で結成されているにとどまっています。全労連発行のパンフ「楽しく豊かに職場九条の会を広めましょう」を活用して取り組みます。

 
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ここが怪しい「改憲手続き法案」
正体は戦争手続き法
 

Q1 国民投票制度は、改憲の賛否を国民投票で決めるというものではないですか?

 安倍晋三首相が「今国会での成立を強く期待する」(施政方針演説)と訴える憲法改正手続き法案。自民党は憲法記念日(5月3日)までに成立させる意向を示しています。
 法案はその名の通り、国民投票制度などの「憲法改正」手続きを定めるものです。この法案自体に改憲の中身は書かれていません。しかし、自民党は戦力不保持の憲法9条2項を削除する新憲法草案を発表。安倍首相は、自衛隊の海外派兵、米軍協力を加速させることを明言しています。つまり「手続き法案」は、9条改憲に向けた具体的な一歩に過ぎないのです。
 したがって、「日本を戦争する国」にしないためには、改憲の発議をさせない、国民投票を許さないことが重要になっています。
 「国民の意思を示すためにも国民投票が必要」との主張は、改憲に賛成でない立場の人からも出されています。しかし、改憲手続き法を作らせないこと、それ自体が、戦争反対の国民意思を実現する意味を持っているのです。
 「国民主権」を持ち出して、手続き法に賛成するのは間違いです。

Q2 与党と民主党との協議で修正され、これなら公正な手続きで国民投票ができるのでは?

 「改善」されたのは事実ですが、憲法改正の手続き法として十分な公正さが保障されているとは、とうてい言えません。
 当初案ではメディアを使った無料広告は「会派の議員数を踏まえて」となっていました。これが、修正案では「賛成の政党、反対の政党に同一の時間」と変更されました。「議席数に応じた広告では改憲派を利する」との批判を受けたものです。
 しかし、テレビやラジオでの有料広告放送はほぼ野放し。「投票日7日前から禁止」が与党修正案では「14日前から禁止」に変更されていますが、それ以外の期間はカネにものをいわせた大量宣伝が可能です。
 ねつ造された「納豆ダイエット」の例をみても、テレビの影響力は巨大。財界が9条改憲に積極的な現実を考えれば、四六時中流される改憲美化キャンペーンで、国民が世論誘導される恐れがあります。
 国民投票に関する運動では、「国公法等の公務員の政治的行為の制限は適用しない」が盛り込まれ、「地位利用」に関しての罰則も削除されました。しかし、公務員、教育者の「地位利用」は禁止されたままです。また、改憲反対の意見表明や運動に参加することが行政処分の対象となる可能性があります。
 最低投票率の定めがなく、投票率が50%台ならば有権者総数の3割以下の賛成で改憲成立になるなどの問題点も改善されていません。

 
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