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全司法新聞
 
退職手当と職域年金切り下げ許さぬ
人事院総裁宛に緊急署名
 

公務員の特質に何ら変更なく
職域年金の現行水準維持は当然

 退職年金と退職手当が切り下げられようとしており、今秋闘の重要課題となっています。
 公務員の共済年金と民間の厚生年金が「一元化(いわゆる統合)」されることに関連して、共済年金の3階部分(職域年金)を企業年金化し、その財源に退職手当を削ってあてるという案が検討されています。早ければ年明けの通常国会にも法案が提出されようとしています。
 現在、政府の要請にもとづき人事院が、7月から9月まで民間企業年金と外国の公務員制度の調査を行っており、調査をふまえ10月中には政府に対し「意見」を表明する予定です。事態は緊迫したものとなっており、組合では、意見表明に向け、切り下げに反対する人事院総裁宛要求署名を全力をあげて取り組んでいます。

人事院が海外調査
 政府は、本年4月28日、「被用者年金制度の一元化等に関する基本方針」を閣議決定し、共済年金と厚生年金の報酬比例部分(2階部分)の「一元化」と、現行の公的年金としての職域部分(3階部分、平均給付金額20175円、掛金は国と職員の折半)を2010年に廃止、これに代わる新しい公務員制度としての仕組みの検討方針を決定しました。
 3階部分は公務員版の企業年金を創設する、としており、この決定にもとずき人事院に対して、諸外国の公務員年金や民間の企業年金及び退職金の実態調査を要請し、人事院は、7月3日から9月8日まで調査し、その調査結果をふまえ政府に「意見」を表明するとしています。
 そもそも公務員の退職年金は、国家公務員法第107条で、退職後における「適当な生活の維持」を保障するものとして設けられており、社会保障制度としてのみならず、公務員制度の一環として重要な役割を持つものです。
 職域部分が設けられたのは、(1)公務員は、公共の利益のために行政を公正かつ能率的に遂行する責務を有しており、民間の労働者に比べて広範囲で厳しい服務上の制約が課せられていること、(2)従来から公務員の退職年金制度は、相当年限忠実に勤務した職員等について、退職後の適当な生活の維持を図ることにより、職員の将来に対する不安を緩和し、在職中厳正な規律の下で専心職務に精励できるようにするためのものであり、ひいては、優秀な人材の確保、高い士気の維持、公務員の中立性維持などに資すること、を目的としています。
 今回の政府方針で、職域部分が廃止されたとしても、このような公務員制度の特質には何ら変更はなく、それに見合う公務員制度としての仕組みは必ず必要であり、創設されなければなりません。また、退職手当については、賃金の後払い的性格と長期勤続に対する報償的な性格を合わせ持っており、これまでも退職金財源である退職一時金・企業年金と官民比較され、支給水準を維持してきています。
 今回の人事院の調査では、退職給付の総額が官民比較され、水準格差が算出されますが、公務の支給水準が相当程度高くなることが見込まれ、退職年金及び退職手当をセットにして大幅な切り下げの可能性があります。

重大性を至急広め
 組合は、この秋の重大な課題として、「退職年金・退職手当切り下げ反対」の立場で、人事院への署名と9月25日の週の統一職場大会での決議文送付などの緊急の取り組みを行っています。また、国公労連が作成した「職場討議資料」にもとづく職場での学習を呼びかけています。
 早急に事の重大性を職場に広め、たたかいを大きく展開する必要があります。

 
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「組合の要望等は伝わる努力」
短時間勤務は職場ふまえ

06人勧の取扱いで大谷最高裁事務総長と交渉
 

 全司法本部は、9月8日、「給与法『改正』等に関する要求書」に基づき、大谷剛最高裁事務総長との交渉を実施しました。

06年人勧の取り扱い
 「人事院勧告制度は合理的なものであり、尊重すべきものである」とし、比較企業規模の見直しについて、「従来の比較方法によることとした場合に比べれば相対的にマイナスになる点で、職員にとっては厳しい勧告になっていることは十分認識している」ものの、「人事院の権限と責任において定めるべきものであり、最高裁として正式に意見を述べる立場にはない」、「官民給与の比較方法を含めた人勧の取扱いについて、職員団体の要望等は関係機関に伝わるよう努力をしていきたい」などと回答しました。

退職手当・共済年金の改悪反対
 退職手当制度について、「引き続き重大な関心を持って情報収集に努める」、共済年金制度について、「被用者年金一元化の問題については、職員の生涯設計にもかかわる大きな問題」であり、「人事院の調査結果やそれに対する人事院の見解、今後の法案化に向けた審議等の動向等に注目していきたい」と答えました。

育児等のための短時間勤務制度
 「今回の意見の申出において、週20時間勤務をする育児のための短時間勤務職員2人を1つの常勤官職に並立的に任用し、空いた常勤官職に常勤職員を任用する仕組みが設けられたことは、裁判所のこうした働きかけによるところも大きい」、制度の導入にあたって、「裁判所の組織の特殊性や裁判所職員の職務の特性等も踏まえて検討する」、全司法との「誠実対応」の姿勢を示しました。

労働基本権
 「専門調査会の状況や政府の今後の対応を見守っていきたい」と回答し、「法令等に基づく職員団体の権利を十分に尊重」「勤務条件やこれに関連する事項は誠実に対応する」との姿勢を確認しました。

 
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運転手5級で前進
10月昇格で給与課長交渉
 

 全司法本部は、9月19日、最高裁給与課長との10月期昇格交渉を行いました。給与構造見直しによる困難が増える中、「基本的には従前の水準とのバランスに配慮しながら検討する」との回答を得ました。
 各職種・各級の主な回答は次のとおりです。
 運転手5級について、「地家裁広域班編制によって対応できない庁で」「10月に暫定定数1」を確保、医療職については、「来年3月定年退職予定の看護師1名について10月期に4級昇格が認められた」、事務官については、「定数の追加配布による係長4級の『1』増」「来年3月定年退職予定の支部係長に対して一桁後半の5級昇格を実施」、「来年3月定年退職予定の本庁の専門職に対して20台後半の5級昇格を実施(この中には元廷吏が10前後含まれている)」、法廷警備員については、「来年3月退職予定の2名について5級昇格を実施」と回答しました。
 また、書記官については、「平成19年度予算要求でも、各級の切り上げ要求を行っている」、「主任書記官の増設による執務態勢の整備を進めていく中で改善をはかっていきたい」、調査官、速記官、営繕技官については、「現行の運用が維持できるよう努力したい」と回答しました。(詳しくは全司法情報1817号を参照してください。)

 
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平和憲法守ろう、と「新聞意見広告」
国公労連、カンパを呼びかけ
 

9条改憲は許さぬ世論を
 日本が世界に誇る宝というべき平和憲法は、今、かつてない危機にさらされています。アメリカの戦争に加担し日本を戦争できる国にするための9条改憲と、それに道を開く「国民投票法案」成立を許さないためには、圧倒的な国民世論の形成が必要です。
 国公労連は第52回定期大会で、平和を守る国民世論のうねりを作り出すため、これから一年のたたかいが決定的に重要であるとして、新聞意見広告を3大紙の1つに全1面を使って11月下旬に掲載するため、カンパ活動を呼びかけています。
 この意見広告の目的は、(1)新聞という大型メディアを活用して、改憲勢力の真の意図が「戦争する国」づくりにあることを明らかにするとともに、「9条改憲反対」の一点による共同を広く呼びかけ、職場・地域を中心とする草の根からの運動とを組み合わせて、相乗効果を狙う、(2)意見広告を成功させるためのカンパ運動を通じて、職場における憲法闘争を強化する、にあります。
 全司法も職場での憲法闘争はまだまだ十分とはいえません。この機会に職場での論議をしっかり行い、「9条改悪に反対」の声を国民多数派とするため、全員が参加できる憲法改悪反対闘争として、カンパに対するご協力を心から訴えます。

全司法として235万円を目標
 臨時国会での山場となることが予想される11月下旬に、国公労連として全国紙(読売・朝日・毎日)のうち一紙に、朝刊(全国版)一面の新聞意見広告を掲載することを予定しており、全国800万世帯に「9条改憲反対」のメッセージを届けることができます。。
 意見広告に必要な費用は、制作費も含めて2300万円で、全司法としても235万円の目標を掲げています。
 組合員1人あたりのカンパ目標は支部ごとに設定され、10月中までにカンパ袋が職場に回覧されます。
 勤労者通信大学「憲法コース」後期や学習会、署名など、職場・地域からの憲法闘争を大いに広げ、みんなが力を合わせて意見広告カンパを成功させ、全国800万世帯に「9条改憲反対」のメッセージを届けようではありませんか。

 
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少年法が危ない!
先行採決をねらう

少年法対策委 国会要請や新聞投書を展開
 

 今秋、「新たな少年法改悪問題」がいよいよ緊急事態になっています。安倍新政権はこの秋の臨時国会において、「少年法等の一部を改正する法律案」を先行審議し、11月上旬にも採決強行を狙っています。そこで全司法では、社会的良識の回復を願って、改悪に歯止めをかけるべく、皆さんに新聞投書行動等呼びかけます。

 ここ2年、「少年法の一部改悪案」が国会に上程されたものの、『小泉郵政解散』や『共謀罪へのマスコミの総反発』などによって成立できずにきました。しかし、安倍新政権は、国民投票法案や共謀罪法案を後回しにし、政権アピールしやすい方策として、「教育基本法改正」と「少年法等の改正」を先行採決する姿勢を見せています。事態は急を要します。
 憲法改悪、教育基本法改悪、共謀罪新設等には一連の新国家主義的な狙いがあり、「少年法の一部改悪案」もそれに関連し、かつ『少年問題』に対する最も先端的・具体的な国家の在り方が示されています。この「少年法の一部改悪案」には、警察の「調査権(捜査権)」を無制限に触法少年や『ぐ犯の疑いがある少年』に拡大するという、2000年の少年法改悪以上の問題があります。背景には「少年非行の凶悪化・激化」といった一部マスコミによる根拠の無い論説の流布、感情論が存在します。
 こうした情勢に対し、少年法対策委員会は、在京・近県支部に呼びかけて、10月下旬に国会議員(法務委員)への要請行動を行い、併せて全国の皆さんに全国紙・地方紙への新聞投稿を呼びかけます。
 一人一人の率直な声を投書し、慎重審議、法案撤回を求めましょう。

少年法等の一部を改正する法律案

1  触法少年、14歳未満のぐ犯の疑いがある少年に対する警察官の調査権限付与・強化
2  14歳未満の少年の少年院送致を可能化
3  保護観察中の遵守事項違反による少年院収容制度の新設
4  国選付添人制度を拡充

 私たちの立場は原則的には1、2、3に反対、4に賛成である。少なくとも『1や2については、下限年齢を検討したり、事件種別の範囲を限定するといった慎重論議を求める。3については従来の通告制度の運用拡大をまず検討すべきである。4については事件終了時まで付添人活動を保障したい』との対論がある。

国民世論が決め手
あなたも新聞投書行動を

ためらう子育て
 出生率がここ半年、上昇していると報道されていますが、どこまで回復するでしょうか。
 あんまり続けて、学校が悪い、子どもが悪いと聞かされると、若くて知性的な人であればあるほど、子どもを生み育てることをためらうようになると思います。
 私は幸い子育ても終わってしまいましたが、子育ては失敗の連続でした。でも周りに助けられたり、少しの間、緊張と忍耐の中で子どもを見守って、何とか乗り越えてきました。子育てに満点は無い(51点なら良し)、結婚も三回位なら良しとしよう(ちょっと極端かな)というくらいのいい加減さ(寛容さでもある)があった方が、結婚率も出生率も上がるのではないでしょうか。
 今、教育基本法や少年法が変えられようとしていますが、『お国のための良い子を育てよう、間違いがあったら幼稚園児でも取り締まるぞ』といった考え方が強すぎます。
 政府は本当に、出生率回復の気持ちがあるんでしょうか。
(A)

議論が片手おち
 時代や社会が行き詰まる時、女性や子どもが異人種として注目され、時に魔女狩りのような悲惨な事態が起こるのではないかと思う。
 昭和40年頃まで、「戦後強くなったものは女性とナイロンストッキング」という冗談があった。昭和50年頃まで女性解放運動をウーマンリブと呼んだが、ウーマンリブという言葉自体に揶揄があった。その後、フェミニズム理論が多種頻出し、男女雇用均等法が施行され、現在は男女共同参画社会と呼ばれている。今や女性を揶揄することはセクハラである。まだまだ女性差別はあるとは思うが、女性を社会に位置づけることは主流となっている。
 翻って子どもはどうだろうか。可愛いだけの存在ではないはずだし、反対に手に負えない・凶悪な存在と見ることも間違いである。まだ位置づけ切れない存在ではあるが、昨今の少年法の議論は、あまりに片手落ちではないかと、かつてワルだった私は感じている。
(B)

凶悪論に根拠なし
 凶悪な少年事件が増えたといったマスコミ論調には全く根拠がない。感情論に過ぎるキャスターが多いのも残念である。
 最高裁が毎年出す司法統計によれば、殺人(殺人未遂を含む)事件で審判を受けた少年は昭和27年から昭和44年まで常に200人以上(300人以上の年も多い)であり、最高値は昭和36年の387人であった。以後減少し、昭和48年から現在まで、100名を越えたのは昭和60年の104人だけである。ちなみに成人の殺人事件は常に少年の数倍から十倍程度ある。また統計上、殺人には殺人未遂も含まれており、これらの数字の約7割は殺人未遂であった。内容的にも、少年の殺人・殺人未遂の相手は、約半数が親であり、恋人や友達、職場の上司も多い。これは昔から全く変わっていない。通り魔のように第三者を殺害することは少数と言える。
 少年法の改正が議論されているが、その前提に誤りがあるのである。〈過りを改むるに憚ることなかれ〉と孔子様は仰ったのではなかったか。
(C)

(※この意見は新聞投書行動のためのものです。これを参考に、全国的に世論喚起を)

 
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個人賠償責任共済、締切12月10日まで
 

 
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