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全司法新聞
 
TUNAGを対話のツールに
明るく、楽しく、元気よく活動していこう!
2025年度第1回全国書記長会議
 

オンラインで76名が参加して開催

 10月4日、今年度の第1回全国書記長会議をオンラインで開催しました。全国の地連・支部書記長にオブザーバーも加えて76人が参加し、秋から年末にかけてのとりくみを話し合いました。

労働組合が活動したから賃金が上がった

 中矢委員長は開会あいさつで、34年ぶりに3%を超えるなどの人事院勧告の前進面について「労働組合が活動したから勝ち取れた成果。これを職場に伝えて組織強化・拡大につなげる必要がある」としたうえで、「しかし、物価上昇に追いつかず、生活改善には繋がらなかった」と指摘して「来年の春闘で引き続き大幅賃上げを勝ち取ること、あわせて、消費税減税などの物価を下げるための運動に労働組合も結集することが重要」と指摘しました。
 その後、今回の会議はオンラインによる1日日程で開催されたことを踏まえ、3つのパートに分けて、井上書記長の提案と参加者による討論を交互に行いました。

職場実態を最高裁に伝えさせる交渉を

 最初のブロック(秋季年末闘争をめぐる情勢と課題)で、井上書記長は「最も重要なことは、12月初旬までに対応当局との交渉を実施すること」だと提起しました。これを受けて、いくつかの地連・支部から、対応当局が「上級庁の交渉後でないと交渉はできない」「早い日程で交渉を入れても回答できない」と言っているとの報告がありました。井上書記長は「予算配分等が確定する前に交渉を行わなければ意味がない」と述べ、結論を聞くだけの交渉ではなく「支部が出した職場実態を最高裁に上申するよう、下級裁を追及することが重要」だと重ねて説明しました。

離婚後共同親権や民事裁判デジタル化への不安

 2つ目のブロック(秋季年末闘争における重点要求)では、事件数が増加に転じているもとで、職場の繁忙状況や人員配置(増員)の必要性について発言がありました。また、システム開発の遅れやパソコンをはじめとした機器のスペックの低さも含め、離婚後共同親権導入や民事裁判デジタル化の全面施行を迎えることに対する不安の声が出されました。
 また、「当局は上級庁から言われて、人減らしありきで人員配置を考えている」「パワハラが増えている。とりわけ、若手の裁判官や管理職によるパワハラが多い」「欠員が埋まらず、育休などの代替要員もみつからない」「宿日直の割当が困難になり、当局が免除申請の変更について提案してきた」「給与(手当)の支給認定事務が集約されると、支給が遅くなって職員が不利益を受ける可能性が高く、強く反対する」など、参加した書記長から職場実態にもとづく意見や、地連・支部で問題になってることが報告されました。

TUNAGを「対話」をすすめるツールとして

 最後のブロック(組織強化・拡大のとりくみ)に関わって、井上書記長が「TUNAGを新採用職員に対する『セカンドアプローチ』に活用したり、10月・11月で実施を提起している職場会でのテーマにするなど、『対話』のツールとして最大限活用し、組織強化・拡大をすすめていこう」と提案したのを受けて、「組合員のスマホに直接、リアルタイムで情報が届くのは画期的」といったTUNAGへの期待とともに、「組合員を集めて登録会をやってみたい」「管内を含めてオルグを配置して組合員の登録をすすめたい」等の積極的な発言が出されました。
 組合員拡大については、第82回定期大会決定のもとになる修正案を提案した和歌山支部から「新採用が組合に加入するためのハードルをできる限り下げ、まず加入して、労働組合のことを知ってもらい、参加してもらうという活動をきめ細かく3年間続けて来たことで、組織が増勢に転じた」との報告がありました。また、10月新採用に対する働きかけについての報告もあり、「明るく、楽しく、元気よく活動していこう。書記長がそうでないと、誰もついてこない」との呼びかけもありました。
 井上書記長が「この秋、まずは役員のマインドを変え、大会で確認した373人の組合員拡大に向けて、秋段階から全ての地連・支部が全力をあげてとりくもう」と述べて会議をまとめました。

 
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職員団体の意見は関係機関に伝わるようにしたい
最高裁事務総長交渉
 

 全司法本部は10月2日、「2025年人事院勧告の取扱い等に関する要求書」に基づき、最高裁氏本事務総長との交渉を実施しました。

賃金改善部分のすみやかな実施を要求

 給与勧告については、34年ぶりに3%を超える改定であることを踏まえ、すみやかな実施を求めました。あわせて、物価上昇を上回らず生活改善には不十分と指摘し、地方勤務職員も含め比較企業規模を「1000人以上」として、すべての世代の俸給引上げに活用するよう求めました。
 諸手当については、勧告で出されたマイカー通勤の改善の実施とあわせて、特急料金支給の要件見直し、駐車場料金上限引上げ等により個人負担をなくすよう求めました。また、昨年の勧告にもとづく地域手当の引下げ中止を要求しました。
 事務総長は賃金改善について「職員団体の要望は関係機関に伝わるようにしたい」と回答し、手当については「今後の動向を見守っていきたい」と述べました。

超勤実態把握の徹底と必要な人員の確保を

 勧告と同時に出された「公務員人事管理に関する報告」では、超過勤務の縮減を重要課題とする方針が示されました。これを踏まえ、来年1月の勤務時間管理システム導入を契機に、始業前や休日を含めた超過勤務の実態把握を徹底するよう求めました。
 また、同報告が「人事担当部局による繁忙部署への十分な要員確保や人事配置の最適化」にも言及していることから、2026年度裁判所予算の概算要求における54名の減員要求は到底受け入れられるものではなく、離婚後共同親権の導入、民事裁判デジタル化のフェーズ3施行、刑事裁判のデジタル化に向けて、あらためて必要な人員の確保を強く求めました。
 事務総長は、「これまで以上に各種事務の簡素化・効率化等の取組を推進して、裁判部、事務局を問わず、組織全体として超過勤務の削減を図るとともに、事務量に応じた適正な人員配置となるよう引き続き努力していきたい」「適切な超過勤務時間の管理を行うよう今後も指導を徹底していきたい」と回答しました。

人事院の動きを踏まえカスハラ対策強化を要求

 すべてのハラスメント根絶と実効性ある対策を求めました。特にカスタマーハラスメントへの対応強化を求め、人事院が、カスタマーハラスメントの規則改正を検討しているもとで裁判所の特性を踏まえた対応を求めました。
 事務総長は、「人事院規則の趣旨等を踏まえ、(中略)ハラスメント防止に向けたより効果的な取組に努めていきたい」「カスタマー・ハラスメントに関しては、パワー・ハラスメントになり得るような言動に対しては、組織として毅然とした対応も求められること等の認識を、引き続き広げていくことが重要だと考えている」と回答しました。

非常勤、ベテラン職員の処遇改善を

 非常勤職員の待遇改善として、年次休暇の付与や子の看護休暇の有給化、各種手当の支給などを要求し、常勤職員との不合理な格差を即刻解消するよう求め、「無期転換ルール」の適用、任期制限の撤廃も求めました。
 事務総長は、「今後とも人事院の動向等を見守り、人事院において何らかの見直しが行われる場合等には、必要な見直しを検討していきたい」と回答しました。
 また、50〜60代の職員について、55歳での昇給停止や60歳を超える職員の給与を7割にするなど、給与引下げが続き、生活悪化とモチベーションの低下を招いていることを指摘し、処遇改善を求めました。
 事務総長は、「職員団体の要望は、関係機関に伝わるようにしたい」と回答しました。

 
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各地連で青年の交流イベントが開催
 

 コロナ禍で開催できなかった各地連での青年の交流イベントが復活し、全司法を通じた青年たちのつながりが広がっています。8月には「四国青年友好集会」が、9月には「東北青年の集い」がそれぞれ開催されました。

四国青年友好集会、ついに再開!

 8月23日及び24日に、四国青年友好集会を開催しました。
 新型コロナ流行に伴い、長らく開催ができていない状況ではありましたが、四国地連、青年協の方々の協力のもと、四国各県の青年に参加いただき、何とか開催にこぎつけることが出来ました。

遊んで、歌って、学んで、つながった――四国の青年たち
また会おうと、道後温泉前で約束

 1日目は、モルック大会を開催しました。
 モルックは、合計得点が50点になるように、木の棒を投げて的を倒していくというシンプルなゲームです。しかし、実は誰も(私を含めて)経験がなく、初めは手探りの状態でしたが、3人1組でプレイをしていく中で、どの的を狙うか、どのように相手チームの邪魔をしていくかなど、各チームの個性が見られて、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。
 その後は0次会、懇親会と、お酒を嗜みつつ、それぞれが会話に花を咲かせ、親睦を深めました。
 職場ではなかなか飲み会等がなく同年代の青年と関わりが持てない中で、「友好集会により色々な人とお話が出来てよかった」という声もあり、改めて友好集会の大切さを感じました。
 懇親会の後は、カラオケで時間を忘れて熱唱し、高校生や大学生の頃の気持ちに戻って楽しむことが出来ました。

定期的に開催し、青年の団結を深めていきたい

歌い尽くした夜の後は、真剣モード全開!
 2日目は、学習会を開催しました。村上青年協議長に講義をいただき、その後グループに分かれ、「交渉・学習・交流」の在り方を、青年協・地連・支部という3つの枠組みごとに検討しました。
 改めて、組合活動の意義、目的について考える良い機会になったのではないかと思います。
 最後に、道後温泉を観光しました。坊ちゃんカラクリ時計の上映や温泉街を通り抜け、昨年、数年間の改修工事を経て全館営業再開をした道後温泉本館の前で集合写真を撮影し、解散となりました。
 普段、なかなか交流できない他県の青年と交流ができる貴重な機会であり、今回ようやく再開することが出来たので、内容面でブラッシュアップを図りつつ、今後も定期的に開催し、四国の青年の団結を深めていきたいと思います。
(愛媛支部)

2年連続、今年は「田沢湖」で東北青年の集いが開催

大自然と青空が後押し!
東北青年の絆がさらに深まる
 9月27日から28日にかけての2日間、東北青年の集いが秋田県の田沢湖で開催されました。東北では青年の集いが長らく途絶えていましたが、地連と青年協の協力のもとに昨年復活し、今年無事に2回目の開催にこぎつけました。
 地元で有名なはちみつ屋のピザを食べながら自己紹介を済ませ、14人の参加者は早々に遊覧船に乗り込みました。目の覚めるような青天の下、日本一深い湖である田沢湖で大自然の力を感じました。岸についたかと思えば、廃校となった小学校(現在は学習施設)を訪れかつての生活に思いを馳せ、昨日まで会ったこともない組合員とともにスワンボートを漕ぎ、気づけば宿泊先のコテージに到着していました。コテージでは学習会が開かれ、青年協・地連・支部における交渉、学習、交流の理想像と現状、解決策について検討会が行われました。夕食は協力しながらカレーライスを作り、花火と宴会で絆を深めました。ふと空を見上げれば、宇宙へ投げ出されたかと錯覚するほどの星々が広がり、流れ星に願いをかけた青年もいました。

役割分担企画から運営まで「青年主体」――そして2日間で仲間へ

花火の明るさよりまぶしい笑顔
 2日目のバーベキューでは、食材の準備や火おこし、ゴミの分別や片付けなどを誰に言われるでもなく個々の青年が自発的に行い、自然の恵みを存分に楽しみました。たった2日間で互いの顔も知らなかった青年が、まるで昔からの友人のように談笑し、別れを惜しみながら解散する様子はまさに今年の集いが大成功であったことを示しています。
 今年の集いの企画は司会進行を輪番で回し、予算係、レシート回収係、予約係、企画係などと多数の仕事を分担して行い、一人に負担が偏らないように工夫して行われました。昨年と比べて会議も盛り上がり、成長を実感しています。集いは交流が第一の目的ではありますが、企画者の学習の機会でもありました。
 東北の各支部の青年が、青年でいられる時間はあまり残されていません。今の組合活動を支えている方々が引退した後、今の青年が活動を引き継がなければなりません。すでに支部や地連の役員となっている青年も多数います。東北青年の集いは、来るべき時に備え、団結を確認するとともに、新世代の活動の予行演習となっていくでしょう。
(秋田支部)

 
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大丈夫?裁判所のデジタル化 第2回
来年5月の「フェーズ3施行」への懸念
 

フェーズ3施行の懸念について意見交換

 10月2日、来年5月から施行される民事裁判デジタル化フェーズ3への懸念から、施行延期を求めている弁護士の方々のお話をお聞きしました。「何らかの理由で電子提出できていなかった場合に、不利益に扱われることがあるのではないか」「mintsで施行した後でTreeeSに移行し、データ移行ができないなら、記録管理が複雑になって過誤の原因になるのではないか」「データ移行のために業務委託すべきではないか」などのご意見をお聞きしました。
 これを受けて、全司法は「施行の延期」は要求していないものの、現場からは「システム開発の遅れにより、事務が二度手間、三度手間になる」「職員端末等のスペックが低い」「チームズ導入時やテナント移行時に現場に十分な情報提供がされなかった経験を踏まえると、弁護士をはじめ当事者からの問い合わせに支障をきたすおそれがある」「書記官の増員がなく、特に地方では減員されており、人的体制が不十分」などの懸念をお話ししました。
 折しも、9月8日には、最高裁からTreeeSについて「完成時期については、現段階では、本年12月をめざして作業をすすめており、遅くとも2025年度中には完成する見込み」という説明とともに、導入時期については「2027年度中、より具体的には、2027年3月の改正刑訴法の一部施行や、同年9月末のGSSへの移行といった時期を避けて、導入することをめざす」として、これまでの予定からさらに後ろ倒しになる説明がありました。
 諸要求期の事務総長交渉で「間近に迫ったフェーズ3を万全の態勢で迎えるために、e事件管理システム(RoootS)を始めとする各種システムが安定的に稼働し、障害時においては迅速な対応ができるよう十分に配慮していきたい」とした回答の具体化を強く求めるものです。

 
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