計画運審にむけて連名で「意見書」提出
2月2日の骨子運営審議会において、共済本部が共済支部を本部に統合する案の概要の説明を行ったことについては、全司法新聞第2349号で、お知らせしたところですが、3月22日の計画運営審議会で、この統合案の概要をベースに統合にむけた検討をすすめていくことの可否について、審議が行われます。
この運営審議会にむけて、全司法推薦の運営審議会委員は、地連・支部から寄せられた意見等も参考に検討を行い、3月5日、共済本部が説明した統合案の概要をベースに検討をすすめることに反対する「意見書」を共済組合本部長および運営審議会会長あてに提出しました。
組合員サービスが低下しないかを第一に考慮すべき
組合員の掛金を原資として事業を運営する共済組合がその組織のあり方を検討するにあたっては、組合員サービスが低下しないかを第一に考慮すべきです。組合員からの相談に対応し、個々の組合員に応じたきめ細かなサービスを提供してきた各庁の共済組合係がなくなることによるサービスの低下は避けられないと考えられ、地連・支部からもこれを懸念する意見が多く出されています。
組合員の意見を反映するとりくみの維持は不可欠
共済組合に組合員の意見を反映するための事業計画および予算に対する要望の聴取、運営審議会委員による支部視察に替わるとりくみ、組合員や被統合庁の事務担当者からの意見聴取や意見を事業に反映させるとりくみの実施については、今後検討していくとし、明確にしていません。これらは共済組合の民主的運営や組合員サービスの向上を考える上で、大きな意義を持つもので、組合員の意見反映のシステムの維持は不可欠です。
また、統合の目的のひとつに、事務担当者の知識の継承や計画的育成といった課題の解消があげられています。管理職員を含む事務担当者の異動のあり方、研修のあり方、執務資料の整備などが、課題解消のために効果的なものであったか、また、これらを検討・具体化する共済本部の態勢、とりわけ人的手当が十分であったかなど、まずは、これまでのとりくみを最高裁・共済本部が総括し、説明すべきです。
検討に必要な情報の提供が不十分
その他、統合した場合の共済本部と被統合庁における具体的な事務切り分けと事務負担、必要な人的態勢の見込み、事務処理にあたって連携が不可欠な人事・給与や経理をはじめとする各部署との連携のあり方、組合員が手続を行う場合の基本的な事務フローなどが明らかにはされておらず、統合の可否を検討するための情報が十分に提供されていません。統合にむけた検討をすすめるのであれば、統合した場合に問題が生じないかを検討するのに必要な情報を提供し、組合員や事務担当者の理解を得るべきです。
結論ありき、スケジュールありきの検討を行わないこと
今回の案をベースに検討を開始することが決定されると、今秋(遅くとも年内)には、東京支部の最高裁への移転やその後の統合について、共済本部および最高裁の方針が事実上確定されるものと思われ、統合の可否を含めた検討を行うと説明されているにもかかわらず、結論ありき、スケジュールありきの検討となりかねません。
組合員サービスが低下することなく、サービス向上がはかられるよう、引き続き、意見反映をはかっていきます。
共済本部が示す「統合の目的」
裁判所共済組合には、地方裁判所所在地に51の支部(東京のみ2)が存在するが、裁判所は裁判官を始めとして職員の異動が多く、職員(組合員)が支部を異にする異動をするたびに被扶養者認定を繰り返す必要があるなど、職員(組合員)及び共済事務担当者の負担となっている。
また、裁判所共済組合は、国(裁判所)と別組織(法人)であり、規範や業務内容が国(裁判所)と全く異なる上、組織も小さく、共済事務の担当者、経験者が少数に止まるため、共済事務の遂行に当たっては、担当者間の知識の継承及び担当者の計画的育成が長年の課題となっている。
そこで、全国の支部を本部に集約することにより、事務の合理化(適正化)及び課題の解消を図りたい。
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