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最高裁人事局長と交渉する全司法本部 |
非常勤のステップアップ制度 検討姿勢示す
全司法本部は、「2020年国公労連統一要求書」及び「2020年4月期における昇格改善要求書」に基づき、3月3日に福島人事局総務課長と、10日に堀田人事局長と、交渉を実施しました。
賃金課題では、初任給の改善をはじめ、高齢期雇用の在り方に関わる退職手当、官の必要性から行う異動と密接に関係する手当である地域手当、住居手当、通勤手当、単身赴任手当について、関係機関に向けて改善の働きかけを強めるよう、アンケートの結果や職場からの声に基づいて当局を追及しました。これに対して「最高裁として正式に意見を述べるべき立場にない」「裁判所の独自性を主張できるようなものではない」としつつも、「強い要望を持っていることは認識しており、…要望は関係機関に伝わるようにしたい」と回答しました。
非常勤職員制度については、非常勤職員が選考を経て常勤職員となることを可能とするステップアップ制度について、具体的に検討をすすめている姿勢を示しました。また、「障がい者と共に働く職場づくりに関して、各庁の職員の尽力もあって、非常勤職員の採用等が円滑にすすんでいる」として職員の協力を評価するとともに、非常勤職員の採用・処遇関係について「必要な事柄は適宜説明を行うなど、誠実に対応していきたい」と回答しました。
サービス残業「あってはならない」改めて指導徹底
年度末に向けて職場の繁忙度が高まる傾向にあることから、超勤の上限規制や長時間勤務縮減に向けたとりくみについても重点的に追及しました。「サービス残業や持ち帰り仕事があってはならないとの姿勢は当然変わるものではないが、改めて下級裁に対して指導を徹底していきたい」と回答しましたが、事務の効率化については、通達の改廃を含む具体的な事務改善策は示されませんでした。
10月から新たに導入された公務の運営上の事情による早出遅出勤務について、限定的かつ一時的な運用にするよう追及したのに対し、「強制にわたることがないよう努めていきたい」との回答がありました。また、マイナンバーカードの取得については、改めて「協力を求めるにとどまるものであり、取得を強制するものではない」と回答しました。
パワハラ防止策「職員団体の意見を聴くなど誠実に対応」
パワー・ハラスメント防止に向けた指針の策定については「必要に応じて職員や職員団体の意見を聴くなど誠実に対応していきたい」と回答しました。全司法からは人事院が出した措置要綱に対する意見を述べ、裁判所における指針策定の検討にも反映させるよう求めました。
休暇・休業制度や次世代育成支援制度、母性保護については、アンケートを基に最高裁回答と職場実態が乖離していることを具体的に伝え、抜本的な改善を求めました。
移転料の新たな運用については、「職員団体の意見、要望等は機会を捉えて関係当局に伝えていきたい」と回答したほか、引き続き情報収集をしており、対象者や事務担当者の負担を考慮して整理できたところからQ&Aを配布したと説明し、今後も適宜情報提供を行っていく姿勢を示しました。
人事評価の運用「更に充実できるよう検討していきたい」
人事局長交渉では、新型コロナウイルス感染症対策についてもやりとりしました。業務継続については、「各庁において適切な対応ができるよう努めていきたい」と回答したことを受け、最高裁としてより主体的にとりくんでほしいと要請しました。特別休暇等の要望については「機会を捉えて人事院に伝えるようにしたい」と回答しました。
昇格については、本年3月に4級以下のまま退職する職員の数について「20前後であり、うち書記官は1桁半ば、3級退職者が1桁前半、2級退職者が0又は1」と説明しました。数が増えていることについて問題意識を伝え、改善策を求めました。当局は「従来の枠組みを変えるものではない」との姿勢を示したほか、昇格実施に向けた指導・働きかけとして「人事評価制度の運用については、更に充実できるよう検討していきたい」と回答しました。
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