秋年期の総括
支部独自行動で「活動の見える化」を意識
「新たな組織方針」のもと、多くの支部から、交渉当日の朝ビラ行動やアンケートなどの独自のとりくみが報告され、こうしたとりくみが組合員はもちろんのこと、未加入者も含めて全司法の活動を職場に示していく「活動の見える化」を意識したものとなっている状況が示されました。
山形支部からは「交渉当日の机上ビラで、要求実現をめざす支部の活動を示せた」との発言があり、宮城支部からは「役員構成が若年化しているもとで、支部独自行動にとりくむことの意義は大きい」との発言がありました。
宮崎支部からは「早い時期の交渉配置にこだわり、昨年に引き続き11月に交渉を実施した。12月中に要求が実現できたものもあり、組合員から感謝された。現場で考え、現場で起きている問題にスポットをあてて、動きを作りたい」との発言がありました。
災害時における登庁の要否や特別休暇の運用に関して、広島支部から「平成30年7月豪雨における当局の対応が遅く、職場では不信感があった」との発言の一方で、札幌支部からは「9月に発生した北海道胆振東部地震の際における当局の対応は概ね問題なく、災害用備蓄品の利用も認められた。災害時に問題点を指摘してきた各支部のとりくみに基づいた全司法の活動の成果だと考えている」との発言がありました。
情勢・賃金
経済にも影響する賃上げの重要性
情勢について「格差と貧困の拡大が世界的な問題となっており、世界経済にも悪影響を与えている。日本でも一人親世帯の貧困の高まりなど、格差解消が大きな課題になっている」(宮崎)、「消費税の10%への増税は生活に大きな打撃を与える。都市部への人口流出で地方は疲弊している。全国一律最賃制度の確立、雇用確保と均等待遇等に向けて、地域のとりくみに結集したい」(福岡)との発言があり、経済にも影響する賃上げの重要性が述べられました。
また、愛知支部からは毎年とりくまれているトヨタ総行動について報告があり、「民間賃金の改善が人事院勧告にも影響することから、民間春闘のとりくみに積極的に結集したい」との決意が述べられました。
人員・全司法大運動
人員シフトにより職場が疲弊。大幅増員が必要
人員については、人員シフトにより人が減らされ続けたことにより現場は疲弊しており、病休者も多く、限界にきているとの報告が多くの支部からありました。
福岡支部からは「この間、定員削減がすすめられているが、事件の動向も踏まえると、地方においては更なる減員を危惧している」との発言があり、あわせて「超勤上限規制に伴って、サービス残業が増えるのではないか」との懸念が示されました。
全司法大運動のとりくみについて、「職場内における署名については、職場委員の協力を得ながら、職員名簿をチェックシートにして署名をとりこぼすことがないよう点検をしっかり行いたい」(福岡)、「未加入者や管理職にも声をかけながら、内部集約にも力を入れている」(石川)との発言がありました。
職場諸要求
上限規制のもと簡素化・効率化と人的整備が必要
超勤縮減については、当局の具体的な超勤縮減案についての問題指摘(愛知、最高裁)、4月から超勤の上限規制が始まることがサービス残業を助長することにつながらないかとの懸念、当局の責任で事務の簡素化・効率化を図らせ、人的態勢の整備をさせていくことの必要性の発言(長野)がありました。
また、広島支部からは、秘匿情報の管理、予納郵券の管理などの書記官事務について詳細な報告があり、「不必要な事務や費用対効果が少ないものについてはやらないという姿勢も必要」との意見が出されました。
富山支部からは、職場で発生したパワハラの問題について、「職場会を通じて意思統一を行い、職場大会を開催したことで、職場を巻き込んだ運動を展開することができ、組合員全体の問題としてとりくめた」との報告がありました。
障がい者雇用に関しては、「採用までのスケジュールがタイトで現場が混乱している」(広島)、「生き生きと働いてもらうために、当局に職場環境を整備させる必要がある」(愛媛)との発言がありました。
また、鹿児島からは現行旅費法の問題点、香川支部からはインフルエンザに関する休暇制度の改善と裁判所の安全管理の課題について発言がありました。
宿日直
令状センターめざすとともに、今の負担軽減を
宿日直について、負担軽減策の紹介のほか、「支部の宿日直の対象職員が減り本庁集約を求めている」(長野)「休日の日直態勢について改善を勝ち取った」(愛知)などの発言がありました。また、鳥取支部からはGWの10連休での宿日直の負担軽減と、給与事務への影響を懸念する発言がありました。
札幌支部からは、宿日直業務に関する適用法令をあげて「断続的勤務とは『ほとんど労働する必要がないもの』をいい、令状処理などの裁判事務を宿日直員に行わせるのは、そもそも無理ではないか」と指摘し、「令状センター構想は裁判所の令状処理体制を抜本的に見直すものである点で評価しているが、一朝一夕に実現できるものではない。現在の裁判所における宿日直業務にまつわる法令上の様々な問題点に関する認識を深め、その成果を日常活動に生かすとりくみこそが重要」との発言がありました。
組織強化・拡大
仲間のためにとりくむのは組合の存在意義
組織課題については、「昨年4月採用の加入が進んでいない。イベントには参加してくれるので、人とのつながりは求めていると思う。人と人との繋がりを綿密にするために、九州地連提起の『9のつく日に集まろう』という職場会の実施にとりくんでいきたい」(福岡)との決意が語られました。また、「青年部での学習会や懇親会を通じて、青年層の横のつながりができた」(岡山)、「女性部で書記局カフェを開催し、本庁組合員の7割が参加。管内には教宣紙で報告した」(島根)などの活動報告がありました。
そのほかにも、「組織強化には分会の強化が必要。分会に役員経験者を配置し、現場が動くようにした。若い役員には教宣紙を担当することで、組合の動きを理解してもらうように努めた。また、裁判所と他単組の若手職員同士の交流の場を設け、他の組織の労働環境を知ることで、自分たちの労働環境を考える流れを作っていきたい。」(宮崎)という次世代の担い手を作る活動をすすめる発言もありました。
また、障がい者雇用が始まることを受け、「組織拡大の面からいうと大きなチャンスといえる。組合加入の呼びかけをしていきたい。庁舎施設の不備等、多くの要求が出ることが予想され、組合の実力が問われてくる。職場の仲間のためにとりくむのは組合の存在意義。新しい組合員を迎え、よりよい組合になるよう執行部が中心となってとりくんでいきたい」(富山)との発言がありました。
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