全司法は、第74回定期大会において、「職場における対話活動」を重視してとりくむ方針を確立しました。これを受けて、秋年期・春闘期・諸要求期に全ての職場で職場会を実施することを提起していますが、みなさんの職場では「職場会」はどのように開催されているでしょうか?今回は、「職場会」に参加する、「職場会」を進めるにあたって気になる点を改めて紹介します。
「職場会」で「対話」から「要求」を掘り起こす
Q 「職場会」は何のために行うのですか?
A 労働組合は、組合員の「要求実現」に向けて交渉や運動をしています。運動を進める中で重要となるのは組合員の「要求」であり、その要求を把握することが大切です。そして、要求把握のために必要なことは「対話」であり、その手段として「職場会」を重視しています。
また、「集まって話をする」こと自体が組合員の「居場所」づくりになるという視点からも、大切なとりくみだと考えています。
Q 「職場大会」と「職場会」は何が違うのですか?
A 組合員が集まる場という意味では「職場大会」も「職場会」も共通する部分はありますが、その目的が異なります。「職場大会」は全司法の主張やとりくみを説明して理解を得る、その時々の情勢や運動の方向性を確認し合うことなどが目的になるため、執行部からの報告が中心になります。それに対し、「職場会」は、対話自体に重点を置き、一人ひとりの参加者の声や思いを引き出すことが目的になります。
Q 「職場大会」と「職場会」で、参加者は異なりますか?
A 「職場大会」は運動の方向性など、みんなで集まって決める、確認するということを目的にするので、同じ庁舎の全組合員が一堂に会します。それに対して、「職場会」では、一人ひとりの参加者が感じる職場の課題や問題点を対話の中で掘り起こすことに重点を置くため、人数が多すぎると一人ひとりが話すことのできる時間が限られます。そのため、部署ごとでの開催のほか、近接した部署と合同での開催(小規模庁において、執行係・破産係の合同開催など)、部署の中でも分割して開催(民事1部と2部で別々に開催など)など、規模に応じて適度な人数で開催します。また、「対話活動」として考えれば、世代(中高年、青年など)や職種別、女性の集まりなど、配置部署以外の区分けで開催することも可能です。
参加する暇がない… それこそが課題であり、要求です!
Q 「職場会」ではどんなことを話すのですか?
A 「要求はありますか?」と言われても何を話せばよいか分からないという声を聴きます。しかし、個別の課題に目を向けるといろいろな問題や不満が出てきます。職場の繁忙、長時間労働、サービス残業、管理職の不適切な言動、各種システムの不都合など、日ごろ感じている不満や問題点を話してください。全司法が勝ち取った「働きやすい職場」の実現も現場の生の声から始まっています。
Q 始業前、昼休み、終業後のいずれであっても仕事が忙しくて職場会には参加できないのですが…?
A 「職場会に参加する暇もない」ということ自体が職場の問題点です。そのように感じる人こそ、人員削減や事務量増大のしわ寄せを受けているなど、職場の問題を肌で感じているはずです。そして、それはその人やその部署にいる人が声を上げなければ気付けないものかもしれません。職場を良くするために少しでも良いのでその貴重な時間の一部を共有させてください。
Q 育児や介護のため、昼休みが30分しかないので、参加しづらいのですが…?
A 「職場会」は昼休みに開催する支部が多くあります。昼休みが短い方も、少しの時間でも良いのでぜひ参加してください。育児や介護を抱える方には、その人にしか分からない苦労や悩みがあるでしょうし、そのような方の声も大切です。少しの時間でも難しい、又は夕方に職場会を開催しているため残って参加することが難しいという方は無理をする必要はありませんが、他の人に託す、直接役員に伝えるなど、何らかの形で困っていることを教えてください。
2月中に全職場で「職場会」開催 積極的な参加・発言を
たくさんの組合員が職場会に参加することで、職場を多角的な眼で見ることができ、多様な意見を掘り起こすことができます。2月には、全ての職場での職場会を提起しています。これまで参加できなかった方、参加しても発言できなかった方、今回は参加して、少しでも「話をして」みませんか。職場会に参加して、職場の課題や問題点を共有し、裁判所をより働きやすい職場にしていきましょう。
職場会で話題にしてみよう! その1
超過勤務は100%申告していますか?
みなさんは超過勤務について100%申告していますか?
周りの人はどうですか?
申告していないなら、その理由は何でしょう?
全司法は
○ 長時間労働をなくす観点から超過勤務は縮減すること
○ そのために、当局の責任で事務の簡素化・効率化をすすめること
○ 実際に行った超過勤務は、早朝・昼休み・休日を問わず手当を支給すること
○ その大前提として、超過勤務は当局の責任できちんと把握すること
を求めて運動してきました。
こうしたとりくみの成果として、最高裁も同様の認識に立ち、2018年の秋季年末闘争期の交渉でも
○ 組織全体として超勤削減に向けたとりくみをこれまで以上に進めていきたい
○ 超勤削減に向けて事務の簡素化、効率化に向けたとりくみをこれまで以上に進めていきたい
○ サービス残業や持ち帰り仕事については、あってはならないし、そのようなことがないよう、超過勤務については、的確かつ遅滞なく把握するよう今後も指導を徹底していきたい
と回答しています。
2019年4月から「1か月で45時間、1年間で360時間(他律的な業務の比重の高い部署では1か月で100時間、1年で720時間)」とする超過勤務命令の上限規制が人事院規則に定められます。
最高裁は「新たな上限規制の運用の下でも、サービス残業や持ち帰り仕事があってはならないとの姿勢は当然変わるものではない」と回答しており、むしろ、これを機に全国全ての職場でサービス残業が「0」になるようとりくみをすすめることが必要です。
そのために何が必要か、みなさんの意見を聞かせてください。
職場会で話題にしてみよう! その2
要求を前進させ、職場を作る仲間を増やそう!
新採用があることはもちろん、4月の異動期は組合員を増やすために最も大切な時期にあたります。
ぜひ、みなさんの力を貸してください。
全司法本部は2018年秋季年末闘争の交渉で様々な要求を前進させました。本部だけでなく、各地連・支部の交渉でも、要求を前進させ、当局を動かす成果をあげています。この機会に、どういう「到達点」があるのか、ぜひ確認してください。
要求前進は、はっきり目に見えるものだけではなく、毎年・毎回の交渉を積み重ねていく中で、少しずつ動かしてきたものも少なくありません。
裁判所の職場の様々な仕組みは、そうした当局と全司法との交渉の結果としてできあがっているものがほとんどです。そうした要求の出発点は、職場の組合員から出された声にあります。
「職場会に出て、話をする」こと自体を最も大切な組合活動だと位置づけたいと考えています。
また、これからも、多くの要求を前進させ、働きやすい職場を作り・守っていくためには、職場の多くの方に全司法の組合員になってもらうことが必要不可欠です。
より多くの組合員がいれば、多様な意見を聞くことができ、全司法の活動はより良いものになってきます。
より多くの組合員がいれば、当局に対する強いアピールになり、要求が前進し、より良い職場が作られていきます。
より多くの組合員がいれば、全司法を通じた人と人との結びつきが広がり、組合員のみなさんのより良い職場生活や仕事にも役立つ組織を作ることができます。
より多くの組合員がいれば…、これは私たちの切実な願いです。
新採用職員や職場に異動してきた人に「組合に入ろう」と声をかけてもらえませんか?
機会をとらえて全司法で経験したことを語ったり、「全司法新聞」が配られた時に話題にするなど、職場で労働組合のことを話題にしてもらえませんか?
職場で一緒に仕事をする仲間の言葉は、組合員を増やすうえで非常に大切です。役員でなくても、負担のない範囲で「何か」協力してもらえることはありませんか?
組合員を増やすため、ぜひ、みなさんの力を貸してください。
職場会のテーマはこの2つに限るものではありません。みなさんの職場でも、ぜひ、気軽に集まり、ざっくばらんに話をする機会を作ってください。 |