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全司法新聞
 
働くルールの確立求め11・28中央行動
 
 「公務公共サービスの拡充、働くルールの確立、民主的な予算編成、地方自治の拡充、新テロ特措法反対」の要求を軸に、公務労組連主催の中央行動が11月28日に実施されました。全司法からは、8地連35支部84名の仲間が結集しました。
 「地方切り捨て反対、地方自治拡充求める」総務省要求行動を皮切りに、「国民本位の予算編成を求める」財務省前要求行動にとりくみ、その後「公務・公共サービスの拡充、働くルールの確立を!」11・28中央集会に参加し、締めくくりに、国会にむけてデモ行進を行いました。(後記:寒い中、参加されたみなさんご苦労様でした。本部組織部長)
 
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全司法本部四役 島田長官と会見
 
 全司法本部4役は11月27日、就任あいさつをかねて、島田仁郎最高裁長官と会見しました。全司法本部と最高裁長官との会見は、全司法との誠実対応を約束した「3・18事務総長見解」が出された翌年の1993年以来、毎年秋に行われており、今年で15回目です。
 「三権の長」である最高裁判所長官が、全司法の代表と会い、裁判所の人的・物的充実、職員の処遇改善などについて、長官が直接考えを述べ、その内容も、全司法の要求に対する前向きな努力と誠実対応という基本姿勢を明らかにしており、職員の勤務条件改善のうえからも大きな意義をもつものです。下級裁においても、長官発言の見地で各地連・支部との誠実対応が求められます。
 会見では石橋委員長から当面の重点的な課題として、(1)司法制度改革、裁判員制度、裁判所の人的・物的充実、宿日直改善、職員の処遇の改善について、(2)公務員制度改革(労働基本権と人事評価制度)について、(3)超過勤務縮減及び職員の健康管理の充実について、(4)全司法との誠実対応についての4点にわたり、情勢や職場の実態に基づく要請を行いました。
 これに対して島田長官は、「いろいろな問題について、コミュニケーションをとりながら、より良い方向で解決していってもらいたい」とした上で、「人的物的整備に引き続き努力する」、宿日直については「引き続き慎重に検討させたい」、労働基本権については「政府の今後の対応を見守っていきたい」、健康等については「工夫すべき点がないか検討していく」、全司法との誠実対応については「当然のことと考えている」と述べました。なお、この発言については、当局側でも「その経過および内容を下級裁に伝達して周知させている」との扱いになっています。
 やりとりの要旨は3面掲載のとおりです。
 
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上京団に参加して
参加者の声
 

真冬の大地から
 真冬の大地から晩秋の大都市へ。北海道・旭川から私とKの二名が上京団行動に参加しました。移動手段は常に車という私たちにとっては複雑すぎる交通網を駆使し集合場所の総務省前に辿り着くと、全司法の旗以外にもいろいろな旗が揚がっていて、やはり組合にとって数の力は大切なんだと実感させられました。
 各団体の決意表明等が始まると、参加者全体に連帯感が生まれてきたように感じました。他官庁もそれぞれ独自の問題を抱えていることが分かり、お互いに力を合わせて闘っていかなければという意欲が湧いてきました。その中で特に印象に残ったのが、世間では公務員の人件費が税金の無駄だと叩かれているのに、いざ公務員とその給与を減らしても国の借金は増えるばかりだという話でした。莫大な国債の原因を私たち労働者に押しつけることには納得がいきませんでした。
 空腹のせいもあってか怒りが頂点に達したところで、日比谷公園に移動。そこでは今回の参加者全員が集まり、集会を行い、さらに焼きそばを食べて気分を持ち直したところで,団結ガンバロー!国会へデモ行進に向かいました。
 当日は、世間では寒さに強いと思われている道産子の私たちですら凍えるほどの寒さだったのですが(東京は暖かいと思い薄着で来たせいもあります)、全国の仲間とともに公務・公共サービスの充実等を訴えました。北国特有の問題としては、原油の高騰にもかかわらず寒冷地手当が引き下げられているということがあります。今後も各種要求の実現に向けて、精一杯活動する必要があると改めて実感しました。(旭川支部 E)

初めての上京団
 「11・28中央行動は秋期の重要な行動なので、全支部から参加しましよう!」との言葉に、初めて中央行動に参加しました。
 集合時間までにビラを配る単組もあり、霞ヶ関界隈は寒さも吹き飛ばす勢いです。
 全司法の集まりに入ると、方言も聞こえ、全国から集まっている実感がします。国公労連や自治労連の仲間が結集し、総務省の前はすでに埋め尽くされていました。
 中央行動が始まり、労働者を取り巻く厳しい状況が訴えられます。国体開催県からは地元の大変さが伝わってきました。最低賃金の引き上げ等訴えました。
 続いて財務省前でも独立行政法人や地方自治体の状況改善を求めて行動を行い、曰比谷野外音楽堂に移動して中央集会が開催されました。各組合が幟(のぼり)を持ち大勢結集しました。
 厳しい予算削減の実情、生存権さえ脅かす病院の削減、全国の働く仲間からの叫びが集まります。連帯することの大切さを肌で感じる集会でした。
 続いて国会請願デモが行われました。街路樹が見事に色づく中、長いデモが続きます。
 デモを終え、最後に、全司法石橋中央執行委員長のテンポの気持ちよい団結頑張ろうで、これからもがんばろーと仲間が全国に帰って行ったのでした。
(鳥取支部 F)

 
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島田仁郎長官との会見(要旨)
相互の信頼関係を確認 人的物的整備に努力
 
■司法制度改革
 新たな制度の実施段階を迎える司法制度改革について委員長は、「裁判員制度を中心とする司法制度改革が、実を結ぶかどうかは、何よりも受け皿となる裁判所の人的・物的な充実が不可欠」であることを強調し、具体化等にあたり、職員の意見、要求に十分に耳を傾けることと合わせて、処遇改善の積極的な検討と、各種手続の運用面での早期具体化と全面的な開示を強く求めました。
 あわせて、国の歳出削減方針と公務員総人件費削減方針を基本とした逆風が吹いている中で、制度改革の理念が十分に生かされるための「万全の態勢」づくりに向け引き続く努力を要請しました。
 これに対して長官は、「人的物的態勢の整備に引き続き努力していく必要がある」との基本姿勢を明らかにし、「改革の趣旨が最も生かされるような運用を確立するために、施策の趣旨を的確に理解した上で、創意工夫をしていただくよう職員の皆さん方に期待したい」と表明しました。
■宿日直の改善
 宿日直の改善について委員長は、主に職員の生活面と健康面からくる苦痛や困難を問題意識として、その緩和をはかり、かつ、とりわけ夜間における令状事務処理態勢整備の必要性をふまえ、宿日直態勢の見直しと改善を要望しました。
 長官は、「令状の処理という国民の権利義務に直接かかわる問題と関連する事柄であり、どのような方策を採りうるかも含め、引き続き慎重に検討させたい」と述べ、引き続く検討姿勢を表明しました。
■労働基本権
 労働基本権について委員長は、政府の行政改革推進本部専門調査会の「公務員の労働基本権のあり方について」の取りまとめ報告にふれ、「一定の非現業職員に協約締結権を付与」することを主張していることは、前進的で意義あるものと受け止めていると述べました。
 しかし、労働協約締結権と一体不可分の関係にある争議権について、賛否双方の主張を列記する両論併記にとどめたことや、労働協約締結権の付与についても具体化を先延ばしにしようとしていることなど、多くの問題点や不十分さを含んでいると指摘しました。
 そのうえで、次期通常国会に提出予定の「公務員制度改革基本法案」設計への意見反映を含め、労働協約締結権の早期の具体化と、問題整理をすすめるため、労使での協議機関の設置など、必要な対応を求めました。
 長官は、「公務員の労働基本権の問題は、非常に大きな問題であり、様々な意見や考え方があり、政府の今後の対応を引き続き見守っていきたい」と応えるにとどまりました。
■人事評価制度
 新たな人事評価制度にかかわって委員長は、最高裁が「裁判所の制度設計」を行う場合、透明性・客観性・公平性・納得性のある制度とすべきであり、労働条件に直接関わる内容でもあることから、正式な労使協議事項として全司法と合意のうえで決定するシステムを求めるとともに、十分な協議を要請しました。
 長官は、「人事評価制度については、より適切に機能するように整備していく必要があると考えており、その検討に当たっては、担当部局において誠実に対応させたいと」応えました。
■超勤縮減・健康管理
 超勤縮減や職員の健康管理の充実について委員長は、「健康で、安心して働き続けられる職場」の実現のために、「従前以上の積極的な、実効性ある努力」を求めました。
 これに対して長官は、「心身の健康の保持・増進、家庭生活と両立できる環境整備が重要。今後も実効性を高めるために工夫すべき点がないか検討させていく」と、前向きな姿勢を表明しました。
■労使関係
 最後に委員長は、「92年3月18日の事務総長見解の趣旨を基本とする労使関係の重要性」を強調し、全司法との誠実対応を求めました。
 長官は、「事務総長見解の内容は当然。職員の勤務条件やこれに関連する事項については、これまで築き上げてきた相互の信頼関係に基づき、率直に問題意識をぶつけ合い、忌憚なく話し合う中で、問題の解決を図っていかなければならない」との基本姿勢を引き続き明らかにしました。
 
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事務官会議
事務官処遇改善に向け署名・寄せ書き行動を確認
 
 11月25〜26日星陵会館(東京都千代田区)で地連事務官担当者会議を開催し、同26日事務官上京団交渉を実施しました。
 事務官担当者会議では、次の3点を討議しました。
1 全国の事務官運動の年間スケジュール案
2 参事官室提言をふまえ今後の事務官運動の進め方
3 当面する重点課題
 以上三点を討議した結果
1 事務官の重点要求の前進を図るため、年2回署名・寄せ書き行動を行う。
・4月期の事務官の昇任昇格要求実現等を求める署名行動を全国一斉に実施し高裁・地家裁に提出する。
・次年度予算に向けた事務官の重点要求等を求める寄せ書き行動を全国一斉に実施し最高裁に提出する。
・これらのとりくみは、単年度のとりくみに終わらせず、事務官の処遇の抜本的な改善が実現するまで毎年実施する。
2 全司法労働組合が確立した「参事官室提言の中間総括」をふまえた今後の事務官運動の進め方について、08年7月全国大会に向け本部事務官担当と各地連事務官担当で検討を進め、08年度運動方針案での「骨子案」提起を追求する。
3 当面する重点課題を討議した結果、次の3点について、とりくみを強めることを決定しました。
・裁判員制度導入に向け、08年4月期の人員配置で訟廷・事務局の増員を求める。また、裁判員選任手続を具体的にどの部署が担うのか、各庁当局に明らかにさせる。
・検察審査会の配置見直しについて、検審制度の充実及び事務官ポストの拡充を求める。
・事務官4〜5級の昇格要求を実現するため専門職発令の拡大及び事務局のラインポストへの専任事務官の登用拡大(有資格率の引き下げ)を求める。
 討議の中で、参事官室提言は出されたものの、「高裁管内の課長補佐・課長ポストの大半を有資格者が占めているため、専任事務官の処遇が劣悪である」等の報告が相次ぎ、局長・次長等の幹部職員を書記官で独占している庁の事務官に対する差別偏見に満ちた異動昇任の実態が明らかになりました。昔から「裁判官、書記官、犬、事務官」と言われる職種差別を根絶するため、劣悪な高裁・地家裁当局については、最高裁に対し名指しで改善を求める等、とりくみの強化策の検討を行っていきます。

上京団交渉について
 地連事務官担当者会議でとりまとめた各庁の現場の生の声を給与課長に伝え、その改善を求めました。交渉結果は後日各支部に送付します。
 
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書記官会議
基幹職種として中心的役割を果たそう
 
 12月2日から3日にかけて、東京・南青山会館において、地連書記官担当者会議を開催し、全国各地連の書記官が結集しました。
 職場実態の報告では、主に家裁家事部と地簡裁民事立会部の繁忙実態について、全国各地から報告がありました。
 家事事件については、窓口相談の負担、当事者対応の厳しさ、専属裁判官の不在による相談・決裁・期日指定等の苦労等、事件数だけでは計ることのできない負担感があります。内部努力も限界となっていることから、統計だけでなく職場実態に応じた人員配置を求めるとともに、抜本的な事務の改善を求める声が全国から上がっています。
 民事事件については、とりわけ過払金返還請求事件の増加が特徴となっており、取り下げで終わるケースが多い反面、複数の契約を一つの訴状にまとめた事件の負担や、期日間準備等の負担など、リアルな職場実態が報告されました。
 裁判員制度に関する諸問題について、各地域ならではの問題点の指摘が報告されました。具体的な事務処理内容や、各種システムのレスポンスや使い勝手の問題等、全国的な課題はありつつも、結局、ローカルなルールづくりがほとんどであることから、全国で必要な準備を間に合うようにすすめるとともに、そのために最高裁や現地当局に対し必要な情報を早急に明らかにさせるとりくみが重要となることを確認しました。
 また、裁判員制度におけるアウトソーシングについて、最高裁に対し、情報の管理には万全の態勢をとることを求めていくことを確認しました。
 書記官事務の省力化については、控訴事件における合理的な録音体の反訳、ナンバリングの廃止、音声・映像データの調書引用、通達検索システムの開発等、職場からの積極的な提案がありました。
 2日目午後の最高裁・垣内給与課長との上京団交渉では、会議で出された意見をもとに、各職場の繁忙実態、裁判員裁判の情報開示、書記官の職務評価・処遇改善、異動課題、書記官による代替要員の確保、執務資料の整備、音声入力システムの開発状況、書記官事務の省力化等について主張しました。詳細は別途、職種ニュース等で報告します。
 今後は、今回の会議における議論及び交渉回答を各地で活用していくとともに、書記官は実質的には裁判所における最大職種であることから、各地で中心となって、裁判員裁判の成功に向けたとりくみを行っていくことが求められます。
 
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手榴弾不発で生き延びた
平和大会in沖縄に参加して
 
 「2007年日本平和大会in沖縄」が11月23日から沖縄県那覇市を中心に開かれ、全司法からは沖縄・鹿児島支部と九州地連が参加しました。
 市民会館での開会集会では、沖縄県慶良間島の元校長先生が「私の家族も戦争末期に島の山中で集団自決を迫られた。しかし、叔父が持っていた手榴弾が不発だったので、母親が『死ぬのはいつでもできる。それを捨てて逃げよう!』と叫んで今日まで生き長らえた。当時の状況から、日本軍の存在・関与なくして集団自決は起きなかった。」と当時の体験談を語りました。沖縄高校教職組合委員長は、「日本史教科書の検定意見問題は、悲惨な沖縄戦を体験した県民感情を踏みにじるだけでなく、教え子を二度と戦場に送らないという教員の誓いからも許せない」と強調されました。
 その後、主催者の基調報告があり、平和をめぐる情勢や今後の運動の方向等について、世論を広げる視点をふまえてどう行動していくかという提起がありました。
 また、辺野古における普天間基地移設反対闘争についてや岩国基地の機能強化、横須賀基地への原子力空母寄港に反対するとりくみなども報告され、平和運動が全国各地で広がりを見せている様子が伝わってきました。
 24日は、「動く分科会」が企画され、戦跡めぐりや米軍基地調査といったコースがありました。そして、25日には名護市のキャンプ・シュワブ「人間の鎖」行動があり、全司法も鹿児島代表が参加しました。
 「安心して暮らせ、互いに傷つけたり、人を殺すことのない社会」が平和だとするなら、基地や軍隊はそれを一番脅かす存在です。よりよい社会実現をめざして、やるべきことはたくさんあると感じました。
(九州地連 U)
 
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