07年秋の臨時国会は、安倍首相の突然の「政権投げ出し」と福田新首相の誕生という、劇的な情勢変化で幕を開きました。参議院での与野党逆転という「衆参ねじれ状態」の中で、テロ特措法の延長か新法か、公務員賃金改善、継続審議となっている労働法制3法案など、私たちの労働条件に関わるものも含めた重要法案をめぐって緊迫した状況であり、国会延長も必至といわれています。
公務員賃金の改善 空白国会のあおりで見通し立たず 青年層の賃上げと一時金改善を主な内容とする07年人事院勧告の取り扱いは、安倍首相辞任のどたばた劇で空転した国会のあおりをうけて、いまだに改正給与法の閣議決定すら行っていないという状況です。
政府は、8月8日の人事院勧告を受けて、8月10日に第1回給与関係閣僚会議を開きましたが、それ以降開かれておらず、「引き続き検討」状態のままです。
国公労連は9月11日に総務省交渉を実施し、「国民に理解される結論が得られるよう、誠意をもって検討する。ただし、第2回給与関係閣僚会議がいつ頃になるかなど、今後の具体的スケジュールについてはまだいえる段階にない。臨時国会会期末(11月10日)までの法案処理ということも念頭に調整を進めながら、できるだけ早期に結論を得るようにしたい」と回答しました。
政府が、給与法改正をテロ特措法の「生け贄」にして値切り・凍結する可能性も完全に消えたわけではありません。
8年ぶりの賃上げが実施され、4月に遡って「差額」が支給されれば、大半の青年にとっては初めてのこととなります。
政府による値切り・凍結等を許さず、給与法の早期改正・実施を求めて対政府追及と国会要請を強めていきます。
テロ特措法 最大の焦点に 今臨時国会で最大の焦点となっているテロ特措法(別掲で解説)の延長法案は、参議院での与野党逆転をうけ、政府与党は、ほぼ成立をあきらめ、会期を延長した上で、新法案を提出することで一致したと報じられています。(10月2日現在)
政府・与党で調整してきた新法案の内容は、(1)海上自衛隊のインド洋給油を継続させるため、活動を給油・給水に限定する、(2)海自など海上阻止行動への「謝意」を盛り込んだ新たな国連安保理決議も追加する、(3)法律の成立が活動の承認と同じとして、国会承認は必要ないとする、などです。
自衛隊派兵はいかなる目的を持っていたとしても、日本国憲法違反です。
野党は延長反対で一致し共同歩調をとると見られ、後半国会の論戦は激化することが予想されます。
残業野放し法の廃案を
過労死ラインといわれる月80時間を超えないと割増率が50%にならないという「残業野放し法」である労基法改正案、労働契約の締結や変更を、使用者が一方的にできる労働契約法案、39年ぶりの大幅改正といわれる最低賃金法改正案、の労働3法案は、衆院で継続審議となっています。
この臨時国会の焦点の一つです。
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