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声明・決議・資料
 
裁判員施行まで2年、「万全の態勢」整備を
 
2007年4月 全司法労働組合

 裁判員法施行まで残すところ2年。「万全の態勢」整備に向け、08年度予算要求において「大胆できめ細かな概算要求」を出させ、円滑な導入に向けた態勢を作り上げていくとりくみが重要です。
 その出発点となる諸要求貫徹闘争で追及すべきポイントについて、書記官対策を中心に検討しています。

分かりやすい裁判めざし人的・物的予算の充実を

物的充実について
 裁判員裁判開始時点における裁判員裁判実施庁60庁における庁舎の改修等予算は、06・07年度予算で確保されており、08年度中には、全ての裁判員裁判実施予定庁で庁舎整備が完了する見通しです。今後は、法曹三者を中心とした「公判廷における審理方法」の検討等を加速させながら、裁判員に分かりやすい審理を進めるための機材や備品等の設置、その運用をサポートするための職員の役割と業務、その処理態勢等を検討し、08・09年度予算への反映を図ります。

人的充実について
 裁判員法成立後3年間(05〜07年度)における増員は、判事120名、判事補105名、書記官468名となっています。ただし、他の一般職の減員数も合計455名に上ります。
 07年度予算における増員分は、医療・建築等の複雑困難な事件の審理期間の短縮、早期解決が求められている刑事事件の重大事件、成年後見事件及び財産管理事件の処理等に向けられました。家事等に代表される現在の職場実態や政府の定員削減計画をふまえた場合、09年の裁判員裁判開始時にどの程度の人員を確保できるかは、全く見通せない状況にあると言えます。
 公判廷における書記官複数立会の可能性等も視野に入れながら、書記官の積極的な純増要求を引き続き維持・拡大させるとともに、その育成を具体的に開始させるとりくみが求められています。

参加環境の整備
 その他、育児や介護等の負担を抱える国民への環境整備等、関係機関との調整を進めていける態勢確保(広報の充実)など社会的整備を引き続き求めていきます。



円滑にすすめるための法律 規則の制定や運用に反映
 最高裁は、この間の刑事事件担当裁判官協議会等における協議結果や模擬裁判に関して各庁から寄せられた報告、刑事担当職員、全司法の意見等をふまえながら、裁判員裁判を円滑に進めるための法案整備や規則制定作業を進めています。
 昨年11月には、法制審議会に対して、(1)裁判員裁判において、評議等における裁判員の職務の的確な遂行を確保するために必要があると認めるときは、証人尋問を録画することができるものとすること、(2)刑訴法48条3項の公判調書の整理期限について、公判期日から判決宣告期日までの期間が10日未満の公判調書の整理期限について、判決宣告期日から、少なくとも7日延長するものとすることの2点を申し入れ、これに「区分審理決定がされた場合の審理及び裁判の特例等(部分判決制度)」をあわせた裁判員法及び刑事訴訟法の一部改正案と、裁判員選任に関しての検察審査会法の一部改正をあわせた束ね法(裁判員の参加する刑事裁判に関する法律等の一部を改正する法律案)が、3月13日に第166通常国会に提出され、審議されています。
 規則の制定に関しては、管轄や裁判員選任手続について新たに定めていく必要があるほか、運用上の重要な事項についても、規則と密接に関連することから、統一した形を作っていく必要があります。
 また、裁判員の選任手続を中心とした業務については、膨大な機械的事務をどのように軽減させていくのかの点も含めながら形づくらせていくことが必要になると考えており、問い合わせ窓口のあり方等も含めて、その具体化についての意見をまとめ、規則や運用に反映させていくことが求められています。
 5月には東京地裁において、「大手企業と協力し、従業員から候補者を無作為に抽出する『模擬裁判員選び』を始める。裁判員の確保は制度運用の成否を握るため、辞退理由の分析も進める。希望者を中心とした従来の模擬裁判と違って、呼び出されたメンバーによる評議がどう進むかも検討する」ことが報道されました。
 辞退理由や評議など、裁判官マターの問題が中心となっていますが、裁判員に対する手続教示や必要な資料の提供方法、公判廷における機材活用等、裁判員裁判の運営に関わる部分等も幅広く「模擬」に加えていく機会を積極的に提案しながら、運用の検討と並行して、専門部署の新設も含めた組織態勢の整備も積極的に提案していくとりくみが求められます。
 
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