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全司法新聞
 
『虎に翼』を話題に みんなで学ぼうジェンダー平等
 
「ジェンダーカフェ」で気軽に話しましょう

 4月13日、第1回目となる「全司法ジェンダーカフェ」(オンラインミーティング)を開催しました。
 ジェンダー平等の実現が社会的な課題になるもとで、国公労連は昨年夏の第69回定期大会で「国公労連ジェンダー平等宣言(案)」を提案し、現在、職場採択運動にとりくんでいます。
 全司法ではその一環として、ジェンダーについてだれでも気軽に参加できて「気づきを得られる」場を設定することが大切だと考え、4月から6月にかけて月1回の「全司法ジェンダーカフェ」を開くことにしています。

ジェンダーってなに?

*生物学的な性の違いに対して、文化的・社会的に形成されてきた性差
*「女らしさ」「男らしさ」

克服すべきものは何か?

*ジェンダーバイアス…「男らしさ」「女らしさ」を基に男女の役割を考えることや、性差に対して差別や偏見を持つこと
*ジェンダー規範…男性と女性がどのようにあるべきで、どう行動し、どのような外見をすべきか、という考え方
*ジェンダーギャップ…男女の性差によって生じる格差

「国公労連ジェンダー平等宣言(案)」
 
日本のジェンダーギャップ指数は125位
寅子の「は?!」は昔の話?

 全司法ジェンダーカフェは、朝10時に「開店」し、店(Zoomミーティング)を訪れた参加者各人が「喫茶店の思い出」を話したアイスブレイクの後、マスターの中矢委員長から20分間、「本日のメニュー」の説明がありました。
 この日のメニューは「日本国憲法とジェンダー平等」。「国公労連ジェンダー平等宣言(案)」の最初のブロックです。店員の小田青年協議長が「宣言(案)」を読み上げた後、そもそも「ジェンダーとは何か」ということから説明が始まりました。

 ジェンダーとは「生物学的な性の違いに対して、文化的・社会的に形成されてきた性差」で、「男らしさ」「女らしさ」と言われたりするものです。例えば、「『決断力があって』男らしい」とか「『きめ細やかで』女らしい」といったものですが、それは本来の性差とは関係なく、いつの時代かに、誰か(多くの場合、その時代に権力を持っている人)の都合で作られて、社会に広まったものに過ぎません。
 4月から始まったNHK朝ドラの「虎に翼」は戦前から戦後にかけてのお話で、主人公の猪爪寅子のモデルになっているのは、日本初の女性弁護士、日本初の女性裁判官、そして、初めて女性で所長になった三淵嘉子さんです。寅子の母は「女学校を出たら結婚し、子供を産み、家庭を守るのが女の幸せ」だと言いますが、寅子はそうは思えません。たまたま行った大学(法学部)の講義で「婚姻した女性は無能力者」との話を聞き、「は?!」と声をあげるシーンが出てきます。こうした寅子の「は?!」は、昔の話になったのでしょうか?それとも、今でも生きているのでしょうか?
 スイスの非営利財団「世界経済フォーラム」(WEF)が毎年公表しているジェンダーギャップ指数で、日本が146か国中125位だったというニュースが話題になりました。特に経済、政治への参画が低くなっているとのことです。労働条件に関する格差も大きく、とくに賃金格差が問題になっています。やはり、寅子の「は?!」は今も生きているようです。

寅子の「は?!」

○母から次々とお見合いを勧められる。女学校を出たら結婚し、子供を産み、家庭を守るのが当然とされていた。
○教室から「婚姻した女性は無能力者」という学生の声が聞こえた。驚きのあまり、思わず「は?!」と大声を出してしまう。
○家事を切り盛りしながらも、公の場では夫を立てて控えめに振る舞う母のような生き方が、寅子には幸せだとは思えなかった。
○裁判官の桂場に「私も女子部進学には反対だ」と言われてしまう。
○大学の男子学生たちは「魔女部」「引き返すなら今だ」「嫁のもらい手がなくなる」などと嘲笑。先輩は法律を学んでいることを理由に婚約を解消された。

実は憲法に書かれている課題

 メニューの説明が終わった後、少人数のグループに分かれて「テーブル席」(ブレイクアウトルーム)に移り、「ジェンダー平等を実現することは、どうして必要だと思いますか?」をテーマに自由に、ざっくばらんに意見交換しました。
 20分後、再び全員が「カウンター席」(全体ミーティング)に戻り、マスターが意見交換のまとめをしました。

 ジェンダー平等とは「ひとりひとりの人間が、性別にかかわらず、平等に責任や権利や機会を分かちあい、あらゆる物事を一緒に決めることができること」を意味します。バイアス(偏見)や規範は一気に変わらなくても、ジェンダーによる「格差」をなくしていく仕組みや社会をつくることは、労働組合も含めてとりくむべき課題です。

単なる女性の権利拡充ではなく多様性を認め合うこと

 ジェンダー平等を目指すことは、単に女性の権利を拡充することではありません。『男らしさ』から男性が解放されることや、最近は、LGBTQ(性的自認や恋愛対象の多様性)が課題としてあげられますが、それも含めて、みんなが平等に取り扱われ、差別がない社会を作っていこうという話で、「社会的文化的につくられた性差にとらわれず、性的指向や性自認で差別されることなく誰もが尊厳をもって生きられること」であり、「多様性を認めあう共生社会の核心となる考え方」です。

憲法が目指す社会を実現する「要」となる課題

 ところで、日本国憲法は13条で「すべて国民は、個人として尊重される」として、個人の尊厳を謳い、14条で「すべて国民は、法の下に平等であつて…、性別、…により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」と定めています。「ジェンダー平等」という言葉は、最近とりあげられるようになってきたものですが、その考え方自体は、「こういう国を作りましょう」というこの国の目標であり、政治家や公務員に「こういう国を作りなさい」と命令する憲法に、実はすでに組み込まれているものです。「虎に翼」も寅子が憲法の条文を手にするシーンから始まりましたよね。
 私も起案に参加した「国公労連ジェンダー平等宣言(案)」の最初のブロックは、そのことを書きました。しかも、男女の役割という私たちの普段の生活に最も身近な問題であり、寅子の時代からまだ実現できていない問題ですから、そこに光を当てることが憲法を生かすことにもつながると考えて「その要」という言葉を使っています。

 閉店は11時。土曜の朝、気軽に参加してもらおうという趣旨できっかり1時間、時間厳守でお店を開いています。
 今後の予定は次のとおりです。
第2回 5月11日(土)
「職場でのジェンダー平等」
第3回 6月8日(土)
「労働組合におけるジェンダー平等」

 組合員のみなさん、ぜひ、気軽に参加してください。
 また、国公労連が作成した職場学習資料「みんなで学ぼう ジェンダー平等」を配布しますので、ぜひ、職場会等で話題にしてみてください。

 
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「仲間を増やす」「担い手を増やす」
「すそ野を広げる」活動で要求前進と組織強化・拡大を!
第2回全国書記長会議
 
 4月21日〜22日にかけて、2023年度第2回全国書記長会議を開催しました。会議を通じて、2024年諸要求貫徹闘争における最高裁交渉での要求前進にむけた職場の課題や問題を話し合い、要求実現のために配置しているとりくみの意思統一をはかるとともに、組織課題では4月前半のとりくみを振り返ったうえで、全国大会にむけて組合員拡大に全力でとりくむことの意思統一をはかりました。

全員参加型の組織を作っていこう

分散会で職場実態を共有

 会議冒頭の中矢委員長のあいさつでは、情勢に関わって、「安保3文書」に基づく防衛予算の支出がすでに昨年から始まっていることが紹介され、国家公務員である私たちが労働条件の改善を要求するには「国の財政事情」について知っておくことが大切だと述べました。
 また、本会議のゴールを「諸要求貫徹闘争期における最高裁交渉でぶつける要求・職場実態はなにか」「全国大会までに組合員を増やすにはなにをすべきか」を参加者全員で考え、その実現にむけて地連・支部が計画を作って持ち帰ることであると伝え、全員参加型の組織を作っていくためにも、元気の出る会議にしようと呼びかけました。

諸要求方針を報告する
井上書記長

職場の要求を最高裁交渉に集中させる

 井上書記長の2024年諸要求貫徹闘争のとりくみの報告では、裁判所が行う政策にはすべて予算の裏付けが必要であり、私たちの要求実現にも当然に予算の裏付けが必要になると述べ、要求実現には、次年度裁判所予算の概算要求に全司法の要求を反映させていくことがなによりも重要で、そのために最高裁と対峙する本部に職場の要求を集中させることが求められると強調しました。
 また、今年も「全国統一プレート行動」を配置して要求の前進をめざすことを確認し、全国統一のとりくみについて説明しました。人員、労働時間短縮・超勤縮減、職員の健康管理、デジタル化への対応、職員制度に関する課題、休暇・休業・次世代育成支援対策、組織見直しなどの課題をあげて「前進をめざすべき要求」であると位置づけ、それぞれ追及するポイントを説明しました。
 とりわけ、家庭裁判所の充実・強化について、今国会に民法等の一部を改正する法律案が提出され衆議院で可決された中で、共同親権の導入や面会交流の新たな枠組みが導入されれば、家裁調査官の人数が足りないのは目に見えており、家庭裁判所の抜本的な人的・物的体制の整備が必要であることに加えて、家裁調査官の大幅増員は欠かせないことが強調されました。
 また、組織課題に関わっては春闘期からのとりくみを振り返り「今の組織が維持できるかどうか正念場」であることを改めて強調しました。一方で、労働組合に対する社会的な注目により「復権のチャンス」が訪れており、このチャンスを確実につかみ取るために労働組合の運動に自信をもってとりくむことが必要であると訴え、全国大会にむけて「仲間を増やす」「担い手を増やす」「すそ野を広げる」といった点を意識してとりくみをすすめていくことを確認しました。

「共同親権」の動きも踏まえ家裁の体制強化を!

 全体討論では、4月期新採用職員に対する働きかけの経験交流を行い、はっきりと「組合に入って」と伝えることが大切であること、対話の重要性について複数の支部から報告がありました。また要求組織に関わって、共同親権の導入は家裁調査官にとどまらず家裁の書記官・事務官にも影響があることから、この諸要求期に要求を通さなければならない課題であると実感したとの受け止めが報告されました。
 会議のまとめで井上書記長からは、組織拡大に関してここからは職場を基礎とした働きかけを行う時期であり、地連・支部が情報を共有して一体となってとりくみをすすめていくことが必要であること、さらに新採用職員を加入させて終わりではなく、むしろ加入させてからがスタートであり、全司法に加入して良かったと思えるとりくみを続けていくことが必要であると強調しました。
 また、職場の要求を最高裁交渉に集中させるためにはなによりも職場実態報告が重要で、職場の中から要求を拾い上げて最高裁にぶつけていくことを確認しました。
 なお、本会議の中で第81回定期大会を集合形式で開催すること、あわせてオブザーバーのオンライン参加は認めることを報告しました。

 
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オンラインミーティングやります!
 

 全司法は活動にオンライン(Zoom会議)を活用する観点から、オンラインミーティングを積極的に開催しています。
 全国の仲間と話せる機会ですので、興味・関心があるミーティングに、ぜひ参加してください。


第43回司法制度研究集会
 6月22日(土)13:00 〜

全司法ジェンダーカフェ
 5月11日(土)、6月8日(土) 各10:00〜

階層・職種等のオンラインミーティング
 調査官   5月09日(木)19:00〜
 事務官   5月13日(月)18:00〜
 書記官   5月19日(日)13:30〜
 女性    5月25日(土)15:00〜
 速記官   5月26日(日)11:00〜
 法廷警備員 5月27日(月)18:00〜
 行(二)職 6月26日(水)18:00〜
 非常勤職員 7月08日(月)18:00〜

全司法独自スクーリング(勤労者通信大学等)
 6月20日(木)、8月21日(水) 各18:00〜

青年協・ちいかわ分会交流会
 5月16日(木)19:00〜

※参加方法は、近くの組合役員に確認するか、
 メール(mail@zenshiho.net)でお問い合わせください。

 
 
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